一日遅れとはなったが、昨 8/6は広島原爆忌。毎年の事ではあるも、続く 8/9の長崎原爆忌と共に 凄惨な犠牲各位への弔意と 重篤な後遺症にも遭われた被害各位へのお見舞いの意を新たにしたく思う者だ。
その所を踏まえた上で、やはり原子力エネルギーの平和利用には道が開かれて良いと心得る。その事は決して、広島・長崎の原爆犠牲各位の心や立場に背くものではないとも信じる者だ。
先の東日本大震災に伴う福島原子力発電所の大事故は 歴史的にも留意されねばならぬが、廃炉を初め それらの後処理への努力も一定は理解すべきという事だろう。それには、既に限界に近づいている 前述事故処理水の取り扱いも含まれる事だろう。以下 昨日放送のフジ TV系報道番組の席上明かされた、甘利 明・前自民幹事長の表明をみて参ろうと思う。
「『あなたにだけは言われたくない』自民・甘利氏 中国(大陸)の処理水放出批判に反論」
自民党の 甘利 明・前幹事長(衆議)は、8/6のフジTV「日曜報道 THE PRIME」で、福島第一原発の(事故)処理水を海に放出する日本政府の方針を中国(大陸。以下中国と略す。)が批判していることについて「あなたにだけは言われたくない」と述べた。
政府は 処理水を 2023=令和 5年夏頃(以降)に海に放出する方針だが、中国は「核汚染水」などとして 科学的根拠に基づかない主張をしている。
甘利氏は 処理水に含まれるトリチウムについて「(世界保健機関 WHOの)排出基準の 1/40、飲料基準の 1/7まで希釈して排出する」とした上で「総排出量は、中国の 1/.5から 1/7だ」と強調した。その上で「政府の気持ちを代弁するなら『あなたにだけは言われたくない』ということだと思う」と述べ、中国の主張に反論した。
さらに甘利氏は「中国が、専門家同士の意思疎通を行わないのは、科学的でない主張をしているからだ」と指摘。「中国は 政治的な意図で、根拠のない噂(うわさ)を外交ツールとして 相手の意思をねじ曲げるために使う。それに乗る必要はない」と主張した。(引用ここまで)
福島原発事故処理水の取り扱いに関しては、先日 国際原子力機関 IAEAによる査察も行われ、科学的な国際基準に照らし 全てクリアとの認定が得られている。
又、独自調査を行った 大韓民国政府によるそれでも「ほぼ問題なし」が表明された由。つまり中国大陸の反対姿勢は、我国の福島浜通り界隈の漁業関係各位の不安や懸念を利用し仕掛けた「情報戦」の色濃いものという事だろう。決して「他の諸国は良いが、日本だけはダメだ」的姿勢に屈してはならず、又「事故処理水は通常排水とは別物」の主張も無根拠の様だ。
国際原子力機関 IAEAは、前述処理水の海洋放出に際し「必ず立会い調査を行い、水の含有物質が僅かでも基準を超えるなどした場合は 直ちに放出を中止させる」「処理水最後の一滴が海に放たれるまで、関係者を福島に常駐させる」などを表明。海洋放出に万全を期す構えで、それは拙者も尊重する者だ。
韓国政府もその所は理解の姿勢で、放出時期はこれから調整も、この盆前後に持たれる 米・日・韓 3か国首脳会議の席上で詳しい説明がなされた後、今月末以降から開始の可能性が高そうだ。
中国大陸・中共側の反発予想は勿論あろうが、怯(ひる)んではならない。我国側も、甘利前自民幹事長が触れられた様に、科学的根拠を重んじた 毅然とした姿勢で自信を以て対外発信を敢行し、国際社会の安心を伴う支持を 先手を打つ形で勝ち得る努力をせねばなるまいて。
大韓民国もそうだが、中国大陸も 国際社会へ向けて自国有利な方向へ誘導する情宣などを行う「ロビイング」に長けているとされる。明らかに 日本及び日本人が苦手とする分野だ。固有文化としては尊ぶべき「謙譲の美徳」も、そのまま対外通用するものではないとみた方が良い。
これまで余り努力してきたとは言えない、説得力ある形で 我国の立場を 堂々と対外主張する心がけを、これからは意識した方が良くはないか。今回画像も振り返り恐縮。昨初夏、初めて訪れた岩手・釜石の港近くの様子を。通る線路は第三セクター・三陸鉄道線。