先日、ハリウッドの名優フィリップ・シーモア・ホフマンが46歳の若さで亡くなった。ポール・トーマス・アンダーソン監督の常連であり、スパイク・リー、コーエン兄弟、シドニー・ルメット作品に出演するなど名監督の作品にも多く出演し、主役から脇役までこなし、抜群の存在感を多くの映画で見せ付けてきた個性派俳優。自宅のアパートで死体が発見されたらしいが、その自宅から注射器20本、ヘロインが50袋も発見されたらしい。確固たる地位を築き、スランプなど全く無縁に思われたのだが、一体何が彼を薬物に頼らざるを得ないほどの状況に追い込んでいたのか?きっと俺のような凡人には想像できないストレス、悩みを抱えていたのだろう。いや~、それにしても惜しい。
さて、多くの名作、個性的な作品、大作にも出演していただけに彼の代表作を挙げるとなると、なかなか難しいのだが、やはり名実共にトップクラスである事を証明した作品となると自身がアカデミー主演男優賞に輝いたカポーティだろう。
タイトル名が示す通り、アメリカの小説家であり、ノンフィクション小説の分野を切り拓いたパイオニアであるトルーマン・カポーティの伝記映画。ゲイの人物であり、チョイチョイ奇行が目立つ天才作家だが、彼の最高傑作であり、彼の名をを一躍有名にしたのが小説冷血。冷血の創作過程の内容が丹念に描かれているのが今回紹介する映画カポーティの特徴だ。しかしながら、小説を一冊仕上げる過程を見せられる映画と聞かされても大してワクワクする人など居ないのが現実だろう。もしかしたらトルーマン・カポーティって誰?なんて思っている人にとっては全く退屈極まりない映画なのだろうか
古今東西において、コイツは天才だと言われる人物は多く出現した。しかしながら、若い頃から天才と呼ばれながらも意外に大成しなかったり、その才能の片鱗を見せたのはほんの一瞬だった、なんてことがどれだけ多いことか。実際に映画の世界において天才子役と、もてはやされながらも、いつの間にか消え去った人物が多く居るのは皆さんご存知の通り。
実は本作の見所は、決して小説の書き方が上手くなる方法では無く、天才が脆くも凡人以下に成り下がってしまうところ。現在においてもノンフィクション小説の分野において最高傑作の誉れが高く、多く読み継がれている冷血を世に送り出しながらも、なぜトルーマン・カポーティのその後において、すっかり書くペースが落ちてしまったどころか、長編を完成させることも無いほど落ちぶれてしまったのか。
それでは傑作冷血誕生によって、すっかり才能を枯渇してしまう天才作家の落ちっぷりが驚異的なストーリーとは如何なるものか。
1959年アメリカのカンザス州において、一家四人が惨殺される事件が起きる。その事件を新聞で目にし、興味を惹かれたトルーマン・カポーティ(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、幼馴染みであり女性作家でもあるハーパー・リー(グレゴリー・ペック主演で映画化された『アラバマ物語』が有名)(キャサリン・キーナー)を連れて、現地へ向かう。
事件を基にノンフィクション小説を完成させようと決意したカポーティ(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、犯人であり死刑執行猶予中の身であるペリー・スミス(クリフトン・コリンズ・Jr)に獄中取材を試みる。カポーティ(フィリップ・シーモア・ホフマン)の真摯な態度はやがてペリー・スミス(クリフトン・コリンズ・Jr)の心を開かせ、2人の間には友情が芽生える。しかし、その裏でカポーティ(フィリップ・シーモア・ホフマン)はペリー・スミス(クリフトン・コリンズ・Jr)の信頼を傷つける内容の小説に着手していたのだが・・・
当初はカポーティー自身の名誉とお金のために他人の人生に土足で入り込んだのは良いが、ところが予期せぬ良心の呵責に悩んでしまう。常識的なセンスを身に付けてしまったために、天才から一気に凡人以下に転がり堕ちていく様子が鮮やかに描かれている。
俺はこの様子を観ていて気付いたことがある。『なぜ、俺は天才に成り切れないのか?』そして、もう俺は凡人でいいや、と思う境地に達した。
それにしてもフィリップ・シーモア・ホフマン亡き後に本作を観ると、どことなくトルーマン・カポーティの人生と重なるように見えるのは気のせいだろうか?既に観た人には再見することをお勧めするし、未見の人にもカポーティはお勧めだ
こちらが冷血の小説です
監督は本作で名を上げたベネット・ミラー。ブラッド・ピット主演の野球映画マネーボールがお勧め。
主演のトルーマン・カポーティを演じるのは前述しているようにフィリップ・シーモア・ホフマン。彼の他のお勧め作品は名女優メリル・ストリープとの堂々たる演技合戦が見れるダウト〜あるカトリック学校で〜、今となってはアル・パチーノ主演のセント・オブ・ウーマン/夢の香りの悪い高校生役が懐かしい。他にポール・トーマス・アンダーソン監督のマグノリア、ブギーナイツ、出番は短いですがハードエイトもお勧め。トム・クルーズ主演のミッション:インポッシブル3の悪役も印象的でお勧め。
本作での演技では声を大きく変えているので、ぜひ彼の他の作品と聞き比べてください。
カポーティの幼馴染みのパイパー・リー役でキャサリン・キーナー。彼女のお勧め作品となると奇才スパイク・ジョーンズ監督のマルコヴィッチの穴が奇想天外のストーリーで笑える。他にパーシー・ジャクソンとオリンポスの神々も笑える神様映画としてお勧め。
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さて、多くの名作、個性的な作品、大作にも出演していただけに彼の代表作を挙げるとなると、なかなか難しいのだが、やはり名実共にトップクラスである事を証明した作品となると自身がアカデミー主演男優賞に輝いたカポーティだろう。
タイトル名が示す通り、アメリカの小説家であり、ノンフィクション小説の分野を切り拓いたパイオニアであるトルーマン・カポーティの伝記映画。ゲイの人物であり、チョイチョイ奇行が目立つ天才作家だが、彼の最高傑作であり、彼の名をを一躍有名にしたのが小説冷血。冷血の創作過程の内容が丹念に描かれているのが今回紹介する映画カポーティの特徴だ。しかしながら、小説を一冊仕上げる過程を見せられる映画と聞かされても大してワクワクする人など居ないのが現実だろう。もしかしたらトルーマン・カポーティって誰?なんて思っている人にとっては全く退屈極まりない映画なのだろうか
古今東西において、コイツは天才だと言われる人物は多く出現した。しかしながら、若い頃から天才と呼ばれながらも意外に大成しなかったり、その才能の片鱗を見せたのはほんの一瞬だった、なんてことがどれだけ多いことか。実際に映画の世界において天才子役と、もてはやされながらも、いつの間にか消え去った人物が多く居るのは皆さんご存知の通り。
実は本作の見所は、決して小説の書き方が上手くなる方法では無く、天才が脆くも凡人以下に成り下がってしまうところ。現在においてもノンフィクション小説の分野において最高傑作の誉れが高く、多く読み継がれている冷血を世に送り出しながらも、なぜトルーマン・カポーティのその後において、すっかり書くペースが落ちてしまったどころか、長編を完成させることも無いほど落ちぶれてしまったのか。
それでは傑作冷血誕生によって、すっかり才能を枯渇してしまう天才作家の落ちっぷりが驚異的なストーリーとは如何なるものか。
1959年アメリカのカンザス州において、一家四人が惨殺される事件が起きる。その事件を新聞で目にし、興味を惹かれたトルーマン・カポーティ(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、幼馴染みであり女性作家でもあるハーパー・リー(グレゴリー・ペック主演で映画化された『アラバマ物語』が有名)(キャサリン・キーナー)を連れて、現地へ向かう。
事件を基にノンフィクション小説を完成させようと決意したカポーティ(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、犯人であり死刑執行猶予中の身であるペリー・スミス(クリフトン・コリンズ・Jr)に獄中取材を試みる。カポーティ(フィリップ・シーモア・ホフマン)の真摯な態度はやがてペリー・スミス(クリフトン・コリンズ・Jr)の心を開かせ、2人の間には友情が芽生える。しかし、その裏でカポーティ(フィリップ・シーモア・ホフマン)はペリー・スミス(クリフトン・コリンズ・Jr)の信頼を傷つける内容の小説に着手していたのだが・・・
当初はカポーティー自身の名誉とお金のために他人の人生に土足で入り込んだのは良いが、ところが予期せぬ良心の呵責に悩んでしまう。常識的なセンスを身に付けてしまったために、天才から一気に凡人以下に転がり堕ちていく様子が鮮やかに描かれている。
俺はこの様子を観ていて気付いたことがある。『なぜ、俺は天才に成り切れないのか?』そして、もう俺は凡人でいいや、と思う境地に達した。
それにしてもフィリップ・シーモア・ホフマン亡き後に本作を観ると、どことなくトルーマン・カポーティの人生と重なるように見えるのは気のせいだろうか?既に観た人には再見することをお勧めするし、未見の人にもカポーティはお勧めだ
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佐々田 雅子 | |
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監督は本作で名を上げたベネット・ミラー。ブラッド・ピット主演の野球映画マネーボールがお勧め。
主演のトルーマン・カポーティを演じるのは前述しているようにフィリップ・シーモア・ホフマン。彼の他のお勧め作品は名女優メリル・ストリープとの堂々たる演技合戦が見れるダウト〜あるカトリック学校で〜、今となってはアル・パチーノ主演のセント・オブ・ウーマン/夢の香りの悪い高校生役が懐かしい。他にポール・トーマス・アンダーソン監督のマグノリア、ブギーナイツ、出番は短いですがハードエイトもお勧め。トム・クルーズ主演のミッション:インポッシブル3の悪役も印象的でお勧め。
本作での演技では声を大きく変えているので、ぜひ彼の他の作品と聞き比べてください。
カポーティの幼馴染みのパイパー・リー役でキャサリン・キーナー。彼女のお勧め作品となると奇才スパイク・ジョーンズ監督のマルコヴィッチの穴が奇想天外のストーリーで笑える。他にパーシー・ジャクソンとオリンポスの神々も笑える神様映画としてお勧め。
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