褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 ヴェラクルス(1954) 二大スター競演の西部劇

2022年06月13日 | 映画(あ行)
  かつての大スターであるゲイリー・クーパーバート・ランカスター。この2人の年齢は一回りほどゲイリー・クーパーの方が上であり、この時は既にゲイリー・クーパーは大スターの座を不動のものとしてており枯れた味わいを出している。一方バート・ランカスターの方はちょうどバリバリの売り出し中の時であり、そして彼自身が映画会社ヘクト=ランカスター・プロを設立して、今では大して珍しくもないが、当時としては非常に珍しい俳優兼プロデューサーとしてアクションと社会派映画の両極端の映画を世に送り出していた頃。社会派作品ではトニー・カーティスと共演した成功の甘き香りがお勧め。
 そしてヘクト=ランカスター・プロが送り出したアクション映画が今回紹介する映画ヴェラクルス。どういう経緯でゲイリー・クーパーが本作に出演することになったか知らないが、とりあえず大スターをお客さんとして迎え入れW主演という形で共演している。このことを少し予備知識として知っておくと、本作のラストシーンが非常に深読みしながら観れるとアドバイスしておこう。

 それでは大金を巡っての駆け引きが見れる西部劇のストーリーの紹介を。
1800年代の半ばアメリカ南北戦争直後。その頃メキシコはマクシミリアン皇帝によるフランスの傀儡政権であったが、この政権に対する反乱軍との争いが激化していた。そんな折にアメリカ南北戦争で南軍として参加していたベン(ゲイリー・クーパー)は流れ者としてメキシコにやってくるが、そこでガンマンのジョー(バート・ランカスター)とひょんなことから出会い、2人は当初は反発しあっていたが、次第に意気投合。そして2人はマクシミリアン皇帝率いる政府軍か反乱軍の両方から仲間にならないか誘いを受けるが、報酬の良さそうなマクシミリアン皇帝側に付く。
 そして2人はマクシミリアン皇帝から銃の腕前を見込まれて、フランスへ帰るマリー伯爵夫人(デニーズ・ダーセル)を港町ベラクルスまでの護衛役として使わされるのだが、勘の鋭いベンとジョーの2人は馬車に大量の金貨が積み込まれていることに気付き・・・

 アメリカ南北戦争が終わると、特に負けた南軍の兵士たちはガンマンとしてメキシコへ多く流れ込んだ。銃でしか生活できないガンマンの哀愁を既に年齢を感じさせるゲイリー・クーパーから漂っている。一方、バート・ランカスターの方は無法者であり、いつもニヤリとして白い歯を見せている。当初はこの2人はマリー伯爵夫人も巻き込んで金貨をせしめようとするが、この金貨を巡っての駆け引きが面白い。そして、反乱軍も襲ってくるので充分にアクションシーンも楽しめる。メキシコの歴史も少しばかり勉強できて、西部劇らしい男同士の熱い戦いが見れる。ひたすら金貨に固執するバート・ランカスター、そして次第に反乱軍のメキシコに対する愛国心に心を動かされるゲイリー・クーパーとの一騎打ち。このラストが先ほどの予備知識が頭に入っていると少々得した気分になる。まあ、少しネタバレになるがお客さんに花を持たせて、最高の演技を見せつけた、って感じか。メキシコの女性は綺麗だとか、バート・ランカスターの運動神経の良さとか他にも褒めたいところがあるのだが、この二大スターの駆け引き及び対決が面白いヴェラクルスを今回はお勧め映画に挙げておこう。

 監督は骨太の男同士の戦いを描くのが得意なロバート・アルドリッチ。真っ向から描いた反戦映画攻撃、年増の姉妹のイジメっぷりが恐ろしい何がジェーンに起こったか?、死刑囚、終身刑囚に対する税金が無駄だと感じたのか、彼らを鍛えて戦争に行かせる特攻大作戦、名誉のために不細工な男同士の戦いが熱い北国の帝王、砂漠に不時着という最悪の事態が展開する飛べ、フェニックス!、刑務所を舞台にしたアメフトを題材にしたロンゲスト・ヤード等、お勧め多数の監督です。
 






 
 
 
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