一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『セントアンナの奇跡』

2010-05-17 | キネマ
素材はいいんだけど料理法が・・・

NYの郵便局で働く男ヘクターが、切手を買いに窓口に現れた男を突然射殺。彼の部屋からは、イタリアで行方不明になっていた彫像の頭部が発見される。ヘクターと殺された男の関係は?
実はヘクターは第二次世界大戦中に黒人部隊“バッファロー・ソルジャー”の一員で、事件の鍵は1944年のイタリアにあった・・・

と話は展開していきます。


第二次世界大戦中の米軍内での黒人部隊に対する差別と「黒人差別」自体を知らないイタリアの村人たちとの交流を対比させながら、そこで起こった悲劇が謎解きの鍵になり、そして最後の「奇跡」につながっていく、というストーリーなんだけど、今ひとつ食い足りない感じがしました。

監督はスパイク・リーだと後で知ったのですが、確かに黒人部隊への差別や黒人兵の鬱屈、そして黒人兵といってもステレオタイプでなくさまざまな人物がいる、という描写の部分は力が入っています。
その反面、戦闘シーンや兵士同士の会話などは意図的に戯画化されたかのようにちょっと陳腐です(タランティーノが少し入っていた感じ)。

全体に散漫になってしまっていて、その結果、最後の「奇跡」は都合よすぎた感が出てしまいました。


ストーリーの筋自体はいいので、構成・編集をもっと工夫すれば、最後の謎解きから「奇跡」までつながって盛り上がったと思うのでちょっと残念でした。




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