骨折の治療で、自身の骨をネジ状に加工して患部の固定に利用する手術を2007年以降実施し、成果を上げているという発表があったそうです(YOMIURI ONLINE)。産官学連携で試作した加工機も公開されたそうです。2004年に骨ネジを使った骨折治療構想を立案。2007年から手や足、膝などで小さな骨折をした10~60歳代の患者に対して12例の手術を実施。骨ネジは、腰やすねの骨から、おおむね長さ約35ミリの骨を採取し、精密加工機でネジに成形し、骨折部を接合する際に使うそうです。医師は牛骨などで訓練し、手術室で、プログラムを入力した加工機を使い約1時間かけて骨ネジを製作。これまでの手術で、術後1年以上がたった8例中7例、1年未満の4例中3例は経過が良好ということです。残る2例では、骨を採取した部分が退院後に骨折するなどの事態になったが、手術の影響かどうかは不明だそうです。骨ネジは患者自身の一部のため、術後は周囲の骨と同化し、金属ネジで必要な除去のための手術をしなくて済むというもの。金属ネジに比べて安価で、医療費抑制の効果も期待できるそうです。骨ネジは金属ネジに比べて強度は低い面もあるが、加工機の精度を高め、加工の際に壊れないようにするそうです。試作機は1本の骨ネジを15分ほどで製作でき、所要時間は従来の4分の1に短縮。試作機での臨床研究は2019年度に開始する予定だそうです。
http://www.yomiuri.co.jp/science/20171216-OYT1T50016.html
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