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置戸コンテンポラリーアート(2) 玄関

2012年08月22日 19時26分45秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
(承前)

 実際の鑑賞の順番と前後するかたちになるが、置戸コンテンポラリーアートの会場となった旧秋田小の玄関ホール附近にあった作品の紹介をしていこう。

 冒頭は、橘井裕さん(札幌)「絶滅危惧種(2匹)」。

 鉄でできたコウモリの彫刻が2羽、玄関前の松の木の枝からぶら下がっているのだが、気づかない人もいたようだ。
 1羽は羽を閉じて、もう1羽は羽を広げている。

 橘井さんは錆びた鉄でユーモラスな彫刻を発表している。

 


 実行委の事務局として展覧会を支えるにあたって大きな力のあった松井淳紀さん(置戸)の「白くまベンチ」。
 「ご自由にすわってください」
とただし書きがあり、気軽に利用した人も多かったようだ。
 題の由来を尋ねると
「シロクマに似ていませんか?」。

 松井さんは「足音の景観」と題する造形作品も、階段の踊り場に設置していた。




 鈴木隆さん(十勝管内中札内村)「笑い声が聞こえる」。

 地元での個展が終わったばかりで、ちょうど置戸と同時期に札幌でも個展を開くなど、今年は精力的な活動が目立つ鈴木さんだが、今回のインスタレーションもなかなか。
 階段下の狭い倉庫のようなスペースが、作品をさらに良いものに見せているといえるだろう。
 毛皮の上に置かれた胎児は、夢みながら、これから訪れる人生に向けて待機の姿勢を取っているのだろうと思った。




 玄関を入ってすぐ、階段に上るところの柱の四囲を取り巻くように設置された相原正美さん(帯広)の木の作品「Compass」。
 どの方向から見ても楽しめる。
 四つの方角すべてで形状が異なる(素材の木も異なるようだが)、ということは、いわば、正面性のない彫刻。しかも、非常に平面的である。

 足の部分が意外と大きく出っ張っており、廊下を急ぐ人がつまづいていたようだ。


 梅田マサノリさん(帯広)「それでも作ること」。

 「真正閣の100日」では、事務局として八面六臂ろっ ぴ の活躍ぶりだった梅田さん。
 今年は、札幌・ギャラリー門馬ANNEXで個展を開催したばかり。

 毛皮や角などで、架空の動物の頭骨をこしらえたような作品だ。


2012年8月3日(金)~12日(日)10am~5pm
旧置戸町立秋田小学校


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□相原正美さんのブログ http://blog.goo.ne.jp/masamimico/
□サイト http://www.tokachi-tom.net/masamico/



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