褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 BIUTIFUL  ビューティフル(2010) 僕の心はビューティフル(BEAUTIFUL)です

2019年04月30日 | 映画(数字、アルファベット)
  美しい女性もしくは俺みたいな純粋な心を持った人間を表現する時にビューティフル(beautiful)という言葉がよく使われるが、題名の方はスペルが間違っている。これは決して本作のタイトルを付けた人が英語が苦手だから間違ったのではない。なぜ、わざと間違ったスペルを使用しているのかは映画を観ればわかる。
 野球選手として大成功、馬主生活も絶好調というような羨ましい人も時々いるが、何をやっても上手くいかない人もこの世の中にはいる。そんな絶望的な父親を主人公とした映画が今回紹介するBIUTIFUL ビューティフル。超貧乏生活を強いられている上に、2カ月の余命宣告を受けてしまうように踏んだり蹴ったりの人生。もし、俺なんかが余命宣告を受けたら、その瞬間から好き放題で暴走してしまいそうになるが、このお父さんにはそんな羽目を外すことを許されない事情がある。自らの死に対する恐怖に襲われる以上に、彼には大いなる苦悩が頭をよぎるのだ。

 それでは、余命宣告を受けてからも次々とトラブルが襲ってくるストーリーの紹介を。
 スペインのバルセロナが舞台。男手一つで、まだ幼い娘と息子を養っているウズバル(ハビエル・バルデム)。彼は不法移民たちに仕事の斡旋を行い、その日暮らしのカネを稼いでいた。ある日のこと、血尿が出て病院へ行くと、既に末期ガンに侵されており余命2カ月の宣告を受けてしまう。自分の死の恐怖以上に、まだ幼い子供たちのことが不安でいたたまれなくなり、あらゆる手段を使ってカネを残そうとするのだが・・・

 スペインのバルセロナの印象として、強いサッカーチームがあり、観光したくなるような美しい都市。しかし、本作で見せるバルセロナは格差社会、不法移民の滞在、不法な仕事の斡旋などが行われているド底辺の社会が描かれていることに驚く。さて、ウズバルだが不法なことに足を突っ込んでいるが、彼が不法移民たちに仕事を斡旋するのは彼らに対する同情から行っている。不法者といえどもギリギリの生活をしている彼らのために、仕事を斡旋している良心的な人間だ。決して私利私欲で貧しい者からピンハネして自分の飲み代を浮かしている不届き者とは志が違う。
 それはそうと生存期間が2カ月で、このお父さんはまだ幼い子供たちのために、いったい何ができるのか?実は彼には死者と話せる霊媒師としての超能力を持っているという設定。もし、日本だったらテレビに出演しまくって子供が一生遊んで暮らせるだけのカネを稼げるはずなのだが、本作を見たところ、その優れた能力を全く活かせていないし、何の役にも立っていない。
 そして別れた妻はメンタルが不安定で、麻薬に手をだすわ、男遊びは断つことができないので子供を預けるには非常に心もとない。しかも、不法移民のために良かれとしたことがちょっとカネをケチったために最悪の結果を招いたり、また恩を仇で返されたりで、どんどん悪い方向へ突っ走る。とにかく子供のために遺そうとしたオカネはいずこへ。
 しかし、一般的な事として父親は自分の子供にいったい何を残して死ねば良いのだろうか?本作のウズバルのようにカネか?いや、それとも他にもっと父親として何か残すべき物があるのではないか?その答えは本作を観れば、おぼろげにわかってくる。そんなわけで、子供がいるお父さんには絶対に観て欲しいし、親子の絆とは何かを再確認できるBIUTIFUL ビューティフルを今回はお勧め映画として挙げておこう

BIUTIFUL ビューティフル [DVD]
ハビエル・バルデム,マリセル・アルバレス,エドゥアルド・フェルナンデス
アミューズソフトエンタテインメント


監督はメキシコ人のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ。名前を言うのがややこしいが、その実力は2年連続でアカデミー監督賞を受賞する等で証明済み。犬好きにはお勧めのアモーレス・ペロス、タイトルは軽い題名が付けられているが、内容は恐ろしいほどヘビーな21グラムがお勧めです。

 
 




 





 

 


 
 

 

 

 
 

 

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