ギャラリー創ことし最後の展示は、写真展でしたが、一般的な写真とはかなり様相が異なった作品でした。
ぱっと見ただけでは、抽象画のようにも見えます。
いまだから正直に書きますが、コンセプトを聞いた当初はあまり興味を抱いていませんでした。というのは、街角の壁などを正面から撮った写真というのは、わりとよく見かけるからです。
しかし、今回の写真展は半端なものではありませんでした。
きけば標準もしくは望遠レンズで、やや露出明るめに、札幌などの建物にカメラを向けているとのこと。広角レンズは像がゆがむので使わず、画角の中の直線が周囲の四辺ときっちり垂直・平行になるように、フォトレタッチソフトで調整するということでした。
「明るめに補正することが多いです。かつて建築関係の仕事をしていたこともあって、自分の目には建物がこんなふうに見えているんです」
一点ずつの題はついていません。
冒頭画像の右から2番目は、壁から突き出ている排気ダクトなどを望遠レンズでとらえ、右側の空間を白く飛ばしています。
壁の微細なざらつきなどが強調され、むしろ非現実的・超現実的な様相を呈しています。
会期が終わってから言うのもなんですが、実物をぜひ見てほしい展覧会でした。
これが2年ぶり2回目の写真展なので、次回に期待したいところです。
2023年11月25日(水)~12月17日(日)午前11時~午後6時、火曜休み
ギャラリー創(札幌市中央区南9西6)
ぱっと見ただけでは、抽象画のようにも見えます。
いまだから正直に書きますが、コンセプトを聞いた当初はあまり興味を抱いていませんでした。というのは、街角の壁などを正面から撮った写真というのは、わりとよく見かけるからです。
しかし、今回の写真展は半端なものではありませんでした。
きけば標準もしくは望遠レンズで、やや露出明るめに、札幌などの建物にカメラを向けているとのこと。広角レンズは像がゆがむので使わず、画角の中の直線が周囲の四辺ときっちり垂直・平行になるように、フォトレタッチソフトで調整するということでした。
「明るめに補正することが多いです。かつて建築関係の仕事をしていたこともあって、自分の目には建物がこんなふうに見えているんです」
一点ずつの題はついていません。
冒頭画像の右から2番目は、壁から突き出ている排気ダクトなどを望遠レンズでとらえ、右側の空間を白く飛ばしています。
壁の微細なざらつきなどが強調され、むしろ非現実的・超現実的な様相を呈しています。
会期が終わってから言うのもなんですが、実物をぜひ見てほしい展覧会でした。
これが2年ぶり2回目の写真展なので、次回に期待したいところです。
「街は日々新しい側面を見せてくれる。たとえ、私たちが馴染みのある街だと思っていても。ある日のある瞬間に、何かのきっかけで浮かび上がる光景。
それは時間の経過で現れたのか、光の移ろいに縁取られたのか。私たちがそれまでに通り過ぎ、見過ごしていた光景に気付いただろうか。
街ではいつも新たな出会いの気配がある。 近藤マリア ルイーザ明子」
“Passing by
The city shows us
a new view every day.
Even if we think of it as a familiar place,
a new scene emerges at a certain moment on a certain day.
Was it revealed
by the passage of time,
or was it outlined by the shifting light?
Or did we just notice
a scene that we had passed by and overlooked until then?
There are always
hints of new daily encounters in the city.
Maria Luiza Akiko Kondo”
2023年11月25日(水)~12月17日(日)午前11時~午後6時、火曜休み
ギャラリー創(札幌市中央区南9西6)
抽象写真が割と苦手なのですが、この展覧会は良かったと思っています。
単なる壁と言えば壁ですが、見ていてつまらなくないんです。
こういう展覧会を見ると、写真と言っても「作品」というのは人それぞれだなと思います。
方法論としてはそれほど珍しくないと思いますが、ここまで徹底している人はごく少ないですよね。まわりの風景や文脈を捨象されて、壁の表面だけが見えるのが面白いです