茶の間の、山畑と家とを繋ぐボタンに青い灯が付いた。拓也はそれを確認すると、台所のテーブルに乗っているお弁当を掴んだ。スニーカーを普段履きのブーツに換えて、お茶の入った水筒を持ち山に向かう。なだらかな斜面を上がるのだが草は生えて、虫の棲み処でもあるので用心に越したことはない。草刈はしているが、土の部分から15cmと決めている。
キャベツ畑は、山の斜面を切り開いての場所なので陽当たりもよく育ちも好い。拓也の祖父・今以って行方不明のお祖父さんは長い年月で作ったと聞いた。その畑を管理しているのは、祖母であり両親なのだが拓也も時々は手伝う。両親が町の市場へと出かける時には拓也の出番となる。あ・今はね春休み。簡単に雨露凌げる建物が見えておばあちゃんの姿が。
おばあちゃん!お昼のお弁当持って来たよ。拓也は弁当を振り回しそうになって、慌てて止めた。そうだ・拓也の分も入っているのだ、また母さんからお目玉が来る。この前の時、つい調子に乗ってブンブンしていたら、中味がぐちょぐちょになってしまって注意された。おばあちゃんは、青空に背伸びして眩しいのか眼を閉じている。拓也は、はいお弁当。
ありがとう、いただきましょう。おばあちゃんと拓也は、外のベンチに腰掛けて木を繋げたテーブルにお弁当を広げて頬張った。お結びと漬物に蕗の煮つけや菜の花の辛し和え、山や庭に生えている山菜が詰められている。拓也の苦手な物もあるが、おばあちゃんの好みを優先してのことなので発言は控える。お結びには梅干しが入れてあり、顔をしかめる。
お茶はおばあちゃんの飲んでいる枇杷の葉だが、拓也のお気に入りでもある。水は山瀬からの湧き水なのも美味しく、程好く喉を潤していく。拓也は鼻歌交じりでごちそうさまと言ってから、おばあちゃんの様子がいつもと違うのに気づいた。キャベツ畑の方を見ながら、浮かぬ顔をしている。宇宙人に見えてきたのは、目が全く動かないのと銀色に光ったんだ。
おばあちゃん、どうかしたの?拓也は不安が胸に広がって下から顔をのぞきこんだ。拓也、今日は家に帰っていいよ。お父さんたちが町から荷物を積んでだろうから、そっちを手伝うといい。ここはすることも粗方片付けてしまったからね。うん、わかったよ。拓也はお弁当の包みを受け取ると上がって来た道を下りながら、何かが起きそうな思いにドキッとした。
キャベツ畑は、山の斜面を切り開いての場所なので陽当たりもよく育ちも好い。拓也の祖父・今以って行方不明のお祖父さんは長い年月で作ったと聞いた。その畑を管理しているのは、祖母であり両親なのだが拓也も時々は手伝う。両親が町の市場へと出かける時には拓也の出番となる。あ・今はね春休み。簡単に雨露凌げる建物が見えておばあちゃんの姿が。
おばあちゃん!お昼のお弁当持って来たよ。拓也は弁当を振り回しそうになって、慌てて止めた。そうだ・拓也の分も入っているのだ、また母さんからお目玉が来る。この前の時、つい調子に乗ってブンブンしていたら、中味がぐちょぐちょになってしまって注意された。おばあちゃんは、青空に背伸びして眩しいのか眼を閉じている。拓也は、はいお弁当。
ありがとう、いただきましょう。おばあちゃんと拓也は、外のベンチに腰掛けて木を繋げたテーブルにお弁当を広げて頬張った。お結びと漬物に蕗の煮つけや菜の花の辛し和え、山や庭に生えている山菜が詰められている。拓也の苦手な物もあるが、おばあちゃんの好みを優先してのことなので発言は控える。お結びには梅干しが入れてあり、顔をしかめる。
お茶はおばあちゃんの飲んでいる枇杷の葉だが、拓也のお気に入りでもある。水は山瀬からの湧き水なのも美味しく、程好く喉を潤していく。拓也は鼻歌交じりでごちそうさまと言ってから、おばあちゃんの様子がいつもと違うのに気づいた。キャベツ畑の方を見ながら、浮かぬ顔をしている。宇宙人に見えてきたのは、目が全く動かないのと銀色に光ったんだ。
おばあちゃん、どうかしたの?拓也は不安が胸に広がって下から顔をのぞきこんだ。拓也、今日は家に帰っていいよ。お父さんたちが町から荷物を積んでだろうから、そっちを手伝うといい。ここはすることも粗方片付けてしまったからね。うん、わかったよ。拓也はお弁当の包みを受け取ると上がって来た道を下りながら、何かが起きそうな思いにドキッとした。