ほんとうは道展そのものについて早いとこ書くべきなんでしょうけど、会場に行ったら、遺作が6点も展示されていたので、記録しておきます。
油彩会員の小川清さん、今野隆二さん、高橋康夫さん、橋本禮三さん、会友の中村國夫さん、水彩会員の宮川美樹さんです。
このうち宮川さんについては、1月に記事をアップロードしていますので、のこる5人について、いささか失礼かとは思いますがまとめて記しておきます。
小川清さんは1934年(昭和9年)小樽生まれ。
61年、道展で奨励賞を受け、64年に協会賞。65年に新会友、68年に会員になりました。
75年には一水会の会員に推挙されましたが89年に退会しています。
小川さんといえば、地元小樽のミニコミ「月刊おたる」の表紙で知られています。
43年間にわたり実に490回も小樽の風景を描き続けました。
会場に展示されていた「荒巻山界隈」などからわかるように、さまざまな街角を題材にした「これぞ小樽派」という写実的な画風でした。
1月26日死去。
■小樽風景・個性の響き (2009)
■40周年小樽美術協会展 (2008)
小樽 美術家の現在シリーズ1 小川清展 (2006)
※以上画像なし
今野隆二さんは1926年(昭和元年)利尻島の香深生まれですが、筆者には稚内の画家というイメージが強いです。
1948年、東光会に初出品入選を果たし、55年に会友、57年に会員に推挙されていますが、87年に退会しています。
道展には57年に初入選。89年に会員となっています。
今野さんも穏当な写実的な風景画が持ち味でした。
晩年、札幌に転居。札幌の絵画好きには「グループ環」のメンバーとして親しまれていたと思います。
1月7日死去。
■第10回グループ環絵画展(小品展併催)=2009
■第8回“グループ環”絵画展 (2007)
第4回“グループ環”油彩展 (2003)
高橋康夫さんは釧路の風景をダイナミックに描く画家でした。
1936年(昭和11年)、オホーツク管内清里町生まれ。
59年、北海道学芸大(現北海道教育大)釧路校卒。
一水会では1982年、94年、2000年、04年に佳作賞を受けています。08年に一水会記念賞を受けて会員に推挙され、16年には委員に推挙されています。
道展には67年初入選。89年に会友になり、92年に会員に推挙されました。
2月24日死去。
高橋康夫油絵個展(2003)
第76回道展 (2001)
※以上画像なし
橋本禮三さんもグループ環の結成メンバーです。第1回から14回まで皆勤でした。
1930年(昭和5年)札幌生まれ。
道展の初入選は42年、なんと小6のときでした。
47年には大衆賞、48年に奨励賞、49年に銀嶺荘賞を受けています。
その後も道庁勤務のかたわら絵筆を執り、62年に道展会員に推挙されました。
橋本さんは、道庁赤レンガなどを描くこともありましたが、教育文化会館など新しい建物もよく題材にしていました。「いまの札幌」を、臆せずに、おおらかなタッチで描く人でした。
9月6日死去。
■第10回グループ環絵画展(小品展併催)=2009
橋本禮三「緑園」 (2008)
■第8回“グループ環”絵画展
第4回“グループ環”油彩展 (2003)
いままで述べてきた4人はいずれも穏やかな写実の風景画を主に描く画家でしたが、中村國夫さんは、写実的でありながらも、頭骨と西洋の風景といった異質な要素を組み合わせた画風で、ちょっと異なります。
世代的にも、1943年(昭和18年)とやや若い方です。
旭川を拠点に、道展のほか新ロマン派美術協会や一線美術で活躍しました。
筆者には一線展のほうが印象に残っています。
4月5日死去。
■一線美術会第32回北海道支部展 (2014)
■第28回 一線美術会北海道支部展 (2010)
■一線美術会第26回北海道支部展(2008)
一線美術会第22回北海道支部展 (2004)
一線美術会第21回北海道支部展 (2003)
一線展 選抜展■第20回北海道支部展 (2002)
※以上画像なし
写実系の絵画の方がほとんどというのも不思議な感じがします。
ご冥福を祈ります。
油彩会員の小川清さん、今野隆二さん、高橋康夫さん、橋本禮三さん、会友の中村國夫さん、水彩会員の宮川美樹さんです。
このうち宮川さんについては、1月に記事をアップロードしていますので、のこる5人について、いささか失礼かとは思いますがまとめて記しておきます。
小川清さんは1934年(昭和9年)小樽生まれ。
61年、道展で奨励賞を受け、64年に協会賞。65年に新会友、68年に会員になりました。
75年には一水会の会員に推挙されましたが89年に退会しています。
小川さんといえば、地元小樽のミニコミ「月刊おたる」の表紙で知られています。
43年間にわたり実に490回も小樽の風景を描き続けました。
会場に展示されていた「荒巻山界隈」などからわかるように、さまざまな街角を題材にした「これぞ小樽派」という写実的な画風でした。
1月26日死去。
■小樽風景・個性の響き (2009)
■40周年小樽美術協会展 (2008)
小樽 美術家の現在シリーズ1 小川清展 (2006)
※以上画像なし
今野隆二さんは1926年(昭和元年)利尻島の香深生まれですが、筆者には稚内の画家というイメージが強いです。
1948年、東光会に初出品入選を果たし、55年に会友、57年に会員に推挙されていますが、87年に退会しています。
道展には57年に初入選。89年に会員となっています。
今野さんも穏当な写実的な風景画が持ち味でした。
晩年、札幌に転居。札幌の絵画好きには「グループ環」のメンバーとして親しまれていたと思います。
1月7日死去。
■第10回グループ環絵画展(小品展併催)=2009
■第8回“グループ環”絵画展 (2007)
第4回“グループ環”油彩展 (2003)
高橋康夫さんは釧路の風景をダイナミックに描く画家でした。
1936年(昭和11年)、オホーツク管内清里町生まれ。
59年、北海道学芸大(現北海道教育大)釧路校卒。
一水会では1982年、94年、2000年、04年に佳作賞を受けています。08年に一水会記念賞を受けて会員に推挙され、16年には委員に推挙されています。
道展には67年初入選。89年に会友になり、92年に会員に推挙されました。
2月24日死去。
高橋康夫油絵個展(2003)
第76回道展 (2001)
※以上画像なし
橋本禮三さんもグループ環の結成メンバーです。第1回から14回まで皆勤でした。
1930年(昭和5年)札幌生まれ。
道展の初入選は42年、なんと小6のときでした。
47年には大衆賞、48年に奨励賞、49年に銀嶺荘賞を受けています。
その後も道庁勤務のかたわら絵筆を執り、62年に道展会員に推挙されました。
橋本さんは、道庁赤レンガなどを描くこともありましたが、教育文化会館など新しい建物もよく題材にしていました。「いまの札幌」を、臆せずに、おおらかなタッチで描く人でした。
9月6日死去。
■第10回グループ環絵画展(小品展併催)=2009
橋本禮三「緑園」 (2008)
■第8回“グループ環”絵画展
第4回“グループ環”油彩展 (2003)
いままで述べてきた4人はいずれも穏やかな写実の風景画を主に描く画家でしたが、中村國夫さんは、写実的でありながらも、頭骨と西洋の風景といった異質な要素を組み合わせた画風で、ちょっと異なります。
世代的にも、1943年(昭和18年)とやや若い方です。
旭川を拠点に、道展のほか新ロマン派美術協会や一線美術で活躍しました。
筆者には一線展のほうが印象に残っています。
4月5日死去。
■一線美術会第32回北海道支部展 (2014)
■第28回 一線美術会北海道支部展 (2010)
■一線美術会第26回北海道支部展(2008)
一線美術会第22回北海道支部展 (2004)
一線美術会第21回北海道支部展 (2003)
一線展 選抜展■第20回北海道支部展 (2002)
※以上画像なし
写実系の絵画の方がほとんどというのも不思議な感じがします。
ご冥福を祈ります。