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納戸の奥に眠っている箱を久しぶりに出してみると…
買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています

#39 堤義明の野望

2009年06月17日 | 1978 年 
前回触れたライオンズをめぐり西武の影がチラついてきました。当時 既に堤氏はアマチュアスポーツの
重鎮でしたがプロ野球界にも徐々に食指を伸ばし始めました。この年にオープンした横浜スタジアムの
建設にも関与したり、新球場(現在の西武ドーム球場)建設を発表するなど表舞台に姿を現してきました。
新球場建設の表向きの目的は「西武線沿線住民へのサービス」としていましたが、まともに受け止める
人はいませんでした。一般市民の為にしては設備が立派すぎるし、 新球場建設の発表が7月3日で
完成予定が翌年3月とプロ野球開幕に都合が良いスケジュールであることなどから、いきなりプロ野球に
参入するか否かは別としても関わりを持とうとしているのは間違いないと書いています。

「球団を買うという事は今のドラフト制度の下では有り得ない、ただ巨人なら話は別」 「でもドラフト制に
反対している人が6人集まれば新リーグができる」「60試合程度はプロの試合をやってもらいたい」等々
プロ野球が視野に入っているコメントです。アマチュア界の実力者である堤氏にとって実はプロ野球より
社会人野球参入が本当の狙いではないかという話があります。マスコミ記者との定例会見で、ドラフトが
あるプロ野球界では欲しい選手は獲得できないが社会人チームなら自由に交渉できる。松沼・石毛・中尾
さらにハワイ大のタツノも含めたドリームチームが作れる、と発言。さらにクラウンライターを買収すれば
江川の交渉権も付いてくる、10億円出しても元は取れると注目発言をしました。

この発言に世間は、プロ野球にドラフト指名された選手が何の実績も無い新興社会人チームに入る
わけがない。社会人球団・新球場・クラウンライター買収となれば莫大な金が必要で、いかに西武と
言えども無理だろうというのが大方の意見でした。しかし結果は全てやり遂げました。 江川を入団
させることは遂に出来ませんでしたが、松沼はライオンズに、中尾・石毛・タツノ はプリンスホテルに
入りました。以降、ドラフトで1位指名された有力高校生までもがプロを拒否してプリンスホテル入りし
その後ライオンズ入りしたことなどからプリンスホテルはライオンズの為のトンネル球団かとの批判が
出るほどでした。

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