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北海道美術ネット別館

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■池田緑 1993-2008現代美術展 (6月29日まで)=続き

2008年06月20日 21時34分33秒 | 展覧会の紹介-現代美術
承前

 冒頭の画像は、奥が、1998年のアジアプリントアドベンチャー(道立近代美術館)の展示の再現。
 手前が、越後妻有アートトリエンナーレで発表した「家の年輪プロジェクト キノさんの家の場合」。



 30本の透明なアクリルパイプの中に、約80年間の日付が、1日1日刻印されたテープが入っている。
 長い年月を可視化した-ともいえそうな、壮大な作品だ。
 日付の始まりは、長野県の松代(まつだい)にある柳キヌさんの家が建った時点。
 ただ、正確な日付は役場などでもつきとめられず、「大火のあとで普請した-というので、そのあたりにしました」。
 このプロジェクトは、キヌさんの家がある限り続くという。

 おなじコンセプトの作品として、池田さんが1943年(昭和18年)に生まれてから60年間の日付をテープに印字して透明なパイプにおさめたものもあるが、これは現在、道立帯広美術館に収蔵されており、今回は出品されていない。
 また、生まれてから1年間だけのミニ版は、平原社展(十勝の公募展)に出品し、今回も展示されている。
 池田さんは、日本統治下の朝鮮の陸軍官舎に生まれた-という出自にこだわり、その意味について考えているのだと思う。


           

 さて、時系列的にはさかさまになってしまったけれど、この画像は、1995年の第3回さっぽろ国際版画ビエンナーレ(道立近代美術館)で入選した、シルクスクリーン作品「ALLICE'S PUZZLE」。
 それまで油彩に取り組んでいた池田さんにとっては「大きな転機」となる作品だ。
 この後、この版画は、タブローではなくて、アクリルの筒に入れられインスタレーション的な展開を示すことになる。


           

 ジーンズをテーマにした平面インスタレーション。
 キャンバス30枚からなるものと、8枚からなるものが、「市民ギャラリー」の奥の壁に展開されている。

 時間がなくて「うなかがめーゆの美術館」には立ち寄れなかったのが残念。

 それにしても、この会場で個展を開く女性は、富田知子、藤野千鶴子、北口さつき、高橋靖子…と、さっそうとしてカッコイイ人が多いような気がする。


 なお、「30日まで」となっている案内状がありますが、30日は月曜なので、「29日まで」が正解です。
 ただ、30日の午前中に来ても、見られるかもしれません(たぶん搬出作業中だと思われますが)。


08年6月17日(火)-29日(日)10:00-18:00、月曜休み
アートホール東州館(深川市1条9、深川駅前)・うなかがめーゆの美術館(深川市9条17-44)

□池田さんのサイト http://www.ima.me-h.ne.jp/~ikeda.midori/


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