北斎漫画からを続けております。
今でいう村の老人クラブでしょうか、この6人の仕草、表情に魅せられ模写しました。(24cm×34㎝)
右手前の者に必死に何かを訴える左手前。
その二人のやり取りを穏やかに見守るそれぞれの両隣。
奥の方では、何やら高笑いをする者と
その彼を煙管(きせる)を頬杖に横目(ただ一人白目あり)で眺める者。
拡大コピーした原画に縦横8分割した方眼線を引き、
これを基にスケッチブックへの模写作業。
鉛筆で薄く下書きし、その上から墨を面相筆で。
鉛筆を消して仕上げるまでに、丸々2日を要しました。
北斎はそれぞれを身体全体で表現していますが、
その中でも最も苦労したのは各人の顔、さらにその中でも目。
小さな点のようなタッチでそれぞれに表情をもたせる・・・
北斎の凄さの一端を。
面相筆での“目入れ”は“虫眼鏡”を使って描いたことでした。
尚、“評儀”は“評議”かとも思いましたが、
原画では画面中央上部に「村老評儀」とあり、記載場所を変えてそのままの言葉で。
原画では画面中央上部に「村老評儀」とあり、記載場所を変えてそのままの言葉で。
何か儀式的な意味合いがあったのかもしれません。
次回からは江戸の職人さんたちを・・・。
この絵、評議する村人の配置、二つの俵、村風屏風などの全体構図が見事なうえに、評議している村人の表情それぞれの話し声まで聞こえ来そうな臨場感があります。
その一つ一つを丁寧に書き写す技術と集中力に拍手です。
車座になり、それぞれの立場での意見を言ったのだと思います。それを思い出しました。
原画を見ていないので対比は出来ませんが、場の雰囲気にから始まり、各人の姿勢、顔つきを本当に良く模写されていると思います。何処かがズレるとこの雰囲気は出ないでしょう。