見出しは派手ですが中身は最後の最後で「…しかし、讀賣側が再契約を申し出たらしい…」と
ウラが取れなかったのかトーンが下がりスクープを逃がしてしまいました。
「深く、静かに…」の言葉以外、何と表現したらいいのだろう。それほど親会社の讀賣新聞と関連会社、それと巨人球団との間で
幾度となく「ある話し合い」が行なわれてきたと言うのだ。「ある話」とは長嶋と王の去就である。最初は長嶋の周辺から始まり、
10月に入って本社筋から突然、長嶋を代えろとの声が出たというのだ。東京・大阪・西部 各讀賣新聞の重役会議が行なわれた
直後だった。寝耳に水の球団フロントは慌てて「長嶋の次は誰が…」とお伺いを立てると、特定の名前は出ず長嶋解任ありきの
話で後任は誰でもいい、とにかく長嶋をクビにしろという事だった。次第に長嶋を取り巻く状況にも変化が出始めたのである。
実は長嶋は今年も静岡県伊東市で秋季キャンプをやるつもりで、球団も11月いっぱい伊東スタジアムを押さえていて、受け入れ側の
伊東市も準備万端で待っていた。それが急にキャンセルとなり多摩川グラウンドで行なう事になったのだ。中止の表向きの理由は
多摩川に2千万円もかけてトレーニング施設を作ったので、それを使うと言う事だった。だが、その施設は伊東に行かないベテラン
選手が使う予定だったので伊東キャンプ中止の理由にはならない。「長嶋をクビにするのではないか…」球団内に不穏な空気が
漂い始めたのもこの頃だった。この手の話は必ず漏れ伝わるもので、この頃から長嶋の周辺に微妙な変化が現れ始めた。
長嶋擁護論が日本テレビ・報知新聞など長嶋人気が直接、営業に響いてくる系列会社から出てきたのだ。こうした声を受けて長谷川
球団代表が長嶋体制維持で動き始めた結果、本社筋も長嶋続投を了承したというのだ。ただし、過去2度の「3年契約」ではなく
「1年契約」とのこと。解任寸前まで追い込まれた長嶋に残された時間は少ない。来年は優勝する事が絶対条件で、V逸すれば
再来年は無い。来年が長嶋のユニフォーム姿を見られる最後の年になるかもしれない。
一方の王選手に関する記事は具体的な動きを掴んだものではなく、「雰囲気・匂い」程度の
域を出ていませんでした。
10月12日のヤクルト戦で神部投手から19年連続の30号を放ったものの、1年を通して本来のバッティングが出来なかった
姿を見て「ひょっとしたら王は引退するんじゃないか」との噂が流れたのも当然だ。こうした声に対して球団幹部は「王は球界の
至宝、彼の引退はもはや彼個人の問題で済まない。仮にその時が来たら本人から相談がある筈」と引退の噂を一笑に付した。
ところが別の球団幹部によると王は「今はシーズン中ですからプレーに集中します。今後の事はシーズンが終わったらじっくりと
考えて結論を報告します」 つまり事前の相談は一切しないという王の言葉に、この球団幹部は愕然としたそうだ。
「可能性は40%くらい有ると思いますよ、普段の話の中で微妙な事を最近よく口にするしね (某ベテラン選手)」 王は本心を
明かさない人間だから一体どうゆう結論が出て来るのか分からない。今のところ11月上旬に予定されている人間ドッグの後に
結論が出るのでは、という説が有力だ。「王は来季もバットを握るのか否か」長嶋監督続投が決まった巨人に残された最大の懸念の
結論は未だ出ていない。
翌週号は「長嶋監督辞任」 しかし、この号でも王選手は「来季に…」と
引退記事はボツとなり結局、2大スクープは幻に・・・
前に取り上げた「松沼兄弟・巨人入り」や「スパイ行為」等の記事など、かつての週べは
東スポ並みの勇み足的記事や球界暗部の追求記事も有り楽しく読む事が出来ましたが
徐々にNPBの広報誌であるかの様な無難で当たり障りのない記事が目立つようになるに
つれて買う回数も減っていき、今では立ち読みすらしなくなってしまいました。