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納戸の奥に眠っている箱を久しぶりに出してみると…
買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています

# 546 ドラフトネタ ヤクルトスワローズ編

2018年08月29日 | 1985 年 



去年のドラ❶ 広沢克己:トラちゃんに意外と厳しかった採点。愛のムチと心得るべし
鳴り物入りで入団した明大の怪物・広沢選手。規定打席には到達しなかったが打率.250 ・18本塁打・52打点は新人王こそ逃したが前評判通りの活躍を見せたと思われるが当人たちの評価は少し違う。10月24日の公式戦最終戦で4安打の固め打ちで目標の打率2割5分台に乗せた。本塁打は20本の大台には届かなかったが1年目の成績としては及第点と言って差し支えない。だが本人は「大事な所で打てなかったですし、赤点をギリギリ超えた感覚ですね。それに守りでもだいぶ迷惑をかけたのでトータルでは落第点ですね」と厳しい自己採点。確かに368打席で102三振はリーグ最多、一塁の守備でも野手からの送球を落とすケースが少なくなかった。記録上は送球した野手にエラーが付いたが広沢が捕球して然るべきものが殆どだった。

伊勢打撃コーチによれば「プロのスピードについていけず苦労した。本人も悩んでいたが教える私も悩みましたよ。オープン戦から内角球に食い込まれ、外角の逃げるボール球に手を出して三振を喫するパターンを繰り返した。先ずは逃げるボール球を見極める選球眼を磨かなければ」と。伊勢コーチにとって広沢はまだまだ未完の大器で発展途上の選手だ。だが「間違いなく将来のウチの四番(伊勢コーチ)」と期待は大きい。一方で指揮を執った土橋監督は「彼の守備で負けた試合は4~5ゲームあった。本塁打も期待してた数より少ない。一塁レギュラーの渡辺を外してまで起用した期待には応えてないなぁ」と手厳しい。

こんな首脳陣の厳しい意見も広沢に対する期待の裏返し。「パワーだけならリーグでも3本の指に入る」と伊勢コーチは評価しており「あんなに力一杯のスイングをしなくても、ヤツなら軽く当てるだけでオーバーフェンスするよ」と土橋監督。だからこそ5日から始まった浜松での秋季キャンプでは広沢を重点的にシゴイテいる。鉄は熱いうちに打て、の言葉通り徹底的に鍛えている。「1年目は何から何まで勉強でした。将来は落合さんのように40本以上打てる打者になりたいです(広沢)」と熱く目を見開いた男は秋こそ勝負と心に決めている。



【 運命のドラフト当日:荒木大輔 】
あの時、荒木投手は東京・新宿にある早実で授業を受けていた。「当時はプロへ行く気は全くなかったです。早稲田大学へ行って神宮球場で投げるのが夢でした」と話す荒木だが、ドラフト会議ではヤクルトと巨人が1位指名入札をした。抽選の結果、ヤクルトが交渉権を得た。「どこに指名されてもプロ入りしない」と当初は交渉すら拒んでいたが松園オーナー自ら交渉に乗り出すと荒木の気持ちも微妙に揺れ出した。幾度かの交渉の末、荒木のヤクルト入団が決まった。「あの時に早大進学を決めていたら今の自分はないです」と3年目の今季に見事に開花した荒木は振り返る。早大志望の桑田君も荒木を見習ったら?

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