大輪の菊と皇帝ダリア
イチョウ並木を後にして、或るお宅の前に大輪の菊の花が置かれているのを見た。
大輪の花を見ると父を思い出す。
父は若い頃から大輪の菊の花に取りつかれ、庭に100鉢以上の花を育てていた。
色々な菊花展で毎年最優秀賞を受賞。
その賞状や優勝旗等が置き場の無い位に有った。
後に菊花展の審査員を務めるようになった。
そんな父の姿が懐かしく思い出された。
或るお宅の庭に皇帝ダリアが咲いていた。
今がこの花のシーズンなのだろう。
彼方此方で見かける。
背丈は実に3メートルを超すような高さに大輪の花が咲く。
まさに皇帝の風格がある。
しばらく歩くとこんな張り紙を見た。
「見ている」何を見ているのだろうか。
「第六小学校PTA/小金井警察」とある。
小学生に対する犯罪が起きないよう見ていると云う事だろうか。
塀の隙間からこちらを見つめる猫。
不審げに見つめる瞳。
カメラを向けるとさっと立ち上がり悠々と歩み去った。