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豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

注意欠陥多動性障害

2016-06-04 08:30:50 | 研究
注意欠陥多動性障害(ADHD)は、子どもに影響する障害と広く考えられていますが、一部の患者は、大人になってから初めてADHDを発症する可能性もあるとの研究結果がJAMA Psychiatryに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。英国とブラジルのそれぞれの研究チームによる独立した2件の研究論文によると、子どもの時にADHDと診断されなかったにもかかわらず、若年成人になって初めてADHDと診断されるケースが多いため、遅発型のADHD自体が独自の疾患である可能性があることが示唆されるそうです。成人がADHDと診断される場合、注意欠如、活動過剰、衝動的行動などの症状が、子どもでみられるよりも重くなることが多く、交通事故や犯罪行動などの増加を伴う傾向がみられるそうです。またADHDは、成人の約4%でみられると考えられているとも。ADHDは、12歳未満の子どもに、通常の活動や発達に支障を来す不注意または衝動的な行動が6種類以上、6か月連続でみられる場合に診断すると定義。2000組以上の双子を対象に実施した調査では、合計166人が成人期ADHDと診断されたそうですが、その内の68%は小児期にはどの検査でもADHDの基準を満たしていなかったことが明らかに。この調査では、5歳、7歳、10歳、12歳でそれぞれ収集した母親と教師からの報告に基づいて、子ども時代のADHDを判定。調査の時点で18~19歳の成人では、自身の症状や行動について被験者と話し合う面談を基に診断。調査の結果、成人では、子ども時代から続く「持続性のADHDは少数派」であったそうです。小児期発症型と遅発型の成人期ADHDは、それぞれ異なる原因で発症すると考えられるそうです。
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