まずはビールを一口もらって、と。
鮮やかなサラダが出てきた。
血液がきれいになりそうな気がするでしょ。
ここは四条烏丸から南へ歩き西へけっこう歩く。夜、徘徊すると判るが、繁華な中心部を離れると途端に暗くなるのが京都らしい。暗いから祇園や先斗町が不夜城のように感じる訳だ。
ここは小さなおばんざいの店。この鰯の煮付けにはソースが使われていると聞いた。
そ、ソースだぁ・・・?
実は女将の弟さんが米国で音に聞こえたヨシダソースの創業者だという。広告などで見たことがある。何処から出てきた人なのだろうと思ってたら、こんなところで身内に会えた。
そう、この方が吉田潤喜氏。テリヤキソースで当て、ヨシダグループを築いた立志伝中の人物。ミズーリー州ブランソンのフィドラー田渕章二かヨシダか、というぐらい有名。ちょっと宮川大助に似てらっしゃる。
カウンターには20種類ほどの大鉢料理が並ぶ。あれこれ見て迷うのもまた愉し。おからはウェットタイプ。
なすのピリ辛炒め これもヨシダソースかな。
女将の勧めに従って、スペシャル・ユッケ。
通常は腕肉やモモなど赤身が使われることが多いが、ここではサシの入ったロースかカルビを使うということなのだろう。たしかに美味。
スジとじゃがいもの飴煮 スジというよりアキレス。濃い味がいける。マッコリもあったが、にごりはまわってしまうので焼酎の湯割りで突っ走る。
シャケ。明らかにウラ向きや。
カキフライ 冬が終わると牡蠣ともサヨナラしなければいけないのはちょっと辛い。どでかい岩牡蠣などにはあんまりそそられない。
ロールキャベツかな、ミルフィーユ風になっている。
おでん 大根とすじ 女将は手早く勧め上手。
先輩、いい店に連れてきてもらいまして。
和あり、オモニの味あり、洋あり。さすがはヨシダソースの姉さん。京都の狭い街中にいながらも、心は韓国と米国につながっている。その胸すくようなスケール感を、小さなカウンターの隅にいながらも感じたのである。
キッチンよし田 下京区高辻通烏丸西入ル堀之内町
ああ、漢字が多い・・・