経済産業省は、治療で不要になった歯や軟骨などの細胞を使う、再生医療製品作りを後押しするというニュースが報道されていました(YOMIURI ONLINE)。国内で実用化された再生医療製品はいずれも患者自身の細胞から作られているそうですが、欧米や韓国では他人の細胞を使った再生医療製品が普及しつつあるそうです。そこで経済産業省は他人の細胞を材料にする製品作りの仕組みを提示し、迅速で安価な再生医療の拡大を目指すというもの。再生医療では主に細胞を培養後に移植し、失われた組織や臓器の機能を回復させるもの。他人の細胞を使って製品化すれば、すぐに治療を開始でき、1人の細胞から多人数用の製品ができるのでコストが安くなるというメリットが。国内でも他人の細胞を使った臨床研究は行われているが、製品化については、「人体の商品化と社会に受け止められるのではないか」との懸念から事業が進みにくかったそうです。
緑藻クラミドモナスに見られる光応答性イオンチャネルの改変体を筋芽細胞に組み込むことで、光に対して感受性を持つ筋細胞を開発すること、さらにその細胞に光を照射することで収縮能力を獲得した骨格筋細胞にまで成熟させることに成功したということが発表されました(財経新聞)。通常の細胞培養法では、収縮運動をする細胞までに成熟するものは少ないのが現状です。今回の研究で、チャネルロドプシングリーンレシーバー(ChRGR)の遺伝子を筋芽細胞に組み込むことで、光に対して感受性を持つ筋細胞を開発。培養中のその細胞に対して継続的に青緑色光を照射したところ、細胞内にある収縮単位であるサルコメア構造の発達が促進されるたというもの。さらに、このように発達した筋細胞が、光刺激に応答して収縮することも確認されたそうです。
米国食品医薬品局(US Food and Drug Administration、FDA)は先日、減量を助けることを目的に脳から胃へ走る神経を電気的に刺激するペースメーカーに似た最新式機器を承認したそうです(AFPBB NEWS)。承認されたのは、米国Minnesota州に本拠を置く米医療機器会社が開発した「マエストロ・リチャージャブルシステム(Maestro Rechargeable System)」で、FDAが減量用機器を承認するのは8年ぶりだそうです。この機器では、肥満患者の腹部に外科手術で埋め込まれた電極に、外部から電気パルス発生機器を操作して腹部の迷走神経に信号が送られ、腹部の迷走神経は胃の伸縮による信号で空腹および満腹を脳に伝える働きをするというもの。FDAによると、電気刺激は脳と胃の間の神経活動を阻害するが、機器の使用に起因する特定の体重減少メカニズムは不明ということです。安全性と有効性に関する試験では、この機器を用いて減量させたグループの過剰体重減少率は、機器装着も非作動の対照グループに比べて8.5%高かったそうです。しかし、当初の目標は10%だったとも。この臨床試験には、体格指数(BMI)35以上の肥満患者233人が参加。マエストロを作動させた患者グループの約半数は、過剰体重20%以上の減量に成功したそうです。重い副作用としては、吐き気、神経調節因子部位の痛み、嘔吐、外科合併症などがこれまで確認されているそうです。また一部の使用者からは、痛み、胸焼け、嚥下障害、げっぷ、軽度の吐き気、胸痛なども。
禁煙の秘けつは商品券だとする実験の結果が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。British Medical Journalに発表されたもので、妊娠中の女性を対象に、禁煙に成功すれば商品券を贈ると約束した方が、何の見返りも与えなかった場合よりも、はるかに高い禁煙成功率を収めたというもの。対象は、スコットランドのグラスゴーの妊娠中の女性612人。ニコチン代替療法などの専門的な禁煙支援を提供し、さらに被験者の半数には400ポンド(約7万円)分の商品券を渡すことを約束。商品券の渡し方は、まず禁煙の期限の打ち合わせのために専門家と面談した際に50ポンド(約9000円)分を渡し、次に4週間禁煙した場合に50ポンド分、次の12週間で100ポンド(1万8000円)分、34~38週間で200ポンド(約3万6000円)分をそれぞれ手渡し。加えて唾液と尿の検査によって禁煙を確認。この結果、何の見返りもなかったグループ306人のうち、禁煙できたのは被験者の9%に当たる26人だったのに対し、商品券を渡すことを約束したグループで成功した被験者は「かなり多く」23%に当たる69人だったというのです。さらに12か月後までを追跡したところ、商品券を与えられたグループでは15%が禁煙を継続していたのに比べ、経済的な動機が与えられなかった被験者で禁煙を続けていたのはわずか4%だったそうです。実験の参加者の多くが低所得層に属していたそうですが、あらゆる階層に効果があるかでしょうか。
渡り鳥のV字型飛行では、先頭が最も過酷なポジションとなっているそうですが、鳥たちは交代で先頭に立つことで互いに補い合い、体力を消耗し尽くす者が出ないようにしているとの研究論文が、Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)に掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。今回の研究は、オーストリアSalzburgからイタリアOrbetelloに季節移動するホオアカトキ(学名:Geronticus eremita)14羽の調査に基づくものだそうです。14羽にはそれぞれデータ記録機器を装着、V字型飛行編隊の中で個々の鳥がどのように行動するかを追跡調査した結果、鳥たちが群れの中で頻繁に位置を変えていること発見。鳥たちは全般的に、飛行時間の平均32%を他の鳥の羽ばたきで発生する上昇気流に乗って飛行することで恩恵を受け、また編隊の先頭に立つ時間については全員で釣り合いを取っていたというのです。一部の研究によると、若い鳥の3分の1以上は、最初の渡り飛行中に極度の疲労が原因で死に至るそうです。渡り行動は危険を伴うため、編隊を組んで飛行し、規則正しく位置を変えることを習得した鳥たちは、他の鳥の上昇気流の中を少しの間「ただ乗り」飛行してエネルギーを節約しているそうです。
国連(UN)の世界気象機関(World Meteorological Organization、WMO)は、2014年が観測史上最も気温の高い年だったと発表したそうです(AFPBB NEWS)。「温暖化傾向」は、今後も継続することが予想されるとも。WMOの声明によると、2014年の世界平均気温は、基準とされる1961~90年長期平均の14度を0.57度上回ったそうです。また、これまで気温が高かった年の上位15位中の14位が21世紀になってから記録されたそうです。世界気温の4度以上の上昇により、壊滅的な干ばつ、洪水、海面上昇、嵐などの発生が予想される他、かつてないほど不足する水などの資源をめぐり紛争が勃発する可能性が高いと科学者らは警告しているそうです。
高速ランニングなどの激しい運動を長期にわたって行うと健康に害を及ぼす可能性があるとした研究論文が、Journal of the American College of Cardiologyに掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。12年間に及ぶ健康調査を基にした論文によると、ジョギングを全くしない人の死亡率は、激しいジョギングを頻繁に行う人の死亡率と同程度であることが分かった一方で、週に1時間~2.4時間ほどの軽いジョギングをしている人は、突然死の死亡率が最も低かったというのです。これらの結果は、デンマークCopenhagenで実施された長期健康調査「Copenhagen City Heart Study」に参加した、ジョギングをしている健常者1098人とジョギングをせず座りがちな生活をしている健常者413人のデータに基づくものだそうです。論文によると、ジョギングの最適頻度は週に3回程度で、ゆっくりから適度のペースで走る人の死亡率は、速く走る人に比べて著しく低かったそうです。これまでの研究でも、軽度および適度の運動と長寿との間に相関関係があり、激しい運動が死亡リスクの上昇に関連していることが示されていたそうです。死亡リスクを減少させ、寿命を延ばすことが目標なら、ジョギングを週に数回、適度のペースで行うのがよいようです。
ダイエットの秘けつはネット上の仲間だとする実験の結果が、Proceedings of the Royal Society Bに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。研究では、ソーシャルネットワーク(SNS)でオンライン体重管理(OWM)プログラムのコミュニティーに参加した2000人以上を対象に調査。調査開始から6か月後、同コミュニティー上で連絡を取り合う友人が1人いる場合には最初の体重に比べた減量率は平均4.1%だったそうですが、友人の数が2人~9人の場合、減量率は5.2%に上昇し、さらにより多数の友人を持つと6.8%に、最多のケースでは8.3%にまで跳ね上がったというもの。過去の研究では、目標を同じくする仲間同士が実際に面と向かって会い、互いにヒントを交換したり応援したりすることでダイエットの効果が上がることが指摘されていたそうですが、今回の論文では、ネット上での励まし合いにも同じことが当てはまるかもしれないと述べているもようです。仲間の励ましですね。あった方がよさそうですね。
本日(2月10日(火))より、豊橋創造大学大学院健康科学研究科の入試願書の受付が始まりました。思い立った時がチャンスです。難しいことはありません。ただただ、やるのみです。研究活動を一緒に行えば、知らぬ間に身についていくものです。ある程度の情報量は必要ですので、努力が必要なのは言うまでもありません。悩んでいるなら、前に進みましょう。まずは、連絡ください。
メールアドレスは
goto「アット」sozo.ac.jp 「アット」の部分を@に変えてください。
連絡をお待ちしています。
なお、出願締め切りは2月20日(金)です。
メールアドレスは
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連絡をお待ちしています。
なお、出願締め切りは2月20日(金)です。
メキシコの首都Mexico Cityの地下鉄で、乗客がスクワットをしてカロリーを消費すると、一定額の運賃を無料にするサービスが登場したそうです(AFPBB NEWS)。肥満問題を懸念する同市の保健当局が考案したものだそうです。市内数十か所の地下鉄駅に、乗客がスクワットを10回するとカロリー消費量が表示され、乗車券が発券される特別な機械が設置されているそうなのです。同市はまた、先着8万人に、エネルギー消費量を計算する歩数計も提供するそうです。公式統計によると、メキシコの成人の70%、子どもでは3分の1が太り過ぎもしくは肥満で、この値は米国を上回っているそうです。何かインセンティブがあると、人々の運動への参加度は高まるのではないでしょうか。