北海道美術ネット別館

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稚内ぶらり●抜海へ、冬の旅(19)

2025年02月21日 19時21分02秒 | つれづれ写真録
(承前)

 稚内のマチは、西條などのある南のほうは平地に広がっていますが、ノシャップから稚内駅をへて南稚内駅のあたりまでは縦に細長い形状をしています。
 以前も書きましたが、稚内駅や市役所のあたりは、メインの道路が縦に4本しかありません。

 バス通り―アーケード街―国道―副港通り

です。
 札幌でいえば、創成川と駅前通りの間ぐらいの狭い幅の街区が南北に長ーく伸びているのです。

 ただし、これまで稚内の商業をリードしてきたであろうアーケード街は、すっかり空き店舗が多くなっています。
 筆者が歩いたときは、人通りもほとんどありませんでした。

 アーケード部分にロシア語で店名が書かれています。
  





 横道に入ると古い建物が目立ちます。



 国道沿いに、営業をやめてしまっているとおぼしき大きなホテルの建物がありました。 


 稚内の道路標示には、日本語と英語のほか、ロシア語を併記しているものがみられます。


 
 都市間バス「わっかない号」は、宗谷バスと北都交通の共同運行で、札幌と稚内を1日6往復結んでいます。
 うち1往復は夜行便です。

 道内の都市間バス網は中央バスが運行に加わっている場合が多いのですが、この「わっかない号」は、中央バス連合には入らず、道内各地に新規参入している北海道バスとも関係ないという、独特のポジションです。
 ネットで事前に購入すると1割引きになるのも珍しく、一般6030円で、紙のチケットは不要です。
 
 
 ただ、これはあくまで筆者の印象に過ぎないのですが
「どうしてこんなに飛ばすんだろう」
というのが、まず抱いた感想でした。

 国道40号バイパスなどでも、前を走る車をどんどん追い越していきます。
 幌延から国道232号(いわゆる日本海オロロンライン)を南下していくのですが、信号もカーブもごく少ない道路だけに、とにかく速いのです。

 幌延と留萌の中間にある羽幌町のサンセットプラザで、1回目の休憩時間。ホテル内のお手洗いを借りました。
 運転手は客の人数も数えないうちに、予定よりも5分も早く出発してしまいました。
 乗客が少なかったので、置き去りにされた人はいなかったようですが、ちょっと怖いと感じました。
 このあたり、中央バス系との「文化」の違いを感じざるを得ません。
 
 
 留萌から高速道路に乗り、もう1回、たしか砂川かどこかのパーキングエリアで休憩のため停車しましたが、筆者は車からおりませんでした。

 札幌で高速を降りた後、苗穂駅前でとまったものの、降りる客はいませんでした。
 その次のバスセンターで筆者を含む数人が下車しました。
 このとき午後10時15分。稚内から5時間35分で、冬道だというのに、予定よりもすこし早く着きました。


 以上で、抜海駅への旅は終わりです。
 長い間、読んでいただき、ありがとうございます。
 この後、稚内の野外彫刻の記事を続けるかもしれません。

 個人的な話ですが、これまで行ったことがなかった稚内市・宗谷岬に初めて行き、最北端の記録も大きく北へのばすことができたのは収穫でした。
 また、豊富、幌延、天塩、遠別、初山別の5町村は、初めての通過です。
 これで、道内179市町村のうち一度も、足を踏み入れたことも通過したこともない市町村は、離島の4町と、泊、神恵内、積丹、鹿部、猿払の4町村の計9町村のみとなりました。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2025-02-22 10:26:05
宗谷への旅お疲れさまでした。
稚内まではさすがに行くことが出来ないので、楽しく拝見させていただきました。
今回の抜海駅の廃止は私も非常に残念に思います。
抜海集落の寂しさと対照的に宗谷岬の賑やかさには驚きました。
返信する
こんにちは (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2025-02-22 11:56:01
長篇をお読みいただきありがとうございました。
稚内は遠いし、抜海で列車に乗るのはもっと困難ですもんね~。
そういえば、宗谷岬のにぎやかな写真(といっても大半の店などは閉まっていた…)をアップしていなかったので、追加しようと思います
返信する

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