イーグルスファンの独り言 Philadelphia Eagles Fan Blog

フィラデルフィア イーグルス ファン ブログ

裏の裏ってのは表じゃないのですよ

2009-01-20 23:01:08 | イーグルス
 後半のディフェンスは前半と何が変わったのか、それまで全く届かなかったTrent Coleが1対1をすり抜けてKart Warnerに届くようになりました。同時にBrodrick Bunkleyがペネトレイトを仕掛けるようになりCole-Bunkleyの間を埋めるようになります。その分空く事になるMike PattersonとBunkleyの連携を突かれましたが致命傷に至らず、パスラッシュ力の向上がサードダウンディフェンスを向上させました。
 なぜNYG戦で成功したこれを最初からやらなかったのか、良く分かりません。Bunkleyが対面のReggie Wellsに負けているのかと思っていたのですが、後半を見ていると押し込んでいるプレイが目立ちますし押せなかった訳では無いと思います。

 ディフェンスが持ち直した間にオフェンスが逆転に成功します。しかし、最後のドライブではTDを奪われてしまいました。
 ARI側がそれまで使わなかったTim Hightowerの横への動きを多用してきます、Larry Fitzgeraldを徹底マークしてそれでも止められなかったディフェンスの左側へ流れてくるHightowerを止める事が出来ずにドライブを断ち切れないままTDを許し決勝点となりました。前半の惨状からハーフタイムのアジャストで立て直したのですが、それに対するアジャストによって最後は失点する事になります。

 Asante SamuelがFitzgeraldに歯が立たなかった事が単純に敗因です、ショートを取られるのは仕方が無いにせよ、ヒットする事が出来ずに引きずられるようなタックルが多かった事は問題でした。ただ、今のFitzgeraldは全盛期のRandy Mossと対比すべき選手ですし、基本1対1でダブルチーム下手なSではカバーし切れませんでした。
 また、Warnerに対し投げる前に潰す事を狙ったブリッツが全く届かず、取られてもRACを出させないDB陣がタックルミスを連発してしまいました。プレッシャーの無い状態のWarnerはフットワークが衰えた今でも一流のパサーで居られます、後ろを厚めにするよりもブリッツを選んだ事は正解だと思いますが、ブリッツが全く届かないのは想定していなかったのでしょう。
 
 弱点を一方的に突かれ、奇策を食らい、立て直しては来たものの結局はゲームプランの根底を覆され続けたディフェンスは完敗と評価するべきです。自らの弱点を消す、長所を伸ばす、相手の欠点を突く、長所を出させない、その為の駆け引きで勝負されるようになるとJim Johnsonは後手に回ってしまいます。ブリッツを処理出来るベテランQB,マンマークではカバー出来ないサイズとスピードとキャッチ力を兼ね備えたWRの組み合わせ、そしてOL育成能力が高い相手はJohnsonのパターンの上を行きました。

宿老Jim Johnson敗れ去る

2009-01-20 06:19:16 | イーグルス
 NFCチャンピオンシップの@ARI戦は25-32で敗れ、悲願のスーパーボウル制覇まであと少しの所で手が届きませんでした。

 前半と後半で全く別の試合になりました、リードを奪ったARIがやや保守的になった事も影響していますが、時間と陣地を支配されて手のひらで踊らされたような負けではありません。コーチとして一発勝負に掛ける準備と意識の差をまたもや感じる試合になりました。

 最初のディフェンス、Trent ColeとBrodrick Bunkleyの間、これまでも外から回り込みたいColeと対面のOLをコントロールするのに専念するBunkleyの間がランで狙われると簡単に開く欠陥を突かれました。NYG戦ではBunkleyの驚異的な働きで対面を押し潰しで1人で2人分のホールを埋めていたのですが、この試合ではそうはなりませんでした。(後半はBunkleyが積極的に前に出てロスに終わらせる場面が続きました、最初はペネトレイトではなくコントロールするように指示が出ていた可能性が高いです)
 
 同時にブリッツを防がれてしまいました。これは結局最後の最後まで一本のブリッツも届く事無く終わってしまいました。OLコーチとして高名なRuss GrimmにJim Johnsonが敗れたという事になります。
 Johnsonのブリッツの特色は 1 同じギャップに2枚入れる、2 セット時にブリッツを入れる事を相手に知らせプレッシャーを与える。この2つに有ると考えています。
 左右から1枚づつ入れる事よりも、同じ(LGの場合が多い)所から2枚入れるブリッツを好みます。これは同じギャップにDLを含めて3枚入れればRBが対処しても1枚余ってQBに届く、こういう思考法なのですが、この試合では見事に拾われてしまいました。
 そして、この敗戦の最大の要因になったのがブリッツを仕掛けると相手に教えてもそれに対処する方法を相手に用意されていた事でしょう。わざわざ相手に行くぞ行くぞと教えるのは、サックを奪うたよりも(ブリッツを入れる事で)ロングパスは投げれないからショートかランにオーディブルさせそのショートをCBが狙い打つ、こういう目的が有ります。しかし、歴戦のKart Warnerは慌てる事無くブリッツが来たらどうするかの準備を実行し続けました、スクリーンパスとすれ違いざまに投げるWRやTEへの5ヤードを簡単に通し続けました。普段ですと、行くぞ行くぞからゾーンブリッツへの変化、スクリメージに張り付いたLB,DBがカバーに下がる事で早いタイミングのパスを叩き落とす変化も有るのですが、この試合では素直に飛び込み裏を取られました。もちろん色々なパターンを用意していたのだとは思いますが、それを披露する事無く終わってしまいました。

 最初のドライブを、LGを軸にしたランとブリッツを完全に拾われてのパスで簡単に破られTDを奪われた時点で負けると思いました。欠点の手当てが出来ていない事を露呈し、長所を防がれてのロングドライブを簡単に決められてのですから分析と準備の点で完敗していると判断しました。


 2つ目は止めたものの、3回目のディフェンスはフリッカー一発で決められてしまいました。PIT時代からこういうの大好きなKen Whisenhuntらしいプレイでしたが、Asante Samuelの腰が悪い事とショートゾーンでは無敵だがディープまで追走する能力は低い事まで計算しての一発でしょう。パスがここしかない所に落ちたのは不運だったのかもしれませんがちゃんと準備をしてきた方を運が味方したのでしょう。
 3個目のTDもじりじりとランを出され、ブリッツは不発に終わる事を繰り返し、最後はSheldon Brownが高さの無さを突かれるコーナーへの浮かせたパスであっさりやられました。これはBrown、そしてDB陣ののどうにもならない欠点ですし、あの状況になった時点でどうしようもありません。(TD前のSamuelのインターフェアが反則で、直前のドライブで完全に掴んでいたのが正当なバンプとした判定は理解できません(ボールはお互いに取れる所に飛んでましたし)そう言うをいつまでも言っても仕方ないのですけれどね・・・

 この時点で21-6勝敗はほぼ決しました。


 ディフェンスの欠陥であるColeとBunkleyの隙間、カウンター系に弱いラン、Brownを初めとするDBの高さ不足と悪い所を全て出されました。
 長所のブリッツを止められ、Coleは届かず、Samuelは得意のショートゾーンではなく不得手なディープに引きずり出されました。
 前半のディフェンスはコーチとしての分析と対応能力の違いで良い所を消され、悪い所を曝け出し続けました。


 時間が取れないので、続きは夜に書く予定です。