ウェスタンスイングのページのくせに、食い物ばっかりぢゃねぇか。
そういう誹りもございましょう。しかし、こっちは生来の食いしん坊、音楽とめぐり合う以前からの食い意地なのであるからして、そっちにも付き合ってもらいましょう。
ウェスタンスイング発祥の地、オクラホマにもテキサスにも、こう言っちゃあなんだが、ロクな食べ物はなかったはず。その点、極東の島国には百花繚乱のごとき食の花咲く。ボブ・ウイルスをあの世で地団太踏んで悔しがらせてあげましょう。
弓は一本、箸は二本、スイング食えねど高楊枝、と来たもんだ。どうせ歌も食も同じ口から生ずるものなり。仲良くやってこう。
さて、都から北北西に進路をとれば、京に田舎あり。
まだ、振り売りなるものがある。この大八車に野菜を積んで、
鷹ヶ峯から西陣界隈まで売りに行くのである。
畑から引っこ抜いてきたばかりの青首大根。
青々とした葉っぱ付き。
柔らかそうな水菜。固いのは歯に挟まるのだ・・・
聖護院大根 煮物にはもってこい
九条ねぎ もっと立派なのは京都の有名料理屋へ行く。
厳冬期、葱の中にとろりとした“ぬる”ができる、甘味のある印。
きれいな京ニンジン。このまんまポキポキ齧れる。
樋口さんのお母さん、今も毎朝、野菜の振り売りに出かける。
とにかく元気である。野菜を食べてる人よりも野菜を配達する人の方が、健康。
買い集めてきた野菜。収納の加減があるのであちこちお裾分けなんぞをして、とにかく食べよう。
鍋やおでんなどは当たり前。
葱は焼いただけでちょいと塩なんぞで十分。
ニンジンは天ぷらにすればごきげん。
お芋のような甘さ。
大根の葉は油揚げと、人参の葉は鰹節と炒める。
かくして、しばらくは食卓に出て、ご飯の友となる。