「次はタイムマシンを読んでみたい」と数か月前、ブログに書いて以降、図書館で出会えずにいました。それまでは常に本棚に並んでいたのに
緊急事態宣言が6月20日まで延長されたため、図書館も20日まで閉館です。予約していた『タイムマシン』が届いたと連絡があったため、窓口へ受け取りに行き、もう一冊、予約していた本も受け取ってきました。同じ新訳シリーズで、翻訳者はなんと、『マチネの終わりに』の著者、平野啓一郎さんです
まぁ、そちらはまだ読み始めてもいないため、まずは、読み終えたばかりの『タイムマシン』の感想を簡単に...
タイムマシンを発明した タイムトラベラー(固有名詞無し!)は、心理学者や科学者など、皆を集め、タイムマシンの説明をする場面から幕は開きます。21世紀を生きる自分でも、なんだかワクワクしますね~ 日本は明治時代にあたりますが、あの時代以降、電話、飛行機、洗濯機、冷蔵庫、ファックス、スマホ etc ありとあらゆるものが発明され、人類は月へも行きましたが、タイムマシンは
未だにSFの世界。すなわち夢です。
タイムトラベラーは未来へ行き、人類の行く末を見てきます。私が子供の頃、思い描く未来は、鉄腕アトムのような”発展した夢の世界”でした。1880年頃、書かれたのだから、近代化が進んだ未来だろうと思ったら...
80万年後。
気温は上昇して、暑い。人類は、色白で小柄で温厚。知能が低い。言葉は通じない。果物ばかり食べている。夜は皆で束になって寝る。夜(闇)を恐れ、火を知らない。
「これって...ホモサピエンスは退化してしまった...? ウェルズ先生、よくこんな未来を想像出来たなぁ」
更に驚いたのは、地上波で放送された際にみた、韓国映画、「パラサイト」半地下の住民のような人種が蔓延っていたこと。
すなわち、人類は、地上に住むイーロイ人と、地下で暮らす内、目もほぼ見えなくなった野蛮な肉食、モーロック人、2種族に分かれてしまっていた訳です。
更にさらに... ショッキングなことが次々と起こります。タイムトラベラーは、地下で暮らすモーロック人にタイムマシンを奪われ、それを取り返すため、地下へ、そろり、そろりと降りて行くのですが...
ぷよぷよ軟体動物のような集団なのに、力は強い! そんなのに身体中を引っ張られ、触れられ、襲われたら... 絶叫するくらいじゃ、すみませんわね。文字で読むと、想像するので、余計に恐ろしくありませんこと?
何よりもショッキングだったことは、地上で暮らす温和で果物を主食とするイーロイ人は、地下で暮らすモーロック人にとっては、家畜だったということ! 共食い!?
人類は進化の過程で 2種族に分かれ、その内の1種族が、もう一つの種族を食べるなんて図。 草食系男子、肉食系なんて、ここ10年くらい言うようになったけれど...
地球の将来は、気温が上昇する、すなわち地球温暖化の問題。韓国映画、パラサイトに見られるような二極化の構図。(正規雇用とそれ以外... 9割中流家庭なんて、昭和の終わりの話になってしまった)これらの状況は、ウェルズ氏の『未来予想図』へ向かう「途中」だと、言えなくもないんだよなぁ。
新訳シリーズの『タイムマシン』には、本文156ページ。157~225ページまで書評や後書き、年表です。つまり、多くの人により、考察され、論じられているのです。これまでに 2度、映画化もされ、それぞれ特徴がある内容のようです。1作目では、タイムトラベラーには、作者と同じ、ジョージという固有名詞も与えられたそうです。
何だか自分も80万年後の世界を彷徨ってきた気分でして...疲れ果てました~?? 仕事中、汗だくになり、暑かったですしね... 本格的な夏到来を感じる今日この頃です。