東日本大震災に絡む、東電福島第一原発事故処理水の 国際的安全確保の上での海洋放出が一昨日より始まったが、これを良く思わぬ中国大陸や北鮮が「核汚染水放出」などとして 国際社会向けに貶めレベルの情宣の挙に出ている様だ。我国は 国際原子力機関 IAEAの安全基準を努力してクリア、尚かつ同機関の最後までの長期に亘る指導監督下にて慎重に行うにも関わらずだ。
我国産海鮮全国全部の禁輸措置に飽き足らず、民間レベルでは福島県初め 東日本の流通や観光関係の各所、更に原発処理水問題とは無関係の諸団体機関にまで 匿名の嫌がらせ電話が多数着信していると聞く。威力業務妨害レベルも疑われ、発信元は 多くが中国大陸の国番号だとか。
我国外務省も、同国外交筋にこの事案発生と対応善処の申し入れをしている様だが、これまでの「遺憾砲」レベルでは駄目だろう。NTT社以下の国内通信業者と連携し、妨害意図が明らかな発信は ブロックが可能な措置を講じられる様努めるべきだろう。勿論 中国大陸と経済交流ある所も少なくないだろうから、そうした所の連絡手段の保全も必要だろうが。
さて本題。そうした民間発を装った妨害発信も、裏面には中共政府の意向を受けてのものも少なくないだろう。我国政府も 外交攻勢に打って出る方向だろうが、そうした中共の「搦め手」的情報戦を仕掛けている所もよく把握の上で 策を講じて頂きたいものだ。以下 今日の読売新聞ネット記事を引用して、みて参る事に。
「中国(大陸)禁輸撤廃へ日本政府が外交攻勢、IAEAと連携・・中国の『孤立化』狙う」
東京電力・福島第一原子力発電所の処理水海洋放出への対抗措置として 中国(大陸)が日本産水産物の輸入を全面停止したことを受け、日本政府が外交攻勢を強めている。(海洋)放出を支持する国際原子力機関(IAEA)や関係国と連携し、同国の「孤立化」を浮き彫りにしたい考えだ。国内水産業への支援も強化する。
放出開始から一夜明けた 8/25、林外相、西村経産相は IAEAの ラファエロ・グロッシ事務局長とそれぞれ TV会談した。林氏は「IAEAが福島にとどまるという 強いメッセージに感謝する。日本政府としても 安全性の確保に努める」と強調した。
IAEAは 8/24、原発に駐在する専門家が 最初に放出される処理水のトリチウム(三重水素)濃度を測定し、運用基準(1L当たり 1500ベクレル未満)を大きく下回ることを確認した。グロッシ氏は林氏に対し「想定よりはるかに低いレベルだ」と指摘し「IAEAは 国際社会の目としての役割を果たし、最後の一滴が放出されるまで関与していく」と応じた。林氏はこの日、メキシコの アリシア・バルセナ外相とも電話会談し、同氏から「日本が国際基準を順守することを信頼している」と 放出への支持を取り付けた。
中国(大陸)は、科学的根拠を示さないまま 8/24に(日本の海産物などの)輸入停止停止措置を決めた。日本政府は同日、駐日中国大使に電話で抗議し、即時撤廃を要求した。外務省幹部は「中国(大陸)は、振り上げた拳(こぶし)の下ろし方が分らなくなっているのだろう」と指摘する。
政府内には 世界貿易機関(WTO)への提訴を求める声もあるが、まずは(この) 9月に開かれる 東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議で日中首脳会談を行うなどし、撤廃を働きかけたい考えだ。岸田首相は国際会議の場で、日本産水産物の販路拡大に向けた トップ・セールスも行う。
(禁輸)措置が続けば、国内水産業への打撃は避けられない。松野官房長官は 8/25の記者会見で、風評被害などに備えて準備した 300億円の基金も活用して、中国(大陸)以外の販路開拓を支援する考えを示した。「新たな輸出先のニーズに応じた加工体制の強化についても、臨機応変に対策を講じていく」と述べ、基金とは別に 設備投資への支援も検討する考えを明らかにした。中国(大陸)は、日本から輸入した殻付きホタテの殻をむいて 他国に輸出してきた。日本から直接輸出するため、国内で殻をむく加工施設の建設を後押しすることなどが念頭にある。(引用ここまで)
露骨な軍備強化の一方で 巧妙な搦め手外交も得意な中国大陸が、我国発の海鮮禁輸が不条理だからといって 直ぐに撤廃に応じるとは勿論思えない。そればかりか、来月予定の ASEAN会合の折、岸田総理が 習(しー)・中共国家主席と会談できるかも定かではないのだ。一方で同国は北鮮と共に「日本が核汚染水を放出している」対外情宣を垂れ流しにする事だろう。林外相も注力を表した 我国海鮮禁輸撤廃への働きかけも結構かもだが、その前に 前述の「間違った情宣」を打ち消す為の策を打つ方が先ではないのか。
前述の強硬な禁輸策の一方で、中国大陸は 我国の三陸沖などでのサンマ乱獲の挙などは続けている様だ。又 個人又は団体にての対日旅行の条件緩和などを再び引き締める見直し意思も見られない様だ。明らかな矛盾・・と言うより脈絡のなさ。より本当に近い所は、原発処理水海洋出しは 前述のサンマ乱獲にとり不都合なので反対表明や批判を繰り広げているという事ではないのか。
北鮮の、いかにも全人類に対する犯罪じみた様な対日言いぐさも 実の所は中共と足並みを揃えただけの話だろう。保守的日本人の視点よりは「どの口が言っとる?」でしかないのだが。とまれ非友好側諸国は、貶め的対日情宣が総じて上手いのは事実。岸田政権はその所に留意の上、くれぐれも丸め込まれぬ様 強い意思で対峙を願いたいものだ。今回画像も振り返り恐縮。今春静岡県下にて捉えた、木立越しの霊峰富士の様子を。通る線路は JR東海道本線。