八百長依頼に首を振った山田
本拠地の西宮球場でのオールスター第2戦で山田投手が先発し、セ・リーグが誇る " スーパーカー打線 " を抑えて勝利投手となり米田投手、江夏投手と並ぶオールスター戦最多となる4勝目をあげた。この試合前、山田投手は捕手の野村監督に呼ばれた。野村監督は「なぁヤマよ、ワンちゃん(王選手)との勝負やけどヒットを打たせてやってくれんか。お前の立場からいえば許せんかもしれんが、天下の王がスランプで苦しんどるのはお前も知ってるやろ。打たせてやらんか」と言ってきたという。つまり " 片八百長 " の進言である。無論、野村監督が事前に王選手と話し合ってきたのではない。
王選手はそれまで球宴33打席ノーヒット。あの王選手がオールスター戦になるとからきし打てないのである。なぜ野村監督がそこまで王選手を案じるのか?何を隠そう野村監督自身がかつて球宴29打席ノーヒットを経験し周囲から何やかんやと言われ悩んだ過去があったからだ。それに対し山田投手は「そうですね、お祭りだから」とその場を繕ったが、かつて日本シリーズで逆転サヨナラ本塁打を浴び苦汁を飲まされたこともあり「正々堂々としなきゃならん」と思い直したという。結果は左飛。「落ちるシュートだった。それにしても今日の山田は速かったなぁ。負けても気分はスッキリした」と王選手。やはり勝負事は真剣が一番である。
昨シーズンのMVPで今シーズン前期のMVPでもある山田投手。ましてやその日は家族や親戚がスタンドで自分に声援を送って期待している。「王さんを抑えるところを観に来てくれているのだ」という思いが八百長?を拒否につながった。「ヤマのやつ、1球も気を抜いたタマを放ってきよらんかった。今、球界で一番安定感のあるピッチャーや」と野村監督。舞台はお祭りの試合だったが山田投手は阪急の、パ・リーグのエースであるという誇りと意地で王選手を抑え結局、その試合の優秀選手賞をがっちり手にしたのだった。
平山氏が第2故郷を満喫
フィーバー平山氏が上田監督、マルカーノ選手、ウイリアムス選手と久しぶりに対面した。平山氏はご存じ、かつての広島東洋カープの元選手で昭和40年に離日後、大リーグエンジェルスのスカウトを務めてマルカーノ選手などを阪急に紹介するなど阪急ブレーブス日本一の陰の功労者である。球団の招待で12年ぶりに日本の土を踏んだ。「日本人の体つきが大きくなった。でもまだまだ大リーガーと比べるとスピードとパワーは見劣りする。マルカーノは目を怪我していて心配だ」などなど束の間の第2の故郷を楽しみ満喫していた。
ルーキーの心境
足立投手がオールスター第2戦(西宮)のラジオ解説を務めた。「なかなか落ち着いてピッチング同様、間の取り方も上手いものです」と放送したラジオアナウンサーから褒められたが当の本人は「いやぁマイクの前に座ると緊張するね。試合時間がやたら長く感じた。やっぱり野球は見るもんじゃなくてやるもんだね」と冷汗かきっぱなし。なんでもTシャツの下の肌着は汗でビッショリ濡れていたとか。「試合中ならアンダーシャツを着替えることができるけど放送中はそうもいかず困りました」と19年目の大ベテランも初めて経験する事ばかりのルーキーの心境だったらしい。
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