グループ水煌(すいこう)は、サイトによると、「道展の水彩部門出品者のうち、抽象、心象の傾向がある」5人のグループ。
2007年の第1回とおなじ、斉藤洋子、深山秀子、樋爪洋子、栗山巽、竹津昇の5氏が出品している。
水彩といえば、英国調の透明な写実風か、道彩展に多いフォービズム調が多い(少なくても道内では)なかで、異色の画風ぞろいといえる。
このなかでいちばん驚かされたのは栗山さんの作品。
「盛夏1」は、3枚の紙を横につなげており、100号は超えそうな大作だ。
栗山さんが抽象に転じたのはここ10年ほどのことで、近年は、大宇宙の広がりを思わせる美しい群青の濃淡を中心とした作品が多かったと思う。
しかし、今回は、青、赤、緑の3色が画面でせめぎあっているのだ。
それぞれの色の領地は拮抗し、地図のように画面を覆っている。そして、それぞれの中でも微妙な濃淡が見る人の目を離さない。
その間を、赤を主に、紫やピンクをまじえたやわらかな線が、牧場の柵のように、画面をゆるやかによぎっていく。
さらに、丸く切り抜いた白い紙や発泡スチロールを随所にはりつけている。
群青や濃紺という色彩に依存しなくても、さらなる宇宙の広がりをじゅうぶん表現しえていると思う。
栗山さんは70歳を超えたベテランのはずだが、なお新しい境地に向けてチャレンジをやめない姿勢には頭が下がる。
ほかに「盛夏2」。
斉藤洋子さんは、日高地方にお住まいのためか、馬がよく画面に登場する。
「馬服の日」という奇妙な題をもつ作品は、葉のない木の下に馬が1頭たたずむ光景を描いた縦の絵。画面全体をレモンイエローの線と白い模様が覆い、祝祭のような華やかさ。
これは早春の花なのかもしれないが、そういう描写や説明を超えて、はなやかな作品なのだと思う。
ほかに「さびしい馬たち」「うら山にて」「赤い花たち」と、ことし2月に北海道新聞の生活面に連載された童話「おばあちゃん」の挿絵全8点の原画を出品。
樋爪洋子さんは、比較的写実に近い静物画から、ほとんど抽象画に近いものまで画風に幅がある。
今回は、「街は夜」「夜」といった、暗色を多く用いた作品が目を引いた。
「秋への頃」「卓上」も出品。
深山秀子さんは、ラフな筆致の四角形を重ねて冬の叙情を表現している。
「こぼれゆき」「ゆきもよう」「じぐれふる」「はるあさく」など。
ものすごいペースで制作、発表に取り組んでいる竹津昇さんは「屋根裏」「サイロ」を出品。
この5人の中ではかなり写実に近い画風だが、しかし、竹津さんの狙いは、ものを写生することよりも、筆蝕によって物の存在感のようなものを表現しようとするあたりにあるように思えてきた。
筆の震えが、世界の存在論につながっているのだ。
2009年8月31日(月)-9月5日(土)10:00-18:00(最終日-17:00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A)
□グループ水煌 http://www.geocities.jp/madrid2002jp/suikoutop.html
■第1回(2007年)
2007年の第1回とおなじ、斉藤洋子、深山秀子、樋爪洋子、栗山巽、竹津昇の5氏が出品している。
水彩といえば、英国調の透明な写実風か、道彩展に多いフォービズム調が多い(少なくても道内では)なかで、異色の画風ぞろいといえる。
このなかでいちばん驚かされたのは栗山さんの作品。
「盛夏1」は、3枚の紙を横につなげており、100号は超えそうな大作だ。
栗山さんが抽象に転じたのはここ10年ほどのことで、近年は、大宇宙の広がりを思わせる美しい群青の濃淡を中心とした作品が多かったと思う。
しかし、今回は、青、赤、緑の3色が画面でせめぎあっているのだ。
それぞれの色の領地は拮抗し、地図のように画面を覆っている。そして、それぞれの中でも微妙な濃淡が見る人の目を離さない。
その間を、赤を主に、紫やピンクをまじえたやわらかな線が、牧場の柵のように、画面をゆるやかによぎっていく。
さらに、丸く切り抜いた白い紙や発泡スチロールを随所にはりつけている。
群青や濃紺という色彩に依存しなくても、さらなる宇宙の広がりをじゅうぶん表現しえていると思う。
栗山さんは70歳を超えたベテランのはずだが、なお新しい境地に向けてチャレンジをやめない姿勢には頭が下がる。
ほかに「盛夏2」。
斉藤洋子さんは、日高地方にお住まいのためか、馬がよく画面に登場する。
「馬服の日」という奇妙な題をもつ作品は、葉のない木の下に馬が1頭たたずむ光景を描いた縦の絵。画面全体をレモンイエローの線と白い模様が覆い、祝祭のような華やかさ。
これは早春の花なのかもしれないが、そういう描写や説明を超えて、はなやかな作品なのだと思う。
ほかに「さびしい馬たち」「うら山にて」「赤い花たち」と、ことし2月に北海道新聞の生活面に連載された童話「おばあちゃん」の挿絵全8点の原画を出品。
樋爪洋子さんは、比較的写実に近い静物画から、ほとんど抽象画に近いものまで画風に幅がある。
今回は、「街は夜」「夜」といった、暗色を多く用いた作品が目を引いた。
「秋への頃」「卓上」も出品。
深山秀子さんは、ラフな筆致の四角形を重ねて冬の叙情を表現している。
「こぼれゆき」「ゆきもよう」「じぐれふる」「はるあさく」など。
ものすごいペースで制作、発表に取り組んでいる竹津昇さんは「屋根裏」「サイロ」を出品。
この5人の中ではかなり写実に近い画風だが、しかし、竹津さんの狙いは、ものを写生することよりも、筆蝕によって物の存在感のようなものを表現しようとするあたりにあるように思えてきた。
筆の震えが、世界の存在論につながっているのだ。
2009年8月31日(月)-9月5日(土)10:00-18:00(最終日-17:00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A)
□グループ水煌 http://www.geocities.jp/madrid2002jp/suikoutop.html
■第1回(2007年)