戦国時代が面白いのだったら、その前の時代も面白いはず。
応仁の乱を、興福寺の僧侶2人の日記を軸に、それぞれの勢力の利害関係、力関係というリアルな政治として描いている。
著者は従来の歴史学を「階級闘争史観」-下の階級の者がその上の階級の者に対して闘争を起こし、打倒することで歴史は進歩する、という歴史観-として批判する。
言われてみれば当然なのだが、いつの時代もその時々の利害関係、力関係で動いている。その結果が後世からみれば「歴史」になるわけで、過去にさかのぼるほど史料が乏しく、事実についての公式記録しか残らないので、いわば後講釈の階級闘争史観が成り立つのだろう。
その断層が戦国時代前後にあったものを、史料の綿密な読み解きから一つ前倒ししてみると、応仁の乱も当然魅力的になる。
特に戦国時代よりも力のあった天皇というプレイヤーが加わること(特にその判断によっていかに自らの影響力を損なってしまったかも含め)、舞台が主に畿内にとどまることで、内容が濃密になっている。
難点といえば、親族同士で東軍西軍に分かれたり、血縁関係が分かりにくくて読んでいて混乱すること。
系譜図をスクショして常に参照できるようにしたら理解が早まった。電子書籍の使い方に段々慣れてきた(紙の本でも付箋つけとけばいいんだけど)
★3.5
応仁の乱を、興福寺の僧侶2人の日記を軸に、それぞれの勢力の利害関係、力関係というリアルな政治として描いている。
著者は従来の歴史学を「階級闘争史観」-下の階級の者がその上の階級の者に対して闘争を起こし、打倒することで歴史は進歩する、という歴史観-として批判する。
言われてみれば当然なのだが、いつの時代もその時々の利害関係、力関係で動いている。その結果が後世からみれば「歴史」になるわけで、過去にさかのぼるほど史料が乏しく、事実についての公式記録しか残らないので、いわば後講釈の階級闘争史観が成り立つのだろう。
その断層が戦国時代前後にあったものを、史料の綿密な読み解きから一つ前倒ししてみると、応仁の乱も当然魅力的になる。
特に戦国時代よりも力のあった天皇というプレイヤーが加わること(特にその判断によっていかに自らの影響力を損なってしまったかも含め)、舞台が主に畿内にとどまることで、内容が濃密になっている。
難点といえば、親族同士で東軍西軍に分かれたり、血縁関係が分かりにくくて読んでいて混乱すること。
系譜図をスクショして常に参照できるようにしたら理解が早まった。電子書籍の使い方に段々慣れてきた(紙の本でも付箋つけとけばいいんだけど)
★3.5