耳に小銭を挟んで行って、風呂屋の帰りにちょいっと一杯ひっかけて、2,3貫つまんで。
共同の醤油にひたすんで、帰りに、汚れた指先を暖簾でチョイチョイと指をぬぐって出る。
そんな気取らないものだったんですよ・・・。
なんて話を浅草辺りで聴いて、いい気もちになったもんだが、当節回転寿司でもあるまいし、
そういうわけにはいかない。寿司の前にちょいと造りで酒をなんていってると、おあしの問題もあり、
そうそう気軽にって訳にゃいかない。
でも、寿司好きなもんで、行きましょうなんてことになりゃ、ホイホイ行っちゃう。
大阪の鮨をバカにしなさんな、今どきは東も西もないんんですよね。
さ、まずは造りからだ。スズキ、ハリイカ、タコ、胴ビン、蛸玉子(海藤花)、川津えび(大阪ではトビアラ、四国ではサルボエビとなる)の炙り、サゴシ西京焼き、生鯖も出た。食い過ぎ! うんにゃ、祝祭の晩はいてまえ。
まずはビールだが、大急ぎで酒に切り替えねばならない。
主人近藤氏は、元明石の菊水鮓の出。だもんで、瀬戸内もんが得意なのだろう。
店も一緒に働いていた兄貴分の「いなせ」から譲り受けた(はず)。京橋の裏通りにある。
とあるラーメン店店主から熱烈に推されていたが、ようやく行けた。
東京にいた頃は肴で酒を。寿司が始まるとお茶に替えていたが、今はもうちょいダラダラ飲むように。
お茶ぢゃ、パッパッと終わってしまう。
寿司に切り替えて・・・ 剣先イカ(長崎)、アマテガレイ(淡路)をいただいて。
一個ならこはだ・・・毎回書いてる気がするが、山口瞳さんは色紙にこう書き残した。
あまり斬りつける切腹小肌は好きぢゃないな。きれいなメタルカラーが見える方がいい。
あたしゃ、づけも好き。家でもよくするが、メバチだろうがキハダだろうが、づけにすると上等だっせ。
べら(明石) ベラなんてと思うだろうが、ボクもそう思ったが、記憶なし。甘エビ、炙りとり貝(宮津)ときて、
煮アワビに、シラサ海老かな。シラサはさっと湯引きに。
握って、目の前におかれるやいなや、as soon as 素早く口へ。
タネが乾いたりするのが嫌なので。 職人休む間もなし。
ハモの焼き霜。 アカウニ(淡路)もねっとり。
穴子をいじらせたら、いきいきしてる感じ。 焼き穴子。右はタチウオ。
メモってなくて分かりましぇん。
こちら煮穴子、皮目を上に握る。右はとろ鉄火、海苔の香りが勝負どころ。こいつはいい海苔でなきゃね。
相当美味!
江戸前厚焼きたまご 芝エビ、鯛がすり身になる。 寿司の最後はお茶だぁー。
価格は新地などでは考えられない、京橋価格。これぐらいだと有難いんだけどね~。
京橋 鮓きずな 大阪市都島区都島南通2