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秋山沙走武「泉」 岩見沢の野外彫刻(3)

2020年06月14日 14時57分00秒 | 街角と道端のアート
(承前)

 秋山沙走武あきやま す す む さん(1930~2001)は、長く道教大函館校で教壇に立ちながら、全道展で活動した彫刻家。
 先に紹介した鈴木吾郎さんの彫刻が立っている橋にほど近い、「こぶし広場」と呼ばれているところにある作品です。
 

 秋山さんは「乾漆」という技法による作品で知られていました。
 岩見沢の野外彫刻を紹介する市のサイト「Fine Museum ~晴れの日の美術館~」にも「乾漆」と明記されていますが、果たして屋外の長期間保存に耐えうるものなのかどうか、筆者には判断できかねます。

 同サイトによると、1988年に北門信用金庫(滝川)から寄贈されたものとのこと。
 同信金は、秋山沙走武作品のコレクションをたくさん有し、2007年に札幌支店でそれを見たことがありますが、いまどうなっているのかは確認のしようがありません。

 「泉」はオーソドックスな裸婦像ですが、一般的なものと異なるところをさがすとすれば、立像ではなく、いすのようなものに腰掛けていることでしょう。
 両腕をあげて前髪をいじっており、上方の空間にひろがりを与えています。
 下半身では、片方のももを軽く上げることで、こちらもひろがりと運動感が出ています。
 腕や脚はやや細め。すこしうつむきかげんの首が、全体にしっとりとした感じを醸し出しているように思えます。


 それにしても、岩見沢の野外彫刻は、他都市に比べると人物が多いのでしょうか。
 2019年春に見て、このシリーズで紹介する5点はいずれも人物像です。


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