マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

電化マンドリン

2011-01-24 13:58:19 | 音楽

日頃、めしばっか食い散らかしているが、実はめし食い人間である前に、偏向音楽愛好家なのである。

現在、バンドでフィドルを担当しているがその以前から、マンドリンというものを触っていた。
現在はエレクトリック・マンドリンを弾くことが多い。これがなかなかに難しいので悔しい。

ご覧頂きたい。 これがBob Wills & The Texas Playboysのほぼ1950年の陣営である。



まん中に立つのが、バンドリーダーのBob Wills。 最下手はギターのEldon Shamblin。
オクラホマ州の名ギタリストで、チャーリー・クリスチャンとはぶいぶいいわした間柄。
ウエスタンスイングのあのリズムは、エルドンのパッシングギターが生み出したと言ってもいい。
といっても、誰も知らんか?

最上手にHerb Remington。スチールギターの名手である。Bobには「ハービー!」と呼ばれていた。
この時代にはペダルスチールなんてのがなく、左手で握ったバーをたて横に駆使しなくてはならず、かなりテクニックが必要とみる。でもこのノンペダルだから、雰囲気が出るのだ。
左から2番3番で抱えるのがエレクトリックマンドリンである。下手側がTiny Moore、上手がJohnnie Gimble。スイング史に大きな足跡を残したプレイヤーである。

それ以前は、ツインギターがハーモニーでリックを演奏することが多かったが、徐々にコンパクトなバンドが必要とされてきたのか知らないが、タイニーとジョニーはそのままフィドルに持ち替えて、ボブとトリプルフィドルに変わることができる。

さて、今日はそんなタイニームーアだ。 な?メシのことばかりぢゃなかろう。



1917年、テキサス州ハミルトン郡生まれ。
でっかい身体の「栄養ちゃん」だったことから、Tiny(小っちゃい)と逆説的なあだ名がついた。

1946年にBob WillsのTexas Playboysへ。 
専属歌手だったマッキンニーシスターズのどっちかを妻にして、3人の子供に恵まれた。

ツアー中、前座バンドを務めたジョニーギンブルに声をかけたのはタイニーだった。
それをきっかけにツインマンドリンが誕生した。

その後、ボブの弟 Billy Jack Wills, Moon Mulligan などスイング界で活躍。
1956~62年 TV番組「レンジャー・ロイ&アンナ・バナナショー」のホストに。子供番組かな。

Merle Haggard のバンドに13年間在籍。
その後、カリフォルニア州サクラメントで「Tiny Moore Music」という楽器屋さんを始めた。




5弦エレクトリックマンドリンを開発。
1980年台にその卓越したテクニックと、スインギ―なソロを再発見され、
Jethro Burnsや、Johnnie Gimble, David Grismanなどと共演。
ジェスロやレイブラウン、シュリーマン、エルドンシャンブリンらと「Back To Back」などをリリース。


大学教育にカントリーミュージックを持ち込んだ先駆者で、ワークショップやコンサートを次々に開催。
サウスプレーンズ大学には“タイニームーア・ウエスタンスイング・メモリアル・スカラシップ”という
奨学制度(?)を創設した。いかなる名人上手も一代限り。最後は後輩作りを考えていたということだろう。


バークリー音大かどこかの録音を聴いたが、才人Matt Glaserとのジョイントで、
息子ほどの連中を向こうにバリバリにスイングを奏でていた。マネのできない人物である。
1987年、ネバダ州ジャックポットで演奏中、心臓発作で急逝。まだ67歳の若さだった。


彼が盟友Robertsと開発した、エレキマンドリンがうちにも一本生き残っている。
ホントは上のミッキーマウスの耳タイプが欲しかったが、もうRobertsの元に上のモデルは
残っていなかった。




ときどきネットで驚くほどの値で出ることはあるらしい。
Tinyモデルを持つ東京のアシュラさんが羨ましい。一度弾かせてもらったが、すんごく弾きにくかった。

ボクにはこっちの方がお似合いかもしれん。
2月4日(金)のライブでも、もちろん弾きます。聴きにおいで下さい。



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フィドルとバイオリンのはざま

2011-01-05 10:15:16 | 音楽


     


ストラディバリウス、高価な楽器として世に知られるが、ご本人2千丁ものバイオリンを作った多作の人だ。
古くは辻久子が家一軒分を費やして買った・・・と聴いて驚いたが、今となれば彼女が住むリーガロイヤルホテルの家賃の方が気になってしまう。

二回だけ教わった野田の師匠(プロのバイオリニスト)は、これに匹敵する名器を無造作にその辺にポンと置いていて、おおらかというか、ぞっとさせられた。弓だけで500万円というから、本体の方は推して知るべしだろう。過去に200万円の弓を勧められたが、どちらを弾かせてもらっても私のような技術なしにはよう解りませんでした。値段ばかり言うようではシロートもはなはだしい。そんな俗な人間にはバイオリンより、フィドル(Fiddle)と呼んだ方がピタッとくる。





まず、フィドルはフォークミュージックに登場する。アイルランド系の移民たちが持ち込んだ楽器で父祖伝来のジグやリールを奏でた。バックポーチの長椅子に座って、のんびりと週末の夕刻音楽を楽しむ文化。今から30年以上前、米国南部を旅して、こういう世界がまだ田舎に残っていることに感銘を受けた。




Bill Monroe And The Blue Grass Boys
左から二人目のビルモンローという男が、それまでの兄貴とやってたゆったりしたギター&マンドリンに決別し、1945年、楽器アンサンブルに重きをおいたブルーグラスという音楽を作り出す。モンローひとりで完成させたのではなく、そこにはレスターフラットのリズムギターや、アールスクラッグスのバンジョーが大きい役割を果たすことになるのだが。

BreakdownやHornpipeというアップテンポのダンスミュージックを奏でるフィドルは格別。
Orange Brossom Specialなんぞを弾く Richard GreenやScotty Stonemanにはただただ憧れた。だが、取っ付きの悪いフィドルはおいそれと何の授業料も払っていない素人を寄せ付けてくれない。


30年以上前、ナッシュヴィル郊外のバディスパイカーのフェスティバルで出会ったのが、右のフィドラー、Johnny Gimbleである。 バディ・スパイカー、デイル・ポッターのトリプルフィドルに完全にやられた。特にGimbleおじさんのフィドルのトーンとタイミング、スインギーなリックに舌を巻いた。GimbleがBob WillsのTexas Playboysにもいたことを知り、ウエスタンスイングのフィドルにズブズブと魅せられていったというわけ。
だけど、僕がやってたのはマンドリン。チューニングが一緒だったのでやれるか?と安いバイオリンを手にしたが、まぁさっきも言ったが手に負えるものでなく。今だって非常に怪しいが・・・。

ということで、ウエスタンスイングの蜂に刺されたまま、微熱は今年も続行中である。




フィドルといえば、この連中にも大いに度肝を抜かされた。




タラフ・ドゥ・ハイデュークス 
ルーマニアの地方都市から、「おい、日本で仕事の口があるらしいぞ、いいから、乗れ乗れ!」と言ったかどうか。総勢20人ばかしのロマ軍団である。ジプシー音楽はハイテンポでしょっぱなから客席の背もたれに体を押し付けられるような圧力とショーゲキを感じた。これこそがフィドル!学問として学んでくるバイオリンとは対局悪魔の楽器、ペテン師の意味も含むフィドルのある種の頂点がここにあった。
クレズマーをやっていた友人はアコーディオンを持ったままコンサートに行き、タラフの一員に「これステージで使わせて」と言われ、貸したが最後、危うく持ち逃げされるところを必死で取り返しに行った。さすがはホンマもん。掛け値なしにヤバイ連中である。

かくして、バイオリンはフィドルと呼ばれ(響きとしてはドラムスが太鼓みたいなもんでしょうか)
民衆の中に入って行った。そんな柔軟で強靭で無学だろうがへこたれないフィドルという楽器が大好きである。

日本人はどこでどう間違ったか、バイオリンを提げているのを見たら金持ちのボンボンと思う傾向にある。誤解されるのは勝手だが、大間違いだと言っておこう。あんなものは楽器の一つ、道具の一つに過ぎない。
そしてもうひとつ、バイオリンは弾き手が美女でシナを作って弾かないとCDが売れない、なんていう現代日本のリスナーの貧しさも、ああ・・・本当に気持ちが悪い。

コメント (3)
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本年もなにとぞ!

2011-01-01 02:00:34 | 音楽


ボブ・ウイルスお父さん、アンタの知らない極東の国で
ウェスタンスイングが見事に花開いております!!


と、2011年もやめぃと言われるまで、しつこく絶唱いたしますとも。

http://www.youtube.com/watch?v=Aii-pJ-qvl4&feature=BF&list=QL&index=1




ホーンが入ったらウエスタンスイングぢゃない?うるさいよ。
お父さんがやったんだから、小国民がガタガタ言うこたぁないね。


誰もやってこなかった(バカバカしくて?)ウェスタンスイング専門バンドと して、
大阪ミナミはアメリカ村でオギャーと生まれて、早や7年目に突入。
2011年も「アッハ~~!!」と叫びますぜ。


よく言われんだけど、ウエスタン? カントリー? いろいろに言われるけども、
好きなように呼んでくれりゃいいんだけど、早い話、田舎のジャズかな。 
田舎の若い衆が、都会で流行ってるジャズを俺たちもやってみるべと、納屋から
フィドルだのギター持ち出したのが最初。別名をヒルビリージャズ。これっていささか差別的な響き。


暗いジャズはごめん、だけど何となくカントリーの雰囲気もちがう。
女性とペアでダンスが踊れる音楽でありたい。 元々はダンス音楽なんだから。
ツインフィドルにスチールギター、トランペット、サックスも入った11人コンボ。
新年もまたマーベラス桜井とホットフィドルバンドにご期待下さい。


マーベラス桜井  Fiddle Mandolin Vocal
ハリー西山    Fiddle Mandolin
エルドン藤井   El.Gt
ヨッティ長井   El.Gt
ドテラ小寺    Wood Bs
カトリーナ中野  Pf
トモZ島田    Drs
ミルキー平川   Tp
アルベルト宇原  Tsax
バディ内藤    P.SteelGt
チャーリー西尾  Vocal
はいどらんじあ陽子Vocal


マーベラス桜井&His Hot Fiddle Band “Classic WesternSwing Show!!”

2月4日(金) 千日前アナザードリーム 19:30Open 20:00Start
問い合わせ 06-6211-5759 

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週末は、ウエスタンスイングいかが?

2010-09-16 15:14:35 | 音楽

   


この週末、18~19日に迫った、BlueGrass Camp In Shiga。


ゲスト枠で我々のバンドを受け入れて下さり、土曜の夜に登場します。


バンドコンテストいうのがあるので、その後。22時は軽く過ぎるという話。


ブルーグラス漬けの皆さんに、ウエスタンスイングをお送りします。


   

   


爽やかかどうだか、わかりませぬが、一陣の風を吹かせられればと思います。


そもそも、ブルーグラスという音楽。ケンタッキー州のビル・モンローが始めた音楽。


それまでモンローブラザーズという兄弟デュオだったのが、中西部・南部で流行っていたストリング・ミュージックの隆盛を見て、バンジョー、フィドル、ギター、ベースで始めたのがブルーグラス。


そのストリングミュージックこそ、ウェスタンスイングなのです。
いわば先輩格と申しますか、先祖がえりというか。


   


ブルーグラス原理主義者の皆さんも、まぁ、これもええやん、と仲良くして下さい。


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ウエスタンスイング お盆大興行!

2010-07-16 18:28:56 | 音楽


 King Of Western Swing    Bob Willsを顕彰して、眉を太くしております。
 「ア~ッハ~~!」 少しは似てますでしょうか。
 先日の西宮アミティホールでも眉を書いてみました。
 場末の極道に間違われないように、会う人ごとに弁解しながら・・・。


 フライヤーは毎回、わがHot Fiddle Bandの重鎮、エルドン藤井の渾身の作。
 


   


このフライヤーを壁に貼っつけて、ダーツの的にしてくれても結構です。

プレイヤーの顔に刺されば、5点差し上げます。


   


ウエスタンスイングに似つかわしいか、似つかわしくないか知らねども、
納涼!お盆大興行とくらあ・・・



 ボブウイルスも、ミルトンブラウンも、スペードクーリーの魂も

 み~んな揃って帰ってらっしゃい、夙川フォートワースへ!

 暑い夏の盛りに、オーバーウエイト気味の11人が大化けする百鬼夜行。 

 みんなで歌えば、中性脂肪も、高脂血症も、痛風だって怖かねえ!!



         


血を吐くまでも~歌い~~ま~~しょ~~~う~~~ (河内音頭風に)

ついでに、このバンドで盆踊りのやぐらを回るか・・・断られるか。


  


夙川Fortworth  カントリーミュージックの殿堂ですが、ここでもう3回目でしょうか、
たいへんやりやすい、良いライブハウスです。雰囲気バツグン、客席との距離も近い。


  



この季節、例年おっさんは夏眠、涼しい風が吹くまでなが~~いシエスタに入るのを常にしてましたが、今回Fortworthのオーナーで、シンガーの福原さんに見事に乗せられました、なので、今回おっさん汁拭きながらの“夏場所”とあいなった次第。
他のライブハウスの皆さんには「夏だけは許して・・・」と申してるのですが。許せ諸人。



夏のダメージが秋に残らねばいいのですが・・・ 


 

ひ弱か!!



カントリーにあらず、もちろんウエスタンにあらず、ジャズでもブルースでもなく、
でもそれらすべてを内包し、
ひとはヒルビリージャズと呼んだりもする音楽。日本でやるバンドはごくわずか。

今回は、はいどらんじあyoco さんというステキな女性ボーカル、ChiChi長田さんの
ドラム、トランペットにKeita野坂くん どんな化学反応が見られるか、楽しみ。



ウエスタンスイング、このおかしき音楽世界――――

ぜひ体験しに、お運びくださいましね。




8月1日(日) 開場14時 開演15時  お昼からだよ、全員集合~~。

3,200円(2ドリンク) フォートワース  JRさくら夙川下車2分

ご予約・お問い合わせはお店 0798-39-1923 まで、ど~ぞ!



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