日々のあれこれ

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『雨・赤毛』 モーム 新潮社文庫

2022-08-17 22:31:11 | 読書

実は以前、収録作品の内、表題作でもある『雨』は こちらでマウントドレイゴ卿/ パーティの前に サマセット・モーム

読んだことがありました。今回は、新潮社文庫で、初版は1959年❣ なんと、自分が生まれる10年も前ではないですか❣ Σ(・□・;) しかし、古めかしい訳には感じませんでした。漢字の一部ががちょっと…常用漢字じゃないな、というものもありましたが。戦後すぐの教育を受けた人々にとっては、こちらが常識でしょうし。自分が高校生の頃は、常用漢字の数が減らされましたが、その後、再び鬱や語彙の「い」など、結構な数が追加されました…って、話を元に戻しましょう。

違和感なく読める訳でした。中野好夫氏ですね。フランス語から日本語への翻訳者。解説は、見開き2ページのみで、かなり短いです。この点も光文社とはかなり違います。

こちらの翻訳者さんは、『雨』は短編として最高傑作!と褒めちぎり。確かに、最近でこそお天気により、気圧の関係で体調不良になったり、偏頭痛が起きたりすることも知られるようになりましたが、この作品、『雨』が書かれた当時は、医学的な根拠も何も分かっていなかった筈です。天候と人の心理状態や行動の変化等に注目して再読しました。 個人的には、初読みの時も、今回も、特別、好きな作品とは言えませんが。

新潮社文庫には、少し長めの3作品が収録されており、『赤毛』と『ホノルル』の方が自分には面白かったです。特に『赤毛』は、天才モーム!と最後のページを読んだ瞬間、心の中で雄たけび~👍 最初は読者である自分も、「他人事のように」たまたま出逢った相手の話に耳を傾けて(読んで)いたのですが… なんとなく、退屈しのぎに聞いていた話の内容に興味を惹かれ、最後には、(まさか… まさか…ねぇ… そんな筈は…)と、信じられない「真実」を予感させられ…

とうとう、「その時がやってきた!」 一体、どんな反応になるのか⁉ 主人公同様、内心 ドクドク…と心臓の音が聴こえてきそう。

あっと驚く、どんでん返しは流石、ストーリー展開の天才、モームです。面白いっ!👍

 

最後の『ホノルル』 こちらは、冒頭の描写から~ かつて暮らしたシドニーの港町を思い浮かべました。人種の坩堝であるホノルルもシドニーもなんだか、雰囲気が似通っています。ホノルルには行った事はありませんが💦

中国人は、「働き者」 日本人は、「賢い」と表現されておりました。東洋と西洋が出合う街・・・確かに。ただ、自分にとって、最初にそう感じさせたのは、シンガポールでしたが。

モームは実際に旅した作家なので、色々な人種を交えて描くのが、得意ですよねぇ。他にも新潮社からモームの長編が出版されているので、チャンスがあれば読んでみたいものです。最も有名な作品は、月と六ペンス  ウィリアム・サマセット・モーム

…ですね。

(今年140冊目)

Comments (6)
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