褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 シェイプ・オブ・ウォーター(2017) 大人向けのファンタジー映画の傑作

2023年09月06日 | 映画(さ行)
 少し前までマイノリティー(少数派)という言葉が社会に躍った。かつてはマイノリティに属する人間(例えばゲイ、黒人、障害者等)は大多数を占めるマジョリティー(多数派)から差別や偏見に晒されてきた。しかし、最近はマイノリティーに属する人でもようやくだが、社会的地位を築いてきたように最近は少しずつだが感じることがある。そんなマイノリティーに対する優しさを感じさせる映画が今回紹介するシェイプ・オブ・ウォーター。本作では人間と半魚人のあり得ない組み合わせの恋愛模様が見れるが、これが結構な感動もの。どうしてディズニーなどに観られるファンタジーがずっと人気があるのか少しばかりわかった気分になった。

 大人向けのダークファンタジーのストーリーを簡単に紹介を。
 米ソ冷戦下において。アメリカの機密機関で清掃員として働く女性イライザ(サリー・ホーキンス)は映画館の上にあるマンションで独り暮らし。声帯を負傷して発声ができない彼女には隣人の売れない画家のジャイルズ(リチャード・ジェンキンス)、そして同じ職場の同僚の黒人女性ゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)しか、付き合いがなく、毎日を同じことの繰り返しの単調な生活を送っていた。
 しかし、ある日のこと仕事中に、普段は傲慢な態度をとっている軍人であるストリックランド(マイケル・シャノン)が研究室から血まみれになって飛び出してくるのをイライザは目撃する。イライザはこっそり研究室に入ってみると、なんとそこには恐ろしい姿をした半魚人(ダグ・ジョーンズ)が居た・・・

 凶暴で気味の悪い半魚人だが、イライザが毎日こっそりと会いにくると次第に心を通わせていく。その内にあれほどグロテスクで不気味に見えた半魚人が段々と可愛く見えてくるから不思議な気分になった。半魚人もただ奇声を発するだけで、イライザも言葉を発せない。それでも心が通じ合うことに何だか嬉しくなってくる。
 半魚人が生体解剖されると知ったイライザは半魚人を脱出させようとする。しかし、イライザだけの力ではどうにもならない事は誰の目にも明らか。そんな時に彼女の願いの手助けをするのが、実はゲイであるジャイルズ、そして黒人女性のゼルダ。それともう1人怪しい奴も助けに入ることになるが、半魚人を助け出すのがマイノリティーに属する人間だということに希望を感じさせるではないか。まるでディズニー映画の名作と似ている気がしないでもないが、本作はかなり暴力、性描写が多いのでディズニー映画のように、子供と一緒に観ることは止めておいた方が良いとアドバイスしておこう。
 そして、アメリカの軍人をコレでもかと悪役に描き、マイノリティーに属する人間の活躍を描いており、これがトランプ大統領の時に制作されていることに本作の政治的立場が明確なのも個人的には興味が惹かれた。
 アメリカの政党で共和党よりも民主党が好きな人、マイノリティに対して優しい視線で描かれている映画が好きな人、ギレルモ・デル・トロ監督の映画が好きな人、ダークファンタジーが好きな人・・・等に今回はシェイプ・オブ・ウォーターをお勧めに挙げておこう

 監督は前述したようにギレルモ・デル・トロ。本作の半魚人の異形の創造物を登場させる辺りはこの監督の面目躍如。他にお勧めはアクション映画ではブレイド2パシフィック・リムヘルボーイ、本作と通じるダークファンタジーではパンズ・ラビリンスがお勧め





 
 
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