かにかくに祇園は恋し寝るときも
枕の下を水の流るる (吉井勇)
こんな歌は相当花街に通い、金をつぎ込んだ粋人にしか描けやしない。実家の反物屋、帯屋の一軒もつぶさねばダメだ。
そんな境遇にもなければ、そんな豪胆な覚悟の持ち合わせもない。
しょうがないから、ツテをたどって細い縁をたどって、行くのである。
それが・・・我輩にとってのお茶屋というものだ。
「おニイさん、おたのもうします~」
「こっち来い、こっち来い。ワシャ、かふいう者です」
口あけはこんな風に名刺交換が始まったりもする。
祝儀もはずむでぇ~。
お茶屋は貸席だからして、何か食わしてくれる…なんてものを
期待して行くと大きく裏切られる。
漬物であるとか、おかきや豆やら、北新地のクラブで出てくるものと
そう大差はない。食事がしたけりゃ仕出しをとる。
造りは鯛、車海老、鯒
お、さ々木のようや。だがプラスチック製の刷毛ではどうもならん。
鱧、晩菊のお椀
座敷もきれいで掃除が行き届き、はんなりとした趣がある。
粋なものである。ビールから始まり、焼酎をグイグイいく。
チントンチリツツツンテント~ン…夏は河原の夕涼みぃ~っと。
いいねぇ、静かに酒を傾けつつ京都の歴史を味わうというのは~。
姐さんの三味線で一曲歌わせてもらいたいね。
と、情緒に首までどっぷり浸りたい気だったが、そうはいかぬ。
同行のグループはいつものノリとまったく同じ。京都のお茶屋だろうがキタ新地だろうが法善寺だろうが西成だろうが、関係なしで、
男同士でガンガン盛り上がる。
いつもとおんなじ宴会。いやはや、これはスゴイことや。
おそらく宮中の園遊会によばれても、おんなじノリであろうと悟った。
こんな機会に旦那気分を味わおうなんてスケベ心を持った私が
小物だった。
ぐやじ~!
よって、「は~さん、帰らないで・・・」などと
泣きつかれることは
無かった。
舞妓HAA~~Nたちに送られて、颯爽と夜の街へ。
いやぁ、ええもんどんなぁ。
姐さん方、長時間おつかれさまでした。別世界でした。
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クセになるんとちゃいまっか。
気もいたしますが、そんなもん、
その境地へ行くまでに先立つモノがないですがな。
高価なものは見るだけに限る!
左の子は17歳、右端は15歳でっせ。
廓の中やなかったら犯罪ですがな。