褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 サラの鍵(2010) 悲惨な話のオンパレードですが・・・

2014年02月26日 | 映画(さ行)
 有名人のゴシップネタは他人の事ながらメチャクチャ面白いと思ってしまうのだが、逆の立場で考えると俺なんかは恥ずかし過ぎて知られたくない隠し事だらけ。そうは言っても俺の隠し事なんかは笑って済ませられるレベル。しかしながら、今回紹介する映画サラの鍵は、45歳の主人公の女性が悲しさのあまり、偶然に知った60年以上前に起こった事件(ヴェロドローム・ディヴェール大量検挙事件)に遭った少女サラの、その後の人生を調べ上げると出てくるのは悲惨なことばかり。
 しかも、そんな悲惨な出来事を各関係者に『事実はこうでした・・・』なんて、わざわざ知らせに行ったりするのだが、どう考えても余計なお世話の何物でも無いように俺には見えたのだが。特に『あなたのお母さんが死んだのは実は・・・』なんて初顔合わせの人間に打ち明けたりするが、聞かされた人間は全くの何の得にもならないばかりか、この後の人生が暗い方向へ転がってしまいそうになるではないか
 果たして人間とは知りたくも無い事実は知らないまま通り過ぎた方が良いのか、それとも辛い事実を知らされることによって何かメリットはあるのか、それとも他に?本作はそんな問題提起を観ている我々に問いかけ、ラストシーンでは鮮やかに回答を導き出してくれる。

 現代と過去が行ったり来たりしながらストーリーは進むが、サラの人生に触れることによって主人公の女性に一体何をもたらすのか?それでは簡単に内容の紹介を。
 パリで夫と娘と暮らすアメリカ人女性ジャーナリストのジュリア(クリスティン・スコット・トーマス)は45歳にして妊娠する。大喜びで二人目の子供の妊娠を夫に報告するが、何と夫の答えは『堕ろせ』。予期しない夫の返答に悩んでいたジュリア(クリスティン・スコット・トーマス)だったが、取材している内に驚きの事実を知る。それは夫の両親から譲り受けて住んでいるアパートだが、その一室は1942年にユダヤ人一斉検挙(ヴェロドローム・ディヴェール大量検挙事件)によってアウシュビッツ収容所へ送り込まれた少女サラ(メリュジーヌ・マヤンス)とその家族が住んでいた。
 しかし取材を続けていると、実はサラ(メリュジーヌ・マヤンス)は収容所を脱走しており、現在でも生きている可能性があることを知ったジュリア(クリスティン・スコット・トーマス)は、更にサラ(メリュジーヌ・マヤンス)の足取りを調べるために周囲の反対を振り切って取材を続行するのだが・・・

 タイトルが示すにまつわるエピソードが悲しすぎる。サラが収容所から脱出しようとする真の目的を知っていながら観ている我々にとって、淡い期待を込めながら脱出シーンを見ることになるのだが簡単にその期待は裏切られる。そして、その後に描かれるサラの人生もボロボロ。どう考えても誰もが不幸のどん底に陥る結末しか想像できなかったのだが。
 絶望感しか無さそうなサラの人生はジュリア(クリスティン・スコット・トーマス)に何をもたらすのか?暗闇の中にかすかに希望の灯が見えるサラの鍵は観終わった後は何だか前向きに生きようと思える映画です

サラの鍵 [DVD]
クリスティン・スコット・トーマス,メリュジーヌ・マヤンス,エイダン・クイン
東宝


 主演のジュリアを演じるのはクリスティン・スコット・トーマス。アンソニー・ミンゲラ監督の砂漠のシーンがとっても印象的な大いなる不倫映画の名作イングリッシュ・ペイシェント、ロバート・レッドフォード監督、主演のとっても癒されるモンタナの風に抱かれて、ロバート・アルトマン監督の群集劇サスペンスンゴスフォード・パークがお勧め、他にも多くの傑作に出演している実力派女優さんです。

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