尾道に着いた時には、すっかり日が落ちていた。
駅で地元の人に聞いた「むらかみ」はすでに閉店。
おかあさんが、遅くまでやってる「のぐち」を教えてくれ、
「砂ずり入りが美味しい」と助言をくれる。ありがたや。
なんともフツーの八百屋さんのような佇まいがよろし。
(と思ったら、果物屋さんだったらしい)
アイスクリームや駄菓子も商っていた片鱗が今もある。
戦後スグの開店。
壁には食欲をそそる達筆の品書き。6番を勧められる。
手前は娘さん。信欣三のような親爺さん、野口秋治郎さんは
自分の受け持ちを終え、横手に座って一杯やってらした。
主に鉄板のぐるりを客が囲んで、コテで食べるスタイル。
生地を一枚薄く敷いて、キャベツ、その上に茹で麺をほとんど焼かず、ほぐしてすぐ乗せる。揚げいかは天かすのようでもあり、よくできてるなぁ。
そばを炒めないでモチッとした食感にするのが尾道焼の特徴らしい。
あとは、砂ずりを使い、最後に白い牛脂を加えてカリッと焼き上げるのは秋治郎翁のオリジナルといふ。
卵を割り、お好み焼きを乗せて反転させれば出来上がり。
ソース、青のり、ニンニクの粉を。
広島に近いのに、あれほど大型でウェットな感じではない、
薄型でおやつに近いハードタイプ。
これはいつかまた食べにこなくてはいけない。
夜更けてからの尾道ラーメン。有名な朱華園などは夜が早く、
こちらに。
客が次々に詰めかける。
味のよく染みた(大阪弁ではしゅんだ、と言う)おでん。
焼き餃子もよろしんぢゃないですか。
ミノの天ぷら ここはバカにメニューの数が多い。
味もどれも悪くない。
尾道ラーメン 昔の中華そばをホーフツとさせる醤油系。背油の旨さも手伝い、なかなか美味。背油は僕には少し多いので、避けながらスープを飲み干す。水は尾道の湧水を組んで使っているそうだ。
本日の予定は終了したが、尾道は初めての街だ。
これは惰眠をむさぼっている場合ではない。
新開(しんがい)、久保2丁目界隈を行きつ戻りつ、ストロール。
老舗のバーは閉まっている様子だった。
はて、困った。外からではどうも分からない。
でも、分からないのもまた・・・らしくていい。
夜中に灯りを発見。近づいてみると、古書店兼バーだった。
深夜に余りに怪しすぎるので、こちらから店主に話しかけた。
父の代から古書店をしているそう。
グレン・モーレンジ、ラガブーリンをいただく。
尾道のことをいっぱい聞かせてもらう。大半は酔って忘れてるが。
商店街の中で見た元銭湯。小劇場みたいになってるのかな。
ホテルまでウォーキング気分で帰る。40分ぐらいかかった。
翌朝。 尾道は猫が好みそうな路地が多い。
眺望を求めて石段を上がる。
千光寺公園からの眺め
これぞ尾道的絶景。
さぁ~て、お好み焼きの西の本場、広島へ向かわなくちゃ!
お好み焼き「のぐち」 尾道市尾崎本町2
古書&バー「8ページ」 尾道市士堂1丁目 尾道書房階下
尾道ラーメン「東珍康」 尾道市栗原町 R184沿い