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北海道美術ネット別館

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■鈴木悠高展-Evolution-vol.3 (11月1日で終了)

2008年11月05日 21時40分07秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 北海道抽象派作家協会の同人として年2回の同協会展に出品、ことしは新道展でも入選した上、各種グループ展にも名を連ねるなど、非常に精力的に制作・発表をこなしている札幌の若手画家、鈴木さんの個展。今回も黄色の濃淡だけからなる抽象画を展示しています。

 まず鈴木さんとみなさんに謝らなくてはいけないのは、ピントが極端に合わせづらいために、撮影が失敗していることです。 

 会場は大きく二手にわかれ、手前には、先日の新道展の出品作(下の画像)が、奥には、新作が展示されています。
 手前の作品が、キャンバス3枚を、すき間を詰めて並べているのに対し、奥の新作は、3つのキャンバスを、3方の壁に離して展示しているのが大きなちがいです。


           


 それぞれの壁のキャンバス、床の色、そして手前に配置されたいすがあいまって、ひとつの緊密な空間を形成しています。このいすは、けっしてでたらめに置かれているのではなく、いわば一種の平面インスタレーションを引き締める大きな役割を果たしているのです。

 もう1点ちがいを挙げれば、手前の作品の方が、画面の中で、明度の差が大きいこと。
 新作のほうがややフラットな感じがあります。
 いずれにしても、「レイヤー(層)」という数えかたでいけば、数十回さまざまな色が塗り重ねられてできた画面です。黄色を数回塗っただけでは、とうていこの深みは出てこないでしょう。
 画面には具象物はおろか、線もまったくひかれた形跡がありません。ただ、茫漠とした明暗が、不規則に全体を覆っています。

 会場では鈴木さんといろいろな話をしました。
 マーク・ロスコや難波田龍起の絵が好き-という鈴木さん。「光を描きたい。だからといって金箔を貼ったりするんじゃなくて、フェルメールの絵が持っているような、絵そのものが光り出すような、そんな光を」という意味のことを語っていました。
 たしかに、召使いが注いでいるミルクは、ふしぎと光を帯びています。ミルクは永遠に注がれているようです。それどころか、周囲に置かれたパンも光っています。あれは、絵画の奇蹟なのだと思います。
 あとは、ポロックの話。一見アドリブの集積に見える彼の絵は、じつは周到な計算のもとに構成されている-ということで意見が一致しました。

 「黄色を10年はやりたい。始めて2年なので、まだまだやることはある」
と、しばらくこの路線でいくようです。


2008年10月27日(月)-11月1日(土)10:00-18:00(最終日-17:00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A

第32回北海道抽象派作家協会秋季展(08年10月)
第三十五回北海道抽象派作家協会展(08年4月)
鈴木悠高展 The following world of evolution(07年)


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