ユノーは、庭の手入れを丹念にしていきます。小さな花にはそれに合う、大輪の華やかさにはないひっそりとした咲き方です。それぞれの姿や形は違えども、命は宿っています。下界に降りれば、ここでの咲き方とは必ずしも同じではないのですが。それに空気や気温というのが、大きく変化することもあって。
庭に植わっての花にも、ユノーは同じようにしているのですが時々機嫌を損ねます。見回りの方法は、魔法使いの決め事なので勝手には変えられません。そこでユノーは、それぞれにきちんと声をかけることにしています。ところがユノーの心の中を読み取り、その想いに触れての花もあることに気づきました。
ユノーは問いかけてみますと、うつむき加減に『人間に恋してはいけないわ、とても危険よ』つゆ草です。空気の変化をいち早く察するので、ユノーの心が分るのです。思わずユノーは、この庭で長い年月を生きて来て人間への恋などと可笑しくなりました。庭に咲く花々への気持ち以外は、ないと伝えました。
あの方への想いは、恋ではない。それに傍にいてくれる人を確かめているのに、何を勘違いしてだろう。『それならいいの』つゆ草はそれっきり、口をつぐみました。ユノーはあの方のことが気にはなるけれども、庭での任務を忘れてまでの気持ちはありません。つゆ草の思いが分らなく、知ろうともしないで。
龍の庭では、つゆ草は予言花で未来のことを告げるのです。ユノーは、そのことが思い出せません。ユノーは龍だということも(見習いですが)、ましてや人間ではないことも承知してです。あの方のことが気になるのは、いつも何かしら憂いている姿に惹かれてしまうのです。ユノーの心は、戸惑うばかり。
庭に植わっての花にも、ユノーは同じようにしているのですが時々機嫌を損ねます。見回りの方法は、魔法使いの決め事なので勝手には変えられません。そこでユノーは、それぞれにきちんと声をかけることにしています。ところがユノーの心の中を読み取り、その想いに触れての花もあることに気づきました。
ユノーは問いかけてみますと、うつむき加減に『人間に恋してはいけないわ、とても危険よ』つゆ草です。空気の変化をいち早く察するので、ユノーの心が分るのです。思わずユノーは、この庭で長い年月を生きて来て人間への恋などと可笑しくなりました。庭に咲く花々への気持ち以外は、ないと伝えました。
あの方への想いは、恋ではない。それに傍にいてくれる人を確かめているのに、何を勘違いしてだろう。『それならいいの』つゆ草はそれっきり、口をつぐみました。ユノーはあの方のことが気にはなるけれども、庭での任務を忘れてまでの気持ちはありません。つゆ草の思いが分らなく、知ろうともしないで。
龍の庭では、つゆ草は予言花で未来のことを告げるのです。ユノーは、そのことが思い出せません。ユノーは龍だということも(見習いですが)、ましてや人間ではないことも承知してです。あの方のことが気になるのは、いつも何かしら憂いている姿に惹かれてしまうのです。ユノーの心は、戸惑うばかり。