どんな分野の映画を撮らさせても一流の黒澤明監督が娯楽に特化した作品を撮ったのが今回紹介する用心棒。本作を切っ掛けにそれまでの様式にこだわった時代劇のスタイルを変えただけでなく、世界においても本作は影響を与えている。クリント・イーストウッド主演のマカロニウェスタンの荒野の用心棒は完全に本作のパクリだし、ハリウッドもブルース・ウィリス主演のラストマン・スタンディングというタイトルでリメイクしている。まさに世界のクロサワの面目躍如といったところだろう。
黒澤明監督作品の全般に言えることだが、本作の凄さに練りに練ったアイデアの巧みさがあるだろう。彼の作品の脚本は黒澤明本人とあと1人か2人を加えて共同でしている。数人で知恵を出し合ってアイデアを出し合っているのだろうと想像できる。『良い映画というのは良い脚本からしか生まれない。下手な脚本からは良い映画は生まれない』と誰かが言っていた。
今さら紹介するまでもないと思えるが、改めてストーリーを簡単に紹介しよう。
浪人(三船敏郎)が殺風景な宿場町に到着する。そこはヤクザとその元締めの両者が争っていた。桑畑三十郎と名乗るその浪人は用心棒として自らを売り込みにかける。実はその浪人には両者を戦わせて一気に両方とも壊滅させようという魂胆があったのだが、町に卯之助(仲代達也)が帰ってきてから微妙に計画が狂いだし・・・
三船敏郎演じる浪人は抜群に剣の腕が立ち、頭も良い。しかも対立している両者だが、両方とも腕も無ければ頭も悪い奴ばかり。浪人も最初こそはこの町に平和を取り戻してやることについて簡単に考えていたようで、結構のんびりしている。どちらの用心棒になろうかとする駆け引きをするのだが、切羽詰まった様子がまるでない。しかし、強い奴が現れてから俄然緊張感が出てくる。
本作は時代劇でありながら斬りあいのシーンは殆ど一瞬だけ。どちらかというと頭脳戦に重きを置いている。そして殺伐とした雰囲気を醸し出しながらも笑えるシーンも用意している。特に馬鹿キャラを演じて大いに笑わせてくれた加東大介には俺から助演男優賞を与えたい。
一つ一つのシーンにおいて俺が思いつかないようなアイデアがたくさん出てくるし、最後の対決シーンのアイデアは特に感心させられた。そして、脇役陣も加東大介以外にも目立つ人も居れば、どうでも良いような人までバラエティに富んでいるのも楽しかった。最初の方だけの登場で、金だけパクッテ逃げ出す用心棒には笑った。黒澤明監督の作品を見たいけれど見たことがない人に、まずは用心棒から見ることを勧めておこう
黒澤明監督のお勧めは多数ありすぎ。個人的にはやはり七人の侍は外せない。ヒューマンドラマならば生きる、サスペンス映画ならば天国と地獄がお勧め
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黒澤明監督作品の全般に言えることだが、本作の凄さに練りに練ったアイデアの巧みさがあるだろう。彼の作品の脚本は黒澤明本人とあと1人か2人を加えて共同でしている。数人で知恵を出し合ってアイデアを出し合っているのだろうと想像できる。『良い映画というのは良い脚本からしか生まれない。下手な脚本からは良い映画は生まれない』と誰かが言っていた。
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浪人(三船敏郎)が殺風景な宿場町に到着する。そこはヤクザとその元締めの両者が争っていた。桑畑三十郎と名乗るその浪人は用心棒として自らを売り込みにかける。実はその浪人には両者を戦わせて一気に両方とも壊滅させようという魂胆があったのだが、町に卯之助(仲代達也)が帰ってきてから微妙に計画が狂いだし・・・
三船敏郎演じる浪人は抜群に剣の腕が立ち、頭も良い。しかも対立している両者だが、両方とも腕も無ければ頭も悪い奴ばかり。浪人も最初こそはこの町に平和を取り戻してやることについて簡単に考えていたようで、結構のんびりしている。どちらの用心棒になろうかとする駆け引きをするのだが、切羽詰まった様子がまるでない。しかし、強い奴が現れてから俄然緊張感が出てくる。
本作は時代劇でありながら斬りあいのシーンは殆ど一瞬だけ。どちらかというと頭脳戦に重きを置いている。そして殺伐とした雰囲気を醸し出しながらも笑えるシーンも用意している。特に馬鹿キャラを演じて大いに笑わせてくれた加東大介には俺から助演男優賞を与えたい。
一つ一つのシーンにおいて俺が思いつかないようなアイデアがたくさん出てくるし、最後の対決シーンのアイデアは特に感心させられた。そして、脇役陣も加東大介以外にも目立つ人も居れば、どうでも良いような人までバラエティに富んでいるのも楽しかった。最初の方だけの登場で、金だけパクッテ逃げ出す用心棒には笑った。黒澤明監督の作品を見たいけれど見たことがない人に、まずは用心棒から見ることを勧めておこう
黒澤明監督のお勧めは多数ありすぎ。個人的にはやはり七人の侍は外せない。ヒューマンドラマならば生きる、サスペンス映画ならば天国と地獄がお勧め
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