クタビレ爺イの山日記

諸先達の記録などを後追いして高崎近辺の低山中心に歩いています。

続・三角点もどき?

2006-10-29 13:58:11 | その他
先日、榛名山麓で見つけた「三角点もどき」について「上西勝也」氏より
連絡を戴いた。同氏は膨大な資料を有するHP「三角点探訪」の管理者で
この道の権威と推察される人。
さて、問題の物は前回も表示したが、下の写真の如きもので一見では
四等三角点・金属標と見間違うほどであるが、上面には「国土調査」の
刻印しかない。

同氏の解説を要約すると
「この金属標は国土調査促進特別措置法に基づき、地方自治体により
地籍調査を目的として設置されたもので、三角点と同様に経緯度又は
最寄りの三角点からの距離・方向などの位置情報を確定するもの」との事。
「地籍調査」とは何も山岳地に限ったものではなく「一筆毎の土地の所有者・
地番・地目を調査して境界の位置と面積を測量するものである。つまり、地籍は
土地に関する戸籍なのだ。
そもそもの発祥は、大化の改新の「班田収受の法」に始まるとか。「班」とは
「分かつ」の意味。その後、有名な秀吉の「太閤検地」もこの類だし、
明治になっての「地租改正」を経て戦後の昭和26年に「国土調査法」が
発令され、前記の国土調査促進特別措置法が昭和37年に発令され現在
第五次10ヶ年計画の真最中。国有林・湖沼を除いた地域が調査対象であるが、
驚いた事に平成十五年の記録では全国平均の調査進捗率は50%をやや下回る程度で
群馬は33%で下から23番目、トップから沖縄99%佐賀93%青森92%
岩手92%宮城85%と続くが下を見れば大阪2%京都6%三重7%岐阜9%。
因みに群馬の担当は群馬県農政部土地改良課。
境界には各筆毎に土地の境界(筆界)を示す杭ガ打たれ、測量の基になる「図根点」
が設置されて測量され地籍図が造られるそうである。
そうなると、今回見た「三角点もどき」はこの図根点の類となる。良く案内書にある
この頂上には図根点ありとの既述の場合は何を指しているのであろうか?
私の見た「もどき君」は下の写真の様に四等金属三角点と全く同じように人工的な
配列の四つの石で囲まれている。

が、本体は枯れ葉に被われているし、三角点の場合の様に
国土院による「三角点を大切にしましょう」との白杭も無いし

「見出し票」がぶら下がっている緑の細い棒も無いから、大抵の場合は気がつかないはず。

よく気を付ければ通過する低山の頂上には沢山あるのかもしれない。皆さんも
ストーン・マーク探しはいかが?
今回の件で今まで何の意味かわからなかった数々の標識が大体納得できた。
吉井・甘楽境の稜線にあるような明かに町村境界と判るものを除けば

今まで字境界と片付けていた「赤黒杭」や

「白黒杭」も地籍調査の一環と思われるし

唯「山」と刻まれたものや

基準と書かれた黄色の埋め込み杭、

何も刻まれていない石の柱、

頭に赤の化粧をした石柱もその類か?

そう言えば、我家の敷地と公道の境にもコンな物があり設置の時に立ち会ったこともある。
多分、これも地籍調査だろう。

折角の好天に足首が痛むので休養がてらの暇つぶしはこれで一巻の終わり。


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