
(承前)
「共生 Symbiosis」をテーマに掲げ、従来の野外美術展よりも環境との共生に重きを置いた新しい展覧会が苫小牧の森で始まり、アーティストトークの日にさっそく行ってきました。
出品者は、澁谷俊彦、末次弘明、中村修一、菱野史彦、半谷学の計5氏。
このうち、十勝と群馬の2カ所を拠点とする半谷さんがトーク当日は欠席しましたが、札幌圏で活動する他の4人が参加しました。
展示の中身よりも先に、ツイッターでもちょっと書いた、現地の行き方について説明します。
自家用車があれば問題ないのですが、いちばん近いバス停(道南バスの「白鳥湖」)から6キロも奥へと入ったところにあるので、車以外では、JR植苗駅からタクシーで行く以外にありません。
植苗駅は、苫小牧市内とはいえ、たいへん閑静なところなので、客待ちのタクシーはいません。駅舎の壁にタクシー会社の電話番号が貼ってあります(0144-34-6000 ともう1社)。ケータイから電話すれば15~20分で迎えに来ました。現地までは20分ほど、2600円前後です。
筆者は、往路の利用時に、帰りのタクシーを予約しました。
会場は、湿った場所もなく、傾斜もなく、下草も少なくて、自然の森の中としてはかなり歩きやすいです。
ただし、末次さんの作品は、他の4人の作品が設置してある場所から5分ほど歩いた奥にあるので、歩きやすい靴のほうがよいでしょう。
筆者が行ったあとで、颱風が来て、地面の様子なども変わっているかもしれません。
便宜的に、三つの記事に分けます。

シャープな金工作品を手がける菱野史彦さん「巡る」。
実は、ことし6月に札幌駅地下歩行空間(チ・カ・ホ)で開かれたグループ展「つながろう」にも出品されていたもの。
チ・カ・ホのは「人とつながる」、イコロの森は「自然とつながる」ということで、「割とコンセプトが近しいと思った」とのことです。
ただし屋外に展示するため、さびを防ぐウレタン塗装を施した上、チ・カ・ホのときは無かった台座が作品の下に置かれています。これも、鉄の作品を地面に直接置くと、腐蝕しやすいためだそうです。
菱野さんの作品は、ダイナミックな直線と、円の組み合わせが美しく、それ以上の解説はとくに要らないのでは無いかと思うのですが、円の内側が365の部分に分割されている―という話を聴いて
「ああ、1年という時間の循環を表しているのだなあ」
とあらためて感心しました。
内部に向かう線の長さが一定ではありません。これは、その日その日で感じる時間の長さの違いだということです。
春夏秋冬のサイクルを繰り返す森の中で、この作品も、時間と生命の循環を表現しているようです。
しかも、背景が「借景」のようになって見えるんですよね。
ここが、チ・カ・ホとの大きな条件の違いになるでしょう。

半谷学さんの「自然の傘 風のはじまり」。
作者がおられなかったのでくわしい話は聞けませんでしたが、この葉のような部分は、やはり気仙沼市の漁師からもらった、養殖のじゃまとして捨てられていた海藻からつくられているのでしょうか。
青空にそびえ立つ姿も美しいですが、森の中で、緑をバックにしたときのようすも良いです。
強い風が吹くと、それを受けて回るようです。
とコメントにありましたが、フェイク(偽)ニュースや差別言説が飛び交うインターネットの現状(惨状)が念頭にあるようです。

2019年9月14日(土)~20日(金)公開制作 / 9月21日(土)~29日(日)午前10時~午後4時半
イコロの森「森の学校」周辺 雑木林エリア(苫小牧市植苗565-1 www.ikor-no-mori.com )
9月22日(日)午後1時半からアーティストトーク
モデレーターは門間仁史道立旭川美術館主任学芸員
□公式Facebook ページ https://www.facebook.com › ikor.meetsart
【告知】
菱野史彦 HAMMERHEAD METAL(http://hammerheadmetal.web.fc2.com/index.html)
■つながろう2016 Hard/Soft
■アトリエBee hive展 2014
■菱野史彦ミニストーブ展(2014、画像なし)
■JRタワー・アートプラネッツ2012 楽しい現代美術入門 アルタイルの庭(画像なし)
■RISING SUN ROCK FESTIVAL 2002
半谷学 http://www.hangais.com/art.htm
■中庭展示Vol.12 半谷学 「花降りーFlower Fallー」(2019年4~9月)
■Post 3.11 in Sapporo 〜沈み行く記憶の淵で (2019年3月)
■帯広コンテンポラリーアート2016 ヒト科ヒト属ヒト
防風林アートプロジェクト (2014)
六花ファイル第3回収録作家作品展 「秋の漂い 冬の群れ 半谷学展」 (2013、画像なし)
2019年秋の旅(0) さくいん
「共生 Symbiosis」をテーマに掲げ、従来の野外美術展よりも環境との共生に重きを置いた新しい展覧会が苫小牧の森で始まり、アーティストトークの日にさっそく行ってきました。
出品者は、澁谷俊彦、末次弘明、中村修一、菱野史彦、半谷学の計5氏。
このうち、十勝と群馬の2カ所を拠点とする半谷さんがトーク当日は欠席しましたが、札幌圏で活動する他の4人が参加しました。
展示の中身よりも先に、ツイッターでもちょっと書いた、現地の行き方について説明します。
自家用車があれば問題ないのですが、いちばん近いバス停(道南バスの「白鳥湖」)から6キロも奥へと入ったところにあるので、車以外では、JR植苗駅からタクシーで行く以外にありません。
植苗駅は、苫小牧市内とはいえ、たいへん閑静なところなので、客待ちのタクシーはいません。駅舎の壁にタクシー会社の電話番号が貼ってあります(0144-34-6000 ともう1社)。ケータイから電話すれば15~20分で迎えに来ました。現地までは20分ほど、2600円前後です。
筆者は、往路の利用時に、帰りのタクシーを予約しました。
会場は、湿った場所もなく、傾斜もなく、下草も少なくて、自然の森の中としてはかなり歩きやすいです。
ただし、末次さんの作品は、他の4人の作品が設置してある場所から5分ほど歩いた奥にあるので、歩きやすい靴のほうがよいでしょう。
筆者が行ったあとで、颱風が来て、地面の様子なども変わっているかもしれません。
便宜的に、三つの記事に分けます。

シャープな金工作品を手がける菱野史彦さん「巡る」。
実は、ことし6月に札幌駅地下歩行空間(チ・カ・ホ)で開かれたグループ展「つながろう」にも出品されていたもの。
チ・カ・ホのは「人とつながる」、イコロの森は「自然とつながる」ということで、「割とコンセプトが近しいと思った」とのことです。
ただし屋外に展示するため、さびを防ぐウレタン塗装を施した上、チ・カ・ホのときは無かった台座が作品の下に置かれています。これも、鉄の作品を地面に直接置くと、腐蝕しやすいためだそうです。
菱野さんの作品は、ダイナミックな直線と、円の組み合わせが美しく、それ以上の解説はとくに要らないのでは無いかと思うのですが、円の内側が365の部分に分割されている―という話を聴いて
「ああ、1年という時間の循環を表しているのだなあ」
とあらためて感心しました。
内部に向かう線の長さが一定ではありません。これは、その日その日で感じる時間の長さの違いだということです。
春夏秋冬のサイクルを繰り返す森の中で、この作品も、時間と生命の循環を表現しているようです。
しかも、背景が「借景」のようになって見えるんですよね。
ここが、チ・カ・ホとの大きな条件の違いになるでしょう。

半谷学さんの「自然の傘 風のはじまり」。
作者がおられなかったのでくわしい話は聞けませんでしたが、この葉のような部分は、やはり気仙沼市の漁師からもらった、養殖のじゃまとして捨てられていた海藻からつくられているのでしょうか。
青空にそびえ立つ姿も美しいですが、森の中で、緑をバックにしたときのようすも良いです。
強い風が吹くと、それを受けて回るようです。
心に咲いている花を枯らさないように純水を求めて進むしかありません。せめて自分が起こす風くらいは 微風ながらも人の知的な働きを促すような風となることを望みます。
とコメントにありましたが、フェイク(偽)ニュースや差別言説が飛び交うインターネットの現状(惨状)が念頭にあるようです。

2019年9月14日(土)~20日(金)公開制作 / 9月21日(土)~29日(日)午前10時~午後4時半
イコロの森「森の学校」周辺 雑木林エリア(苫小牧市植苗565-1 www.ikor-no-mori.com )
9月22日(日)午後1時半からアーティストトーク
モデレーターは門間仁史道立旭川美術館主任学芸員
□公式Facebook ページ https://www.facebook.com › ikor.meetsart
【告知】
菱野史彦 HAMMERHEAD METAL(http://hammerheadmetal.web.fc2.com/index.html)
■つながろう2016 Hard/Soft
■アトリエBee hive展 2014
■菱野史彦ミニストーブ展(2014、画像なし)
■JRタワー・アートプラネッツ2012 楽しい現代美術入門 アルタイルの庭(画像なし)
■RISING SUN ROCK FESTIVAL 2002
半谷学 http://www.hangais.com/art.htm
■中庭展示Vol.12 半谷学 「花降りーFlower Fallー」(2019年4~9月)
■Post 3.11 in Sapporo 〜沈み行く記憶の淵で (2019年3月)
■帯広コンテンポラリーアート2016 ヒト科ヒト属ヒト
防風林アートプロジェクト (2014)
六花ファイル第3回収録作家作品展 「秋の漂い 冬の群れ 半谷学展」 (2013、画像なし)
(この項続く)
2019年秋の旅(0) さくいん