健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

歯のばんそうこう

2012-09-20 08:30:44 | 研究
1つ1つの歯を虫歯から守ったり、より白く見せることのできる極薄の膜が開発されたそうです(AFPBB NEWS)。この「歯のばんそうこう」は耐久性に優れた柔軟性に富むシートで、歯のエナメル質の主成分ハイドロキシアパタイトでできているそうです。シートの厚さはわずか0.004ミリメートルで、歯の表面に貼り付けると、光を当ててよく観察しない限り見えなくなるそうです。その一方で、透明ですが白く着色すれば審美歯科治療にも活用できるとも。極薄シートは、真空で固形状のハイドロキシアパタイトにレーザー光を照射して粒子を放出させ、塩の上に堆積させた後、塩のみを水で溶かすことによって作られるそうです。シートには微小な穴がたくさんあり、液体や気体を透過させるので、歯に装着する際に気泡などが形成されずに済むとも。唯一の問題は、シートが歯の表面にしっかりと定着するのにまだ1日近くかかってしまう点だそうです。現在は抜歯後のヒトの歯で実験を続けているそうですが、近いうちに動物実験に移行する予定とのことです。この「ばんそうこう」の歯科治療における実用化には5年以上かかる見込みだそうですが、審美歯科ならば3年以内にも実用化できるかもしれないとも。既に日本と韓国で特許取得済みで、米国や欧州、中国でも出願中だそうです。
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子どもの睡眠時間は大事

2012-09-19 08:30:00 | 研究
睡眠時間が長い子どもは、短い子どもに比べて、記憶などをつかさどる脳の「海馬」と呼ばれる部分が大きいとする研究結果が発表されたそうです(NHK NEWS WEB)。宮城県内の5歳から18歳までの健康な子ども290人を対象に、MRIを使って脳の詳細な画像を撮影し、記憶や認知機能をつかさどる脳の「海馬」と呼ばれる部分の体積を調べ、平日の睡眠時間のデータをあわせて分析したところ、睡眠時間が長いほど海馬の体積は大きくなったそうです。睡眠時間が5時間の子どもに比べ、10時間の子どもの海馬は1割程度大きくなっていたというのです。健康な子どもを対象に睡眠時間と海馬の大きさに関係があることを確認したのは世界で初めてのものだそうです。アルツハイマー病やうつ病などでは海馬が小さくなることが知られており、海馬の大きさの違いは記憶や認知機能などにも影響する可能性があるということです。子どものころから十分な睡眠をとることが、生涯にわたって健康な脳を保つうえで重要であることを示しているのではないかとも。子どものころの睡眠時間と脳の発達の関係。注目の研究結果ですね。
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ヒト化ラット

2012-09-18 08:30:06 | 研究
免疫能力が極端に低いラットが誕生したそうです(MSN産経ニュース)。免疫能力が低いラットは拒絶反応を起こしにくいので、ヒトの細胞を移植した「ヒト化ラット」を作りやすくなり、創薬研究などに役立つことが期待されるそうです。これまでも、免疫能力を極端に低くしたマウスは存在していたものの、マウスに比べ約10倍の大きさがあるラットでは技術が確立されていなかったそうです。ラットは一度に採取できる血液の量なども多く、創薬研究がやりやすくなると期待されています。ラットの受精卵に特定の人工酵素を注入し、免疫細胞のないラットを誕生させることに成功。ヒトのがん細胞や肝細胞などを移植しても、拒絶反応を起こさないことも確認したそうです。マウスよりもラットの方が扱いやすく、人間の身体の構造に近いなどの特徴があるので、創薬研究などに活用が期待できるということです。
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顔立ちを決める遺伝子

2012-09-17 08:30:41 | 研究
目や鼻の位置関係や顔の幅など、人間の顔立ちの大まかな要素を決めている5種類の遺伝子変異が特定されたそうです(47NEWS)。遺伝子と顔立ちの関係をデータベース化すれば、DNAから顔の特徴を推定できる可能性があるということで、犯行現場に残されたDNAから犯人の人相を推定する科学捜査が将来は実現するかもしれないというのです。驚きですね。この研究結果は、オランダやドイツ、オーストラリアで、欧州に起源を持つ5千人以上を対象にした磁気共鳴画像装置(MRI)の頭部の立体画像データを解析したものだそうです。我々日本人も同じでしょうか?
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「ぽっこりお腹」は肥満よりも死亡の原因となる

2012-09-16 08:30:21 | 研究
興味深い研究結果が発表されたそうです。腹部の脂肪は体のほかの部分の脂肪よりも危険だというのです(MSN産経ニュース)。お腹の脂肪は死亡率と、心臓脈管系の病気やその他の重病にかかるリスクを高めるというものです。腹部の脂肪は、体のほかの部分の脂肪と比べて健康にとって危険で、「ぽっこりお腹」になることは体重過多や肥満よりもリスクが高い可能性があるというのです。この研究はヨーロッパ心臓学会(European Society of Cardiology)で発表されたものだそうです。仮に体重過多でないとしても、いわゆる内臓脂肪は心臓脈管系の病気やその他の病気を進行させて、肥満の人々に比べて早く死亡する確率を50%高めると。この研究は、12,784人のアメリカ人の健康を14年にわたって分析したもので、BMIとウエストとヒップの比率を測る指数(WHR: Waist-hip ratio)を考慮に入れているそうです。普通の人か体重過多もしくは肥満か、普通の人かWHRの高い人かによって分類され、年齢や喫煙の有無、高血圧、糖尿病、体重過多もしくは肥満のようなほかの要素を度外視すると、BMI指数は普通だが、胴体の脂肪が高い人の死亡率が高かったというのです。「体重は普通だけれどぽっこりお腹」のグループは、標準体重で腹部の脂肪が過多ではない人々に比べて、2.1倍死亡リスクがあったことになるそうです。肥満の人々の場合も死亡リスクはやはり高く、普通の人に比べて1.4倍だったが、腹部に脂肪の集中している人々のリスクのさらに高いそうです。しかし、お腹についた脂肪がこうしたリスクを高める理由はまだはっきりしていないそうです。腹部の脂肪はほかの脂肪と比べると新陳代謝が異なっていて、腹部の脂肪を構成する細胞はインスリン抵抗性を促進するホルモンを分泌している可能性があるそうです。これは糖尿病をもたらし、炎症を引き起こす可能性がある状態です。一方、脚部や臀筋の脂肪は、いわゆる健全な新陳代謝をもつタイプの脂肪で、内臓脂肪とは正反対だそうです。さて、日本人も同じことがあてはまるのでしょうか。
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網膜色素変性に遺伝子治療

2012-09-15 08:30:16 | 研究
光を感じる網膜の視細胞が徐々に失われ、失明する恐れのある難病、網膜色素変性(色変)の患者に、日本の眼病では初めてとなる遺伝子治療の臨床研究を来春にも開始するとの発表がありました(MSN産経ニュース)。色変は5千人に1人の割合で発症する遺伝性の病気で、国内の患者数は2万~3万人と推計されているそうです。厚生労働省から難病に指定されており、これまで有効な治療法はありませんでした。今回の治療では、視細胞を保護する遺伝子PEDFを組み込んだウイルスベクターを網膜に注射し、視細胞を保護するタンパク質を目の中でつくって喪失を防ぎ、視力の低下を抑えるそうです。低濃度のベクター溶液を患者5人に注射し、異常が1カ月間なければ、治療に有効な濃度の溶液を患者15人に投与し、それぞれ2年間、問題がないか調べるとのことです。もちろん、患者の経過観察は生涯にわたって続けるとも。また治療には、世界で初めてサル由来のウイルスベクターを使用するそうです。ウイルスベクターを使った色変治療については、米国や英国で報告があるそうですが、国内ではこれまで外国産のベクターを使うしかなく、費用面で不可能だったそうです。安全性と効果が確認できれば、将来的な治療薬の開発につながり、患者の失明防止に役立つということです。
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前頭連合野の特定部位の機能解明

2012-09-14 08:30:31 | 研究
脳の前の部分にあたる「前頭連合野」と呼ばれる部分は、記憶をするほか目的を持ちそれを達成する行動を決めたりする役目があることは分かっています。しかし、前頭連合野内の機能分担についての詳細は明らかではありませんでした。今回、目的を持ち達成するための行動を決める前頭連合野の部位による機能が解明したそうです(NHK NEWS WEB)。額に近い表面の部分は目的を忘れないようにする役割があり、その内側の部分は目的を決定する役割があることが分かったということです。さらに、頭頂部に近い部分は目的を達成するための行動を決める働きがあることが分かったそうです。この研究成果は、脳の病気やけがによって行動や記憶などに障害が出た場合の治療につながる可能性がでてきました。
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ミカンの皮が脳神経守る

2012-09-13 08:30:59 | 研究
ミカンなどかんきつ類の皮に含まれる有機化合物に、脳の神経細胞を守るタンパク質を増やす働きがあることが明らかになったそうです(MSN産経ニュース)。その有機化合物は、ヘプタメトキシフラボンだそうです。この物質をマウスに5日間投与した後、脳の血管を詰まらせて、脳の断面を分析すると、記憶をつかさどる海馬で、神経細胞が傷つくのを防ぐタンパク質「脳由来神経栄養因子」が投与しなかったマウスよりも約3・5倍増えていたそうです。このタンパク質が増えることで脳梗塞後に死滅する細胞が減り、機能が維持されると考えられるそうです。ただ、ヘプタメトキシフラボンはミカンの皮の成分の多くて約0・025%と微量で、皮を食べても効用はないとも。ということで、今回の成果は脳梗塞で起きる脳神経の機能障害を遅らせる治療薬の開発につながる可能性があるということですね。
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統合失調症、脳神経の一部に異常

2012-09-12 08:30:11 | 研究
統合失調症は、自分の悪口が聞こえるなどの幻聴や妄想、考えがまとまらなくなる思考障害など多様な症状が出る病気で、対人関係がつらくなったり、順序立てて考えることが困難になると、日常生活に苦痛を伴うようになるものです。主に思春期に約100人に1人が発症するとされていいますが、発症メカニズムは分かっていません。今回、統合失調症の患者の脳に神経などの異常があることがMRIの画像解析で明らかになったそうです(京都新聞)。研究では、統合失調症の患者37人と健康な人36人の脳をMRIで画像を撮り、さまざまな部位の状態を調べたそうです。その結果、脳内のさまざまな情報を統合する「視床」から、大脳で思考や意欲をつかさどる「前頭葉」に伸びている「神経線維」を観察すると、患者の神経線維は細く、神経が結合する部分の大脳皮質が薄くなっていたそうです。したがって、視床から前頭葉への情報伝達がうまくいかず、その結果として情報を受け取る皮質の厚みも薄くなった可能性があるということです。統合失調症の発症メカニズムの解明や治療法の開発につながる成果だそうです。
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第58回日本宇宙航空環境医学会大会

2012-09-11 08:30:18 | 研究
第58回日本宇宙航空環境医学会大会が本年11月15日(木)~17日(土)まで、愛知県豊橋市の豊橋商工会議所を会場に開催されます。一般研究発表を募集しています。一般研究発表は学会員であることが必要となります。応募締め切りは9月24日(月)です。奮ってご応募ください。また、聴講はどなたでもできます。詳細は下記HPをご参照ください。
http://www2.sozo.ac.jp/~JSASEM58/
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