ガラリと変わったと聞いた、下北沢へ。
もう昔の佇まいではなくなってるのだろうか。
駅構内は工事中なのか、ご覧のとらえどころのない有様。
恐る恐る、南口に降りてみれば…。
おいおい…、何にも変わってへんやないけ。
昔のまんま、田舎の商店街みたいなのがあるだけ。
何処が変わったというのか。
しかし、何度、ここいらで酔っぱらっただろう。
右も左も分からぬ、箸にも棒にもつかぬ劇団研究生だった頃から、
飲むのはシモキタと決まっていた。
ただ店は様変わりしている。
当たり前だ、どう見ても20年以上のブランクがあるんだから。
と、懐かしい店を発見、「キッチン南海」。
東京初心者の頃、この南海ホークスの旗色を思わせる看板につられ、
何度か入った。
ムチャクチャ美味くはない。カツカレーの薄いカツ、ヒラメフライもあった。
そして常に漂っていたカレー粉の匂いが今も変わらず漂っていた。
思わず、ジ~~ンと来た。
代替わりしたのだろうか、変わらずやって行くのは並大抵ではなかろう。
ジャズ喫茶「マサコ」はもう閉めたんだったか。「野田岩」はあるのかな。
歩き回るにつれて、まだ変貌を遂げる途上であることを知る。
架線など大規模工事が盛んに行われていた。(2018年完成予定とのこと)
店舗は飲み屋など夜の店が多いので、朝ではほとんど開いてない。
そんな中、路地に10人ほどの行列を発見。 物見高いのでちょっと並んでみると
かき氷だという。朝から、かき氷! 東京の人間の胃袋はどうかしてる。
北口。この辺りに闇市のような半分閉まった食品市場があって、
夜は奥にでかい大根食わせるおでん屋があった。 いまはむかし…。
おそらく、このポツンと一軒残るのは、市場の名残りだろう。
やけにピーカンになった。
商店街のオネーチャンに聞くと、シモキタまだ大きくは変わっていないとのこと。
後で調べたら、小田急が地下に潜って使い勝手が悪くなったとのこと。
ナンギな話である。
同期のMとその後、下北沢探訪と題して、
「ま、お疲れさんの一杯だけ…」と小芝居して、
店の雰囲気や値段を見てサッと引きあげ、ハシゴするというのをよくやった。
その頃入ったロックバー「Trouble Peache」なども健在の様子。
そして、シモキタといえば、この一軒・・・中華の「亭」。
店は昔からこの程度くたびれていた。
何気に三角形の海苔の入った昔風のラーメンを食ったりして、
特に美味いとも思わなかったが、今になると美味いかもしれないな。
役者やミュージシャンなどがバイトしてて松重豊がいたらしい。
まだ準備中。ちょっと食いたいと思ったが、旅先での誘惑は気をつけねば、
不用意に腹を膨らましてしまうと、肝腎な次が続かなくなる。
ホントに石を投げれば役者に当たったシモキタ、
朝っぱらから、なんとなくそれらしい連中もいるのもおかしい。
まだやってんだな。俺だってスズナリは出てないが、駅前劇場に、
本多の舞台も踏んでんだぜ、加藤健一さんの芝居で。
知らんわな。
しかし…そんなに時間が経ってしまったのかな。
にわかに信じがたい。
シモキタは何かちょっと照れる街。そして、午前中からウロついたって
大して面白い街ではないというのが、よく判った。
センチメートル旅は、まだまだ続くのである。
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