老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

あんにゃもんにゃ   (一つ葉タゴ)

2016-04-19 17:00:02 | 俳句

山路を歩いていて、写真のような花を見つけた。
山を登って行く途中で下から見上げると遠目には、樹木全体に白い霞がかかっているような。
繭玉のようにも
雲のかけらが落ちてきて、木にひっかかったようにも
雪が積もったようにも
白い煙が棚引いているようにも
幻想的な花に思えた。

家に帰って、調べと、なんじゃもんじゃ トネリコ どちらか 判らなくなった。
なんじゃもんじゃ、は 一つ葉タゴの別名が。  、あんにゃもんにゃとも呼ぶらしいから、こう判明しない時は、(あんにゃもんにゃ)が一番的しているように思えてきた。

なんじゃもんじゃは モクセイ科ヒトツバタゴ属の一種。
トネリコを写真で見ると、たいして違いはないようである。
私的には、面白い名前 なんじゃもんじゃ のほうが俳句的でよい。
トネリコは モクセイ科トネリコ属。よく似ているそうである。
トネリコが複葉であるのに対しヒトツバタゴは小葉を持たない単葉れあるから「一つ葉タゴ」

そんなことから、私はこの花を なんじゃもんじゃ として扱うことにした。

水戸黄門さんが、この花を見て、名前を尋ねたら、黄門さんの言葉を聞きとれなかった農民が
「なん**じゃも**んじゃ」と黄門さんに、言葉を濁したことから、
「なんじゃもんじゃ」の名前が付いたとか。ほんとかな~。真偽はいかほどか。



     🐤   なんじゃもんじゃ雲の落とせるかけらごと

     🐤   なんじゃもんじゃ烟らせをりぬ湖の風

     🐤   なんじゃもんじゃ渓を隔てて翳る山
  
     🐤   なんじゃもんじゃいづれ他人に姉妹

     🐤   なんじゃもんじゃ根方に犬の尿をり
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黄心樹の花 (をがたま) 

2016-04-18 11:36:55 | 俳句


良い香りがするから近づく。
お隣の玄関先の庭に高さ二メートル程で枝に直径五センチくらいの花が咲いている。
いつも、前を通るのだけど、今まで気がつかなかった。奥様が、時々 新しい草木の苗を植える。去年は無かったと思う。
洗車をしていた息子さんに、お母さんに、花の名前を聞いててと声をかける。
息子さんは三十才前後であるから、私は、花の名前など、てっきり知らないと、思っていた。
「良い匂いがするでしょう。まるで、バナナの匂いみたいでしょう」
「ええ、甘い香りに気が付いて、、、」
「ええ、、と おがたま っていったかな」



日曜大工が好きで、次から次と新車に乗り換え、日曜日は洗車に余念が無い。
イケメンで、時々、感じの良い女友達が訪ねてきている。
牡丹と薔薇の区別の付かない男性が往々にしてある。その中で庭の手入れも、お母さんとやっているのは見かけるが、このように珍しい花の名前を、即座に答えてくれるとは、ちょとした驚きであった。
すーごく嬉しかった。

モクレン科の常緑高木で、十五~六メートルになるらしい。ことに神社に多いと。神前に供えて神霊を招祷奉(おきてまつる)意から「おがたま」になった伝えられ、一説には、玉のような実を結ぶところから出たともいわれる。
歳時記の例句にも、これを見据えた句が。

   ☆   をがたまの花咲き社家の娘が嫁ぐ   大橋敦子

   ☆   神事待つ黄心樹の花一つ散る   粟飯原幸子

   ☆   黄心樹の花のほころぶ神鼓かな   紅林みのる 


遠くや、吟行にわざわざ出かけなくても、俳句の材料は落ちていたりして、、、、

   🍌   をがたまの花に洗車の虹かかる

   🍌   をがたまの花の香の降る夕まぐれ 

ちなみに、一円玉は、をがたまを もとにデザインされているそうな。  



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万葉集に出て来る名前

2016-04-17 10:03:45 | 俳句
    🐢   山菜の宝の山や遍路道


山路を歩いていると、葉が花のように紅い芽吹きに出会う。
先だって、「やまと花萬葉」なる、写真と文章の本を、パラパラとめくっていた。
桔梗が(あさがほ) 鶏頭が(からある) 南蛮きせる(おもひぐさ) などなど、知っているのもあれば、思いもかけぬ名前であったり、面白い。

写真は
ひさぎ (赤芽柏)である。

「ぬばたまの 夜のふけゆけば 久木(ひさぎ)生ふる 清き川原に 千鳥しば鳴く」    山部赤人

万葉人は 「ひさぎ」とこの木をよんでいたのだ。柏の上に赤芽と名付けたのよりずっと、趣がある。
万葉集は,夫が親しんでいるけれど、私は夫から本を借りて、時々パラパラとページをめくるくらい。
一度見て印象に残っていた写真と同じ木の芽吹きを見つけたからシャターを押した。



夏、黄色の小花が多数集まって円錐状に咲く。秋になると実が熟すと、中から黒紫色の丸い種子が飛び出るそうである。
ここは 殿 を連れて、よく散歩に来、昨今も散歩に来るダム湖を巡る路である。
今までは、何度も目にしていながら、気が付かなかった?関心を寄せなかったのだろう。

野良犬に餌を持ってきたが、今日はどこかへ行って見当たらない。

ダム湖の水がキラキラと光って、一番美しい時季であろうか。

   
    ⛵   うす紅の柏の芽吹き湖光る

    🚐   蜥蜴穴出てうかうかと子の前に 
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ずたずたの心で春を惜しみけり  

2016-04-16 09:49:38 | 俳句
    ☆   ずたずたの心で春を惜しみけり   長谷川櫂 


今日は熊本の、地震災害が余りにも甚大であったから、呑気にブログなどを書いていては、被災者の方に申し開きができないような気がしていた。

今 まさに荒れに荒れ狂っている、熊本の 益城町は 櫂先生の産土、宇城市にごく近い街である。
地震の規模は阪神淡路大震災と同じ。津波こそ無いが、熊本はいま、激甚の最中に。さぞ、ご心痛のことであろう。

揚句は、東日本大震災を詠んだ、櫂先生の句である。
「春惜しむは」過ぎゆく春を惜しむこと。詠嘆的なもの哀しい情が含まれている。
震災によって壊された東北の山や河、人々の心がずたずたに裂かれている。震災で失われた多くの命を惜しむ気持ちを込めた句とおもえる。

「震災句集」から

    ☆   みちのくの山河慟哭初桜

    ☆   桜貝などに心は慰まず

    ☆   人間に帰る家なし帰り花

震災を乗り越えて未来志向の句も    

    ☆   葦牙のごとくふたたび国興れ

    ☆   桜貝のこされしもの未来のみ

    ☆   悲しんでばかりもをれず薺打つ

故郷を思えば大変であろう。
句に詠んだように、未来に向かって周囲の方と歩を並べ、助け合って行ってもらいたいものである。
私と同じく誌友も、心配をしているであろう。
お見舞い申しあげます。
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ルッコラを植えた

2016-04-15 12:53:52 | 俳句

我が家の玄関は北向き。余り、お日さまが当たらない。
日陰に咲く花が今盛りと咲いている。名前は忘れた。
擬宝珠の花の葉も大きくなりつつある。

昨日は南向きの裏庭のプランターにルッコラを植えた。
気温が十五度以上でなければ、発芽しない。とっくに、適温の時季になっている。遅いくらいである。
サラダに欠かせない。パスタにも入れる。便利である。

昨夜の熊本県の地震。被害が又、大きい。
何があるか判らない世の中。
いつも、被災地のことを想ったり、被害を受けて困っている方々を心配しつつ、ブログを書いている、自分をいましめる。

『明日あると思う心の仇桜夜半に嵐の吹かぬものかは」
親鸞さんの言葉を、母が子供の頃に教えてくれた。

災害は青天の霹靂 誰に襲いかかるかもしれない。
お気の毒ではあるが、夜半に嵐が吹いてしまった。地震なぞ、夢にも考えたことが、無かったと云っていた人。驚いたであろうが、頑張って。気を確かに持って前に進んで欲しい。

他人ごとみたいに云っているけれど、災害に遭った方のことを想うと、ブログなぞ書いててもよいのかと、心が痛む。



    🍒    たちまちに桜隠しの角館

    🍒    草木獣寝静まる刻花吹雪

    🍒    花疲れの面々そろふ句会かな
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