
この世界のどこか。
小さな森の中で、
紡がれたそれぞれの物語。
月に照らされた湖面、
花から落ちる朝つゆの雫、
風にそよぐ木漏れ日の道、
どうぶつ達の足おと。
ぜひお気に入りの物語を
見つけてみてください。

北海道に暮らす6人の作家によるグループ展です。
四季の美しさを感じながら、自然や動物をモチーフに、
木工作品やアクセサリーをつくっています。
ひとつひとつ手作りされた作品の温もりを、感じていただけたら嬉しいです。
以上の引用2カ所は、案内はがきに印刷されていたテキストです。
これらの文章が、ほとんどを物語っているように感じます。
クラフトなどを売っているお店の一角の、むしろ手狭なくらいの小さなスペースですが、見ていると心がとってもあたたまるような、そんな展覧会です。
子どもの頃、心の中に想像していた童話の森が、コンパクトになって、そっくりそのまま現れたかのような気持ちになりました。
同時開催の写真展は、壁の上のほうに9点ほどが並んでいます。
会場には、工房の名前のほかに、作者の名も記してありますが、案内はがきには書いてありません。

手前に並んでいるのは、板でできた本のしおり。
これ、買ってくれば良かったなあ。
ふたにキツネの上半身が、ふたをあけると下半身が見える仕掛けの箱は「watari.」さんの作品。
ほかに「ういるびい工房」のスツールや、アクセサリーもいろいろありました。


筆者は、文月ふみさん名義でときどきツイッターにアップしている写真が好きなので、そのために永山まで足を伸ばしたようなものですが、そのタイプの写真が、左側に1枚ありました。
夜明けか薄暮の海辺で、ランプを抱いた白衣の女性が腰掛けている情景をとらえています。
文月さんの写真は、分類するとコンストラクテッドフォトということになるのかもしれませんが、奇抜な画面を構築しようというよりも、心の癒やされる場面をそっと提示しているような感じを受けます。
ほかの写真も、冬枯れの野原など、独特の美しさに満ちています(朔さんなどの写真もあります)。
文月みのりさんは「小さなアトリエ 灯り樹」の名で、動物をかたどった一輪挿しなどを出品していました。
その下に置かれた「森のカメラ」は、「アトリエ風ぽっか」さんが、1939年米国製の中古カメラを、木の質感を生かして改造したもの。
35ミリフィルムを入れて、写すことができるそうです。
その右側には、ホタルの置物が飾ってありました。
2枚目の写真には、「朔」さんが作った「月の灯り」が置かれています。
非売品とのことですが、見ていると気持ちがほっこりしてきます。


壁には映像も投映されていました。
小さなアトリエ 灯り樹 https://akarigi23.wordpress.com/
「文月みのり 灯り樹」のツイッター @akarigi23
watari. ツイッター @watari_ki
(今回の展覧会をまとめた映像はこちら)
ういるびい工房 インスタグラム @m.willbe2020
過去の関連記事へのリンク
■陶芸家 陳野原久恵と木彫作家 文月みのりの二人展「日々の隣に」(2017)
2021年10月2日(土)~11月10日(水)午前10時~午後7時(水、木曜は~午後5時)
palemta shop & gallery (旭川市永山2の10 https://palemta.net/ )
・フィール旭川前の「1の7」(18番乗り場)から道北バスの62、63、70(当麻線)、71(愛別線)に、22番・23番乗り場から75系統に乗り「永山2の10」で降車しすぐ。旭川デザインセンターの敷地内
・JR永山駅から約2.5キロ、徒歩30分