図書館の自由に関する宣言
一、図書館は資料収集の自由を有する。
二、図書館は資料提供の自由を有する。
三、図書館は利用者の秘密を守る。
四、図書館はすべての不当な検閲に反対する。
図書館の自由が侵される時、我々は団結して、あくまでも自由を守る。
長~い間、図書館でチェックしていました。予約入れず…。昨日の夕方、ようやく手に取ることが出来たので、夕食後、早速読み始めました。一旦読み始めると時間が経つのも忘れてしまいます。巻末には参考文献の他、 故、児玉清さんと作者の有川浩さんの対談が掲載されており、こちらも必見☆(角川文庫 平成23年度初版)映画の中でも登場した『図書館の自由に関する宣言』実際にあるようで、改めて読み直してみました。今回、私が読んだのは図書館戦争シリーズ②『図書館内乱』ですが、この中の一部も映画のシーンとして登場してはいます。しかし! 戦闘シーンが目立った映画に対し、著書の方は やっぱり‼というか、「有川浩さんだもんね、原作はきっと、こうだろうと思った!」という内容で、より満足しました。著書の方は、「図書館の自由」に関する問題定義をより詳しく‼ といった感じでしょうか。例えば、少年法に違反する取材をし、雑誌に掲載した事件、一つをとっても、私が思うだけで、
犯罪を犯した少年のプライバシーを守る権利
取材する側の権利
「知りたい」読者が出版物を自由に閲覧する権利
…等、ある訳です。登場人物たちは、どう対処するのかというと…
検閲には反対する立場の図書館隊の人々の中でも、意見は当然、割れます。禁書とし、閲覧を全面的に認めないか、問題の箇所が閲覧出来ないようにするか、その場合の方法は? 実際の書物にシール等を貼るか、しかし、そうした場合、利用者がシールを剥がさないか‼? 利用者のモラルはどうか(信頼できるか否か?)といった問題、或は、のり弁のように…新たなページとするか? 他にも館外持ち出し禁止としても、コピーを取られるというケースも…等々。少年法や更生法については、私も2年前、テーマがテーマなだけに重いというか、ちょっと苦手…と言いつつ、取り組んだ経緯もあるだけに、読みながら一筋縄ではいかない…と再び考えてしまいました。少年法に違反して実名を明かし、写真を雑誌に掲載したページは、省かれるべきだと思いますが、図書館隊としては、どのような書物でも守るべき立場。上の決定は意外な結論で… とここからは、実際に読んでからのお楽しみ、でしょうか。
本の冒頭では、主人公、郁(いく)の両親が水戸から寮を訪ねてくる‼ など、映画には全く無かった面白い展開もあり、笑ってしまいました。他にも郁の同期、手塚光と兄の確執については映画でも描かれていますが、細かい所は映画と多少違っておりました。まぁ、普通ですよね。映画は2時間にまとめなければいけないから。今回は、映像が先、本を読むのがあと、という順序で良かったです。普段は映像のイメージが刷り込まれる前に本を読みたいものですが、今回に限っては、本を先に読んだあと映画を観たとしたら、きっと 「戦闘シーン多すぎ…」とガッカリしたかも。
小説ならでは、といえば、郁の上司で「王子さま」、堂上班、班長の小牧と10歳年下の幼馴染、中沢まりえの物語が読ませました。二人の心を通わせた本、『レインツリーの国』。このタイトルは、確か有川浩さんの作品の中にあったな、読んではないけれど…と思ったら、最後の「あとがき」によると、「新潮社から出版予定」とあり、この小説の中で最初に生まれたんだぁ~と新発見☆ 読みたい本リストに追加されたことは、いうまでもありません。