今週 南方から紀伊半島に上陸の後、関西辺りを縦断して日本海へと抜けた台風第 7号は、予想された事とはいえ 西日本や当地東海などに大きな爪痕を残したのは事実。被災各地には、一言のお見舞いを申したい。
その事に留意の上、思いの他 今回台風の大雨に振り回された感あるのが東海道・山陽新幹線だろう。一昨日 8/15の計画運休はやむなしとしても、昨日と今日 天候を読み切れなかった所もある 各日ほぼ半日に及んだ運転見合わせには課題を残した様だ。
この影響を受け 列車内で長時間の足止めに遭ったり、各駅などで予定列車が運転されず これも長時間の待機などを余儀なくされた各位の不興は理解する。その事を踏まえた上で、やはり今回の状況は JR二社にしても 対応は難しかったのではないか。
短時間の大雨には、もうすぐ 60年の歴史を積み重ねる新幹線にとっても未だ強敵という事だろう。過分な擁護は慎むべきは分かるが、JR二社には 今回の事共を確実に教訓とし、長時間運転抑止を少しでも避ける為の糧にして頂きたいもの。又 その事の判断基準ともなる各機関の気象情報が、二転三転した所あるのも 前述新幹線停止と同様に大きな問題ではないか。
本題です。先の菅(すが)政権下で一部会員の任命拒否なる事態に至った政府関連組織・日本学術会議の今後のあり方につき、少し動きがあった様だ。政府関連を離れ、民間の機関に組織変えすべきとの主張も大きくある所。以下 昨日の産経新聞ネット記事を引用して、みて参る事に。
「民間法人移行案を議論へ 学術会議、月内にも有識者初会合」
政府は 日本学術会議のあり方を検討する有識者会議の初会合を月内にも開く。海外の事例を参考に、学術会議を現行の「国の特別機関」ではなく 民間法人に移行する案を俎上(そじょう)に乗せて議論する見通しだ。政府は 第三者的な視点での検討を通じ、組織運営の透明化につなげたい考えだ。
有識者会議は、学術会議を所管する 後藤茂之・経済再生担当相のもとに設け、学術界や経済界など 10人程度で構成。議事は非公開とし、後に議事録を公開する方向だ。
学術会議は 会員候補が現職会員らの推薦で任命されるなど、運営に透明性が欠ける問題点が指摘されている。政府は先の通常国会で、学術会議会長が任命した第三者の「選考諮問委員会」を会員選考に関与させつつ、最終的に首相が会員を任命する事を柱とする 日本学術会議法改正案の提出を検討した。
ただ この政府方針に対し、学術会議側は「独立性が損なわれる」と反発。結局、政府は法案提出を見送った。組織改革を求めてきた与党からは不満が噴出し、学術会議側も「開かれた協議の場」を要望している。政府はこうした経過を踏まえ、有識者会議で議論を仕切り直すことにした。
有識者会議では 学術会議の民間法人化が焦点となりそうだ。自民党の世耕弘成(せこう・ひろしげ) 参院幹事長は 4月の記者会見で「どうしても 自分たちたげで人事を決めたいなら、例えば民間的な組織として自由にしていただく選択肢もある」と指摘した。
海外の事例では、先進 7カ国(G7) の学術機関(アカデミー)は 政府機関ではなく、ほとんどが非営利組織など民間団体だ。公費負担の比率に幅はあるが、全額を依存しているケースは少ない。一方 学術会議の会員は特別職の国家公務員で、政府は人件費なども含めて 年間約 10億円を計上している。
民間法人化は もとの政府案以上に激しい改革となるが、学術会議は国の機関としての維持を希望しており、有識者会議での意見集約には曲折も予想される。政府高官は「速やかに結論を出していかなければならない。もとの政府案か、民間法人化かの二択だ」と語る。(引用ここまで)
結論から申せば、日本学術会議は 我国の健全な独立と発展に、決して寄与しているとはいえないのが拙印象だ。最新の先端技術との向き合いにしても、民間向けと軍事的防衛向けは両用化(デュアル・ユース)が一段と進み、後者を相当に忌避する学術会議のあり方は 決して好ましいとはいえないだろう。
学術会議自体にしても「独立性保持」を声高に主張する一方で、裏側では日共を含む左派野党勢力との親和性を相当に孕むらしい。近年では、北日本の或る大学の船舶性能向上に関する実現性の高い研究が 学術会議の左傾急進派の妨害で抹殺されたケースを聞くし、元職とはいえ 中国大陸の科学者向けの大規模人事「千人計画」に加わった人物複数。しかも一部は、同国の軍事的研究にも加担していた疑いが持たれるというではないか。
こうした事共から、拙者はもう 日本学術会議のあり様は「民間法人化一択」でも良い位と心得る。さすれば人事権も会議側に移せるし、いかな思考的立場の人物が加わっても基本は可という事だ。ただ 左派勢力はあくまでも国家行政面への影響力ある公的機関に拘泥する様だし、関係者の身分にしても 特別職国家公務員の地位にしがみつくつもりなのだろう。しかし国民サイドでは、断じてそれは認められない事だ。又 防衛機密に抵触する様な出方は、当然厳しい禁止規制を要しよう。
学術会議の今後を左右する、有識者会議の行方は全国民で注視監視して参るべきと心得る。今回画像も振り返り恐縮。東隣静岡との県境近く、浜名湖畔を新大阪方面へと下る 東海道・山陽新幹線試験列車「ドクター・イエロー」の様子をもう一度。