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アメリカ・イギリスの合作映画であるが、もうほとんどこれはイギリス映画と言っても良いだろう。ロンドン、階級社会、衣装、映像などを観るとやっぱりイギリス映画はこれだよなと感じることができる。特にイギリスを舞台にした階級社会の恋愛映画は多々あるし、ほとんど描かれ尽くされている感すらある。
今回紹介する鳩の翼もイギリスの階級を背景にした恋愛映画だけれど、この映画はさらに人間の複雑な心理に突っ込んでいるところが奥深い内容になっている。
殆んどの階級社会を描いた映画は、上流階級(あるいはちょっと身分が高め)に属する女の子と貧しい青年が愛し合うが、上流階級の女の子の周囲の大人たちが『そんな卑しい身分の男性と付き合ってはいけません』と妨害工作にうって出てくるが、障害のハードルが高ければ高いほど、さらに身分違いの恋人同士が熱く燃え上がり、ハッピーエンドだろうがアンハッピーエンドだろうが観ている我々は涙を流しまくるのだ。特にあの大ヒット映画タイタニックは、まさにそんな映画だった。
ところが今回紹介する鳩の翼を観た後に、あるいは途中から、なんだかこの女の子の行動はやっぱり間違っているんじゃないの?と考えさせられる映画。ストーリーは上流階級の叔母さんのお世話になっている没落している中流階級のお嬢さんと、貧しいジャーナリストの青年が熱く燃え上がっている。
そんな2人の恋を、”相手はお金が無いから”とイチャモンをつけたり、”お嬢さんのお父さんへの援助を打ち切ります”と脅されたり等、さまざまな妨害工作に出てくる叔母さんのおかげで、すっかりこの恋愛は実らなくて可哀相だと思った瞬間に、ちょっとお金持ちのアメリカ人女性が登場してから再びお嬢さんの心に火が付いてしまう。
あらゆる障害を一挙に解決して、お嬢さんが男性と結婚するために行う策略をみて、本当に恋愛に狂った女性の怖さに男性たちはドン引きするが、一方女性はこれぐらいの事は当然よと平然としていられるのだろうか
ナンダカンダ言っても男1人、女2人の三角関係は男の俺にとっては非常に羨ましいと思ったりするのだが、観終わった後はそんな気分も吹っ飛ぶ鳩の翼を紹介します
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1910年のロンドン舞台。今やすっかり没落寸前の中流階級に属するケイト(ヘレナ・ボナム=カーター)は、上流階級のモード伯母(シャーロット・ランプリング)の元で暮らしており、金銭面でもお世話になっていた。
しかし、ケイト(ヘレナ・ボナム=カーター)は貧しいジャーナリストであるマートン(ライナス・ローチ)と愛し合っていた。しかし、この身分違いの恋愛はモード伯母(ランプリング)から反対されていた。
ケイト(ヘレナ・ボナム=カーター)はすっかりマートン(ローチ)との結婚をほとんど諦めていたが、ある日のことアメリカからやって来た孤児でありながらもお金持ちであるミリー(アリソン・エリオット)と知り合い、親しくなる。
ところがケイト(ヘレナ・ボナム=カーター)はミリー(エリオット)がマートン(ローチ)に一目惚れしていることを知り、さらに彼女がすでに余命が幾ばくもないことを知ってしまう。ケイト(ヘレナ・ボナム=カーター)はある企みを思いつき、マートン(ローチ)とミリー(エリオット)をヴェネツィア旅行に連れ出すのだが・・・ケイトとマートンはあらゆる障害に打ち克って無事に結婚できるのか?観終わった後はちょっと複雑な心境に達することができるので、ぜひ映画を観てください
ちなみにタイトルの鳩の翼の意味は最後の方で一言だけ台詞で出てきますが、イギリスの伝統、因習に縛れてしまって自由がないヒロインが、自らの目的に向かって飛び立とうとしていることを意味しているようです。
しかし、ヴェネツィアは本当に綺麗な場所みたいで、一度は行きたいですね。この場所が色々な映画の撮影場所に使われる理由がわかる気がしますし、不倫映画の舞台になりやすいのもわかる気がしました。
ちなみに監督はイアン・ソフトリー。実はこの監督のことは全く知りませんでした。お勧め作品があれば、逆に教えて欲しいくらいです
主演のケイトを演じるのはヘレナ・ボナム=カーター。今やティム・バートン監督の奥さんですが、彼の作品には多く出演していますが被り者が多いのが残念。最近では英国王のスピーチで、いきなり英国王になってしまった夫を支える役が印象的。
しかし、本当にお勧めとなると彼女が若い頃の作品群。眺めのいい部屋、ハワーズ・エンドのようなイギリスらしい気品のある作品が本当によく似合う女優さんです。
他にロバート・デ・ニーロ共演のフランケンシュタイン、デヴィッド・フィンチャー監督、ブラッド・ピット主演のファイト・クラブがお勧め
イギリスの伝統にしばられている上流階級に属するモード伯母を演じたのがシャーロット・ランプリング。僕が産まれる前の作品地獄に堕ちた勇者どもから現在に至るまで主役級の作品にでるなど女優として信じられないくらい活躍しています。個人的にはフランソワ・オゾン監督のまぼろしが良かったです
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