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■秋山知子展 のはらのころ(2020年6月24日~7月12日、札幌)

2020年07月11日 12時40分00秒 | 展覧会の紹介-彫刻、立体
 秋山知子さんは、筆者の記憶に誤りがなければ札幌の道展会員で、道展には人物彫刻を出品しています。 
 正統派の裸婦というよりは、どこか素朴な雰囲気を漂わせる人物像をつくるという印象がありますが、難解な作品ではありません。

 ところが個展では、前回(2018年)から、ガラスによる小品を発表し始めました。
 道立近代美術館で開かれたガラスの展覧会で、扇田克也さんの作品などを見てあこがれたのがきっかけだそうです。近年になり、鋳造ガラスを手がける講師が札幌に転居してきたため、本格的に始めるようになりました。
 FRP による人物彫刻をやめてしまったわけではないとのこと。

 題名のない27点。
 うち12点は、ご本人が「山」とおっしゃる、山岳のかたちをした作品。
 あとは、首や、シンプルな人物。
 すっかり透明なものもありますが、うっすら緑や黄色の着彩がほどこされたものが多いです。

 ガラスという素材のあたたかみと、やさしい色合いがじゅうぶんに生かされています。
 立体ですから、角度によって見え方が違ってくるのは当然なのですが、光の入り方による色の変化も楽しめます。

 時として小さい作品は趣味的・手すさび的な感覚を与えることがありますが、秋山さんの作品は、小さくても堂々としているというか、広がりをもっていると思います。手の中に入れていつくしみたいぐらいかわいいのに、スケール感もちゃんとあわせもっている作品です。
 人物と、ちいさい抽象とを、おなじ台の上に載せている作があり、物がふたつあるとなにがしかの空間のドラマが生まれてくるのが興味深かったです。


2020年6月24日(水)~7月12日(日)正午~午後6時(最終日~5時)、月・火曜休み
ギャラリーミヤシタ(札幌市中央区南5西20 www.gallery-miyashita.info )


関連記事へのリンク
22時の庭 秋山知子彫刻展 (2015)

(以下、画像なし)
秋山知子展 「しずかにわたす」(2004)
第77回道展 (2002)
さっぽろ美術展(2001)




ギャラリーミヤシタへのアクセス(西18丁目駅からの道順)

・地下鉄東西線・西18丁目駅から約690メートル、徒歩9分


・市電「西線6条」から約820メートル、徒歩11分。同「西15丁目」から約1キロ、徒歩14分(「西15丁目」電停は、地下鉄東西線「西11丁目」「西18丁目」で乗り継ぎができます)

・ジェイアール北海道バス「53 啓明線」(JR札幌駅、大通西4-西11丁目駅-啓明ターミナル)で「南3条西20丁目」降車、約330メートル、徒歩5分
・ジェイアール北海道バス「51 啓明線」(同)で「南6条西16丁目」降車、約580メートル、徒歩8分

・ジェイアール北海道バス「循環啓55」「循環啓56」「循環啓65」「循環啓66」で「旭山公園通西18丁目」で降車、約650メートル、徒歩9分


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