一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『がん保険のカラクリ』

2013-01-06 | 乱読日記

正月休みに保険を見直そうかと購読。

がん保険だけでなく医療保険や年齢・ライフステージによる必要な保険の考え方が整理してあって参考になりました。

僕が若かった頃はまだ、実家の知り合いの外務員などに説明を聞きながら入っていたものでした。
ひどいものでは、新入社員の研修で保険の勧誘をやらされていて成績次第で配属先が決まる、と同級生から泣き落としを受けて入った(しかもそいつは数年後に転職してしまったw)A生命なんてのもありました。

そんなこともあったので、死亡保障については2度ほど見直しをして整理がついた状態なのですが、がん保険もあまり深く考えずに入っていました。
本書にもAFLACは企業の代理店を通じてに営業をかけて顧客を拡大したとありますが、まさにその術中にはまったわけです。
しかも毎年に近く新しい特約やらの新商品ができて、ついつい何年に一回かは付加してしまったりした結果、入院保障とがん以外の疾病のときの特約については確かに過剰感がありました。
まあその辺、ライフステージに応じて徐々に減らしていこう、という計画を立てられたのが一番の収穫でした。
(なので、著者が副社長をやっているライフネット生命には入らないけどご勘弁を)

契約の時には合理的な判断ができないのが生命保険の特徴だとAFLACの創業者も言っていたようですが、本書は一般人が陥りやすい思考の誤りを指摘してくれています。

いずれにせよ、保険を選ぶ際にもっとも大切なのは、「いくら払って、その代わりに何を保障してもらえるか」という算式である。高い確率で起こる事象を保障してもらうためには、その分保険料は高くつく。保険料を低く抑えようと思えば、その分保障範囲を限定しなければならない。その点において「お得な保険」なんてものは存在しないのである。

これは理屈ではわかっているし、自動車保険などではけっこう実践しているのですが、生命保険だと情報が得にくいこともあり、合理的な判断は難しいですね。

それから、言われてみてなるほど、と思ったのは

・・・保険の本質は「発生する確率は低いが、起きたときに大きな経済的損失を被る可能性がある事故に備えるため、大勢で少しずつお金を出し合って備える仕組み」である。・・・
 これに対して、「自分の身に起きる確率が高い事象」については保険ではなく貯蓄等の資産形成によって準備されるものである。子供の教育費、老後の生活費は必ず必要になることがわかっているお金である。「偶然の事故に備えて大勢で少しずつお金を出し合う仕組み」である保険には適していない。
 (中略)
 この点、老後の生活に入ってからの死亡や病気は「発生確率が低い現象」とは呼べないのではないか。・・・
 したがって、老後の生活において私たちにふりかかる死亡・病気等の事象に対しては、原則として保険ではなく貯蓄による現預金で対応すると考えるべきである。

まったくその通りだと思います。

特に日本は健康保険制度が充実している(=掛け金を負担している)ので、自己負担はさほど多くないという現実をきちんと認識して判断すべきで、本書はその点の説明も充実しているので、保険を見直そう、新たに検討しようという方にはオススメです。



 


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2 コメント

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Unknown (uk)
2013-01-07 00:11:30
日本人は保険が好きですからね、アフラックは収入の90%超を日本市場で稼いでますし。ソースは忘れましたが、確か世界人口の2%しかない日本人が、保険料収入の世界シェア18%を握っているはずです。
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保険好きの国民性 (go2c)
2013-01-07 00:49:13
ukさん、コメントありがとうございます。
世界の19%というのはなんとなくわかる気がします。
保険好きの国民性には、郵便局の簡易保険の影響も大きいかもしれませんね。
国によっては、保険会社が保険金をちゃんと払うこと自体を信じない人が多いところもあるでしょうし。
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