褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 スリ(1959) 渋い犯罪映画

2025年02月06日 | 映画(さ行)
フランス映画界の巨匠ロベール・ブレッソンの作品と聞いても個人的に心に響かなかったのだが、前々から気になっていた映画が今回紹介するスリ。本作でスリの仕方を学ぼうと思って観るのは間違い。むしろスリの快感に溺れていく主人公の心理描写に個人的には惹きつけられた。

 早速だが犯罪から抜け出せない若者のストーリーの紹介を。
 ミシェル(マルタン・ラサール)は、競馬場で婦人からスリをして成功したかと思いきや1分後には逮捕されてしまう。しかし、証拠不十分で釈放される。だが今度は地下鉄でスリの現場をみてしまい、それを切っ掛けにスリをしまくる。そんな彼に警察やスリのプロも近づいてくるのだが・・・

 スリのシーンだが、その手際の良さに惚れ惚れする。スリの練習のシーンなんかも描かれており、思わず参考にしたくなる人もいるはずだ。しかし、そんなことよりもミシェルの犯罪をすることに対して、特に後ろめたさを感じない適当すぎる考え方に思わず納得してしまいそうになったり、病に苦しんでいる母親に会おうともせず信念に従ってせっせとスリを繰り返す強情さ、それでいて人情に脆い面を見せたりする精神面に興味が惹かれる。あのドストエフスキーの名作『罪と罰』にかなり影響を受けている様子が見てとれるので、読んでいると更に興味深く観れるだろう。
 主人公の男性は寡黙で全体的にトーンは低め。その分主人公の行動や心理をシャープに切り取っているので、全体で80分にも満たない短い作品になっているのが良い。俺と同じようにロベール・ブレッソン監督作品と聞いて心が躍らない人も多いとは思うが、彼の作品が合わないと思う人にとっても映画スリは一見の価値があるということで、今回のお勧めに挙げておこう

 監督は前述した通りロベール・ブレッソン。先日ブログにもアップしたブローニュの森の貴婦人たちはお勧め

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